犬吠埼燈台
テンプレート:灯台 犬吠埼燈台(いぬぼうさきとうだい)は千葉県銚子市のはずれ、犬吠埼の突端に立つ灯台である。周辺は水郷筑波国定公園の一部となり、太平洋に臨む景勝地。
概要
犬吠埼灯台は日本を代表する灯台の一つで歴史的文化財的価値が高く、Aランクの保存灯台ともなっている。「世界灯台100選」、「日本の灯台50選」にも選ばれている。 2010年(平成22年)4月28日には国の登録有形文化財にも登録された(官報告示は同年5月20日)。
また、最大の第1等レンズを使用した第1等灯台である。第1等灯台は日本に5つ[1] しかない。
歴史
この灯台は明治初期に、江戸条約によって建設された8基、および大坂条約によって建設された5基の洋式灯台の中には入っていないが、それに続く重要な灯台として建設が決まった。というのも、この付近一帯は小島・岩礁が多く、昔から海の難所とされてきたからである。
そして1868年10月6日(慶応4年8月21日)、幕府の軍艦「美賀保丸」が暴風雨に遭い、ここの黒生(くろはえ)岩礁に乗り上げて座礁沈没、乗組員13名が死亡するという事故も起きていた。そのような中でイギリスから招いた灯台技師、リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計、施工監督のもと1872年10月4日(明治5年9月2日)に着工、1874年(明治7年)11月15日に完成し初点灯された。
建設当初より白色塔形(円形)の煉瓦造灯台であるが、この煉瓦は内務省の土木技師中沢孝政によって生産が試みられた初の日本製(千葉県香取郡高岡村、現在の千葉県成田市高岡)であり、その数はおよそ19万3000枚である。ブラントンは当初日本製煉瓦の使用に反対したといわれ、その強度に不安を感じたためかこの灯台の造りはそれまでの灯台の構造とは違って二重構造になっており、120年以上の風雪に耐え今日に至っている。灯塔高 31.3 m(地上から塔頂まで)で、煉瓦製の建造物としては尻屋埼灯台に次ぐ、日本第2位の高さである。
2008年(平成20年)3月31日、犬吠埼灯台に付随する施設であった犬吠埼霧信号所「霧笛舎」が100年の歴史にピリオドを打ち、閉鎖された。閉鎖に当たって最後の霧笛を鳴らすお別れ式典が挙行された[2]。
付属施設
一般公開
本灯台は一般公開されている参観灯台であり、上まで登ることができるが、螺旋階段の数が九十九里海岸にちなんで99段となっている。灯台上からは太平洋を一望の下にできる。
- 大人200円、小人無料
犬吠埼灯台資料展示館
犬吠埼灯台の敷地内には、2002年3月20日に開館した犬吠埼灯台資料展示館もあり、この灯台の歴史、機能・役割などを学べ、初代犬吠埼灯台レンズ(フレネル式第1等8面閃光レンズ)をはじめ、貴重な資料が多数展示されている。
フォト・ギャラリー
- Choshi Inubosaki Lighthouse 2013-09C.JPG
灯台と太平洋
- Inubozaki lighthouse 003.jpg
銚子ポートタワーより望む灯台
- Cape-Inubosaki from Toriake-ura beach Choshi city Chiba Japan.jpg
酉明浦より望む灯台
- Inubosaki-todai.JPG
地球の丸く見える丘展望館より望む灯台
- 霧笛所.JPG
犬吠埼灯台霧信号所
- The white post in front of a inubohosaki lighthouse.jpg
犬吠埼灯台前の白いポスト
- Choshi Inubosaki Museum 2013-09A.JPG
犬吠埼灯台資料展示館