碾茶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
碾茶(てんちゃ)は、蒸し製緑茶の一種。抹茶の原料。中国茶の一つである甜茶(てんちゃ)は別の物。
概要
玉露と同様、収穫前に被覆した茶葉を蒸し、碾茶炉で乾燥して製造する。煎茶のように茶葉を揉む工程が無いため、形状は青海苔に似ている。その香気は玉露同様独特のかぶせ香があり、適度に香ばしい。茶を摘採まで少なくとも20日以上被覆してその生葉を蒸して揉まずに乾燥せしめたものである。
茶葉の中でもテアニンというアミノ酸の一種(グルタミン酸の誘導体)を多く含み(玉露も同様)、リラックス・集中力を高める効果がある。
抹茶とはこの碾茶を石臼で挽いて粉末状にしたものであり、その保存に用いられたのが茶壺(葉茶壺)である。
生産量
2006年度の全国総生産量は1650tで、都道府県別では京都府が789tと最も多く、次いで愛知県の473t、静岡県の183tである[1]。全国茶品評会で産地賞を受賞した自治体は、第58回(2004年)が西尾市(西尾茶)、第59回(2005年)~第63回(2009年)が宇治市(宇治茶)である。
また、2006年度の市町村別生産量では、主要産地の愛知県西尾市が329t(東海農政局調べ)、京都府相楽郡和束町が264.5t(京都府調べ)となっている。