神戸電鉄2000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年5月7日 (水) 15:52時点におけるTomohiro HIRAO (トーク)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:鉄道車両

ファイル:Shintetsu2000.jpg
4両編成は三田線、有馬線、粟生線で使用される

神戸電鉄2000系電車(こうべでんてつ2000けいでんしゃ)は、神戸電鉄が保有する通勤形電車

概要

公園都市線開業に合わせ、3000系以来のフルモデルチェンジ車として1991年に登場した。

  • アルミ合金製
  • 3両編成(2M1T)と4両編成(3M1T)の2タイプ
  • ワンマン運転対応 (3両編成は登場時から、4両編成は改造で設置)[1]
  • 制御機器は電動カム軸式自動総括制御

神鉄ではほとんどの編成でM車のみだったが2000系ではT車が連結されており、空転防止のために空転検知器を設置した。

のちに登場した5000系は、この車両をベースにVVVF制御・オール電動車編成としたものである。

運用

3両編成は公園都市線有馬線末端区間(有馬口 - 有馬温泉間)で、4両編成は有馬線、三田線粟生線で主に運用されている。

在籍数

2005年6月現在、3両編成3本と4両編成2本の17両が在籍している。

編成

2000形制御電動車 (cM・Mc) と2200形中間付随車 (T) からなる2M1Tの3両編成と、これに2100形中間電動車 (M)[2] を加えた3M1Tの4両編成があり、有馬方から前者は cM-T-Mc、後者は cM-M-T-Mc の順に編成される。電動車 (cM・M・Mc) には制御装置とCPが、付随車 (T) には静止形インバータ (SIV) ・蓄電池 (BT) が搭載されている。パンタグラフ (PT) は制御電動車の連結面寄り車端部に付けられている。

主要機器

制御装置・主電動機

走行性能は1100系と同様で、電動機は中間にT車をはさんだ2M1T編成のため同系列のMB-3088-B(105kW)、制御装置はABF-144-15MDHB電動カム軸式自動総括制御を採用、1C4M方式で4個の主電動機を永久直列接続として抵抗14段・界磁7段で制御する。1100系と同様に、全電動車編成に比べて空転を起こす比率が高くなるため、空転検知器を設置し、空転が起きた場合は自動的に主回路を遮断、再粘着後元の回路を構成する。平行カルダン駆動方式を採用し、歯車比は99:16である。

台車

台車は軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車 KW-200(動力台車) とKW-220(付随台車) を採用した。

集電装置

PT-4808-B-M下枠交差型パンタグラフを採用している。2000形奇数車 (cM) と2000形偶数車 (Mc) の連結面寄り屋根上に搭載している。

ブレーキ

神鉄初のMBSA形電気指令式電磁直通ブレーキを採用。HSCブレーキ車との非常時の連結に備え、両者でブレーキ操作が出来るようブレーキ読替装置を設置。[3]また、3000系同様非常電制を自動化している。なお、3000系で採用されていた定速度抑速制御装置は設置していない。保安ブレーキも併せて装備する。

補助電源・空気圧縮機

補助電源装置は4連化に対応するため、4連分の給電能力を有する100kVAのSIV、NC-FAT100Bと16kVAのバックアップインバータ、NC-FAT16Aの2種類の静止形インバータを採用。T車の2200形に搭載。電動空気圧縮機はC-1000電動空気圧縮機を採用。吐出容量は毎分1160リットルである。CPの多重系を図って、2000形奇数車 (cM) と2000形偶数車 (Mc) と2100形 (M) に搭載する。

参考文献

  • 『鉄道ピクトリアル No.711 2001年12月臨時増刊号』、電気車研究会、2001年

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 4両編成は建造当初ワンマン運転の公園都市線以外で使用するため (当時は公都線以外はツーマン運行。後に有馬線末端部:有馬口 - 有馬温泉間 (2001.6.23) から粟生線:新開地 - 粟生間 ('04.1.11) 、有馬・三田線:新開地 - 三田間 ('05.6.1) の順にワンマン運転に移行) ワンマン設備は準備工事に止められていた。(ワンマン改造後の現在もOM3両編成で運用の公都線以外の運用に就く。)
  2. 2100形の車番は他の車両と番号を揃えており、2101~2103は欠番である。
  3. 本車系以降のMBSA採用車に標準装備。

テンプレート:神戸電鉄の車両