知床岬
知床岬(しれとこみさき)は、北海道北東部、斜里郡斜里町遠音別村岩尾別にある岬。知床半島先端に位置し、オホーツク海に面する。テンプレート:Coord。
概要
地名はアイヌ語の「シリエトク」(大地の突端)からきたとされる。岬上は標高30~40mの台地で、周囲は断崖である。ウミウ、オジロワシ、オオワシなど天然記念物の野鳥のほか、アザラシ、トド、ヒグマも棲息する。1964年、知床半島の中部以北が知床国立公園に指定された。
南アフリカ共和国で開催されたユネスコの会議で、現地時間の2005年7月14日に世界遺産に登録された。
岬への訪問について
知床岬の付近は国立公園内の特別保護地区として厳重な管理下におかれており、道路や大形船の接岸できる港湾施設の建設が規制されている。このため、一般の観光客は事実上立入りできない。かつては遊漁船による上陸が行われていたが、環境保護の申し合わせにより1984年以降は自粛されている。観光客はウトロ港から出ている知床観光船などの観光遊覧船、あるいは自然観察船で、海上から望むことになる。
上記の通り、一般の観光客は事実上立ち入ることができないが、毎年若干名が陸路(海岸沿いまたは山岳ルート)あるいは海路(シーカヤックなど)で岬を訪問しており、その模様をウェブサイトに公開する者もいる。ただし、陸路の場合は道と呼べるものはなく(場合によっては海の中を歩く必要すらある)、十分な登山の装備と経験が不可欠である。海路の場合も避難できる港湾施設などは存在しないため、知識と経験が求められる。これらが伴わない興味本位での訪問は非常に危険である。また、これらを備えた場合でも、訪問はすべて自己責任のもとに行われることを留意する必要がある。
若干名とはいえ特別保護区内での活動であるため、自然環境への影響が懸念されている。このため環境省は2004年に「知床半島先端部地区利用適正化基本計画」[1]を策定し、これに基づいた「利用の心得」を2008年1月に制定した[2]この中には登山やシーカヤックで半島先端部を訪れる場合の留意事項が記載されている。
2009年9月、徒歩で岬方面に向かった訪問者のテントが留守の間にヒグマに荒らされる被害があり、環境省釧路自然環境事務所は、知床岬への徒歩での訪問の自粛を要請した[1]。