渡辺香津美
渡辺 香津美(わたなべ かづみ、1953年10月14日 - )は東京都渋谷区出身のギタリスト。
目次
バイオグラフィ
東京都渋谷区のたばこ屋に生まれる。中学2年でベンチャーズに興味を持ち、初めてギターを手にする。入学した暁星高等学校の先輩にモト冬樹がおり、彼のギターの影響も受ける。その後ジャズに興味を持ち、ヤマハ音楽教室で中牟礼貞則に学び始める。1971年に『インフィニット』でデビュー、その卓越したギター・テクニックで「17歳の天才ギタリストの出現」と騒がれた。また渡辺貞夫らトップミュージシャンのグループに在籍した。1979年には坂本龍一、矢野顕子、村上秀一らと「KYLYN BAND(キリンバンド)」を結成。また同年にはイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のワールドツアーにサポート・ギタリストとして参加した。この模様はYMOの3枚目のアルバム『パブリック・プレッシャー(公的抑圧)』で発表されるが、渡辺のギター・チャンネルは、当時彼が所属していた日本コロムビアの意向でカットされることとなり、代わりに坂本龍一のシンセサイザーが追加録音された(渡辺のギターは後年リリースの『フェイカー・ホリック』などに収録された)。
コロムビア時代の代表作の一つ『TO CHI KA』ではヴィブラフォン奏者のマイク・マイニエリがプロデューサーとして迎えられている。このアルバムの収録曲"Unicorn"が日立のオーディオ・ブランド「Lo-D」のCM曲に使われ、人気を不動のものとする。
1981年からはFM東京(当時)系列で自身の番組『グッド・バイブレーション〜渡辺香津美・ドガタナ・ワールド』のパーソナリティーを務める。
1982年に日本コロムビアからポリドール(現:ユニバーサル・ミュージック)に移籍、併せて自らのレーベル「domo」を立ち上げる。
1987年、ビル・ブルーフォード、ジェフ・バーリンとのトリオで「スパイス・オブ・ライフ」を発表。同編成で日本公演を行い、この映像は当時にテレビ放送されたほか、レーザーディスクで市販された。後にDVDとしても発売されている。同編成にキーボード奏者を加えた編成にて、続編の「スパイス・オブ・ライフ・ツー」を発表。ライブではジェフ・バーリンは参加しなかったが、代打としてバニー・ブルネルが参加した。
1990年から1996年にかけて関西テレビの深夜ローカル番組『夢の乱入者』に出演。ポップス系を中心に異分野のミュージシャンをゲストに招き、トークとスタジオライブ(東原力哉、清水興らとのバンドにて。公開収録もあり)で多数と共演した。
2005年より一時期、NHK-FM『ジャズ・トゥナイト』のパーソナリティーを務めた。
現在洗足学園の特別講師も務めている。
2013年、ジェフ・バーリンと「スパイス・オブ・ライフ」以来となる共演ライブを行う。ドラムは引退したビル・ブルーフォードに代わり、ヴァージル・ドナティ(元PlanetX, Steve Vai, Allan Hordsworth, CAB等)が参加。ジェフの発案でレコーディングを行い5月に続いて11月にも再び公演を行い、新作「スピニング・グローブ」からの新曲を演奏した。 10月にはブルーノート東京でリー・リトナーと「マーメイド・ブールヴァード」「アランフェス協奏曲」以来35年ぶりの共演を果たした。
2014年、3月にリーリトナーと再び共演予定。
使用機材
初期には、ギブソン・レスポール・スペシャルやアレンビック、オベーション、スタインバーガー、ポール・リード・スミス、ヴァレイアーツなど。 クラシックギターはポール・ジェイコブソン、今井勇一を使用。
ディスコグラフィ
アルバム(リーダー作)
- INFINITE (1971年9月) 東芝
- MONDAY BLUES (1975年)-渡辺香津美(g)、土岐英史(as,ss)、板橋文夫(p)、岡田勉(b)、日野元彦(ds)
- ENDLESS WAY (1975年7月7日)
- MILKY SHADE (1976年)
- OLIVE'S STEPS (1977年9月25日)
- MERMAID BOULEVARD (1978年2月28日)
- LONESOME CAT (1978年6月25日)
- Village in bubbles (1978年)
- KYLYN (1979年)
- KYLYN LIVE (1979年)
- TO CHI KA (1980年5月25日)
- TALK YOU ALL TIGHT(頭狂奸児唐眼)/KAZUMI BAND (1981年5月25日)
- DOGATANA (1981年11月25日)
- GANESIA/KAZUMI BAND (1982年)
- MOBO (1983年)
- MOBO CLUB (1984年)
- MOBO CLUB 桜花爛漫 (1986年)
- MOBO SPLASH (1985年)
- THE SPICE OF LIFE (1987年)
- THE SPICE OF LIFE 2 (1988年)
- KILOWATT (1989年)
- Romanesque (1991年7月25日)
- Pandora/Resonance Vox (1991年7月25日)
- O.X.O/RESONANCE VOX (1992年7月25日)
- RESONANCE VOX (1993年7月21日)
- 自業自得/RESONANCE VOX (1994年9月24日)
- OYATSU (1994年11月21日)
- OYATSU 2 遠足 (1995年11月22日)
- esprit (1996年9月26日)
- Forbidden Plays/Kazumi Watanabe & Shinichi Fukuda (1998年)
- Dandyism (1998年6月1日)
- AUSTRALIA LAND OF DREAMS
- One for All (1999年6月16日)
- Kazumi Watanabe with Orchestra - Dear Tokyo - (2001年5月19日)
- BEYOND THE INFINITE (2001年11月21日)
- Guitar Renaissance (2003年2月21日)
- New Electric Trio MO'BOP (2003年8月10日)
- New Electric Trio MO'BOP II (2004年9月21日)
- Guitar Renaissance II <夢> (2005年6月22日)
- Guitar Renaissance III <翼> (2006年6月7日)
- New Electric Trio MO'BOP III (2006年9月6日)
- Asian Super Guitar Project〜ギター三国志 (2006年10月18日)
- 『開放弦』オリジナル・サウンドトラック (2007年2月19日)
- Guitar Renaissance IV <響> (2007年4月25日)
- Jazz Impression(2009年9月16日)
- Acoustic Flakes(2009年10月2日)
- USB40(2010年11月30日) *USBメモリ収録のデジタルデータアルバム
- LOTUS NIGHT (2011年1月26日)
- TRICOROLL (2011年12月28日)
- Guitar Renaissance V <翔> (2012年9月12日)
- Live At Iridium(2012年10月17日)
- Spinning Globe (2013年12月4日)
アルバム(共作・ゲスト参加)
- MUDARI Jimmy Hopps (1977年)
- KALEIDOSCOPE ミッキー吉野 (1978年)
- サマー・ナーヴス 坂本龍一&カクトウギ・セッション (1979年)※アブドゥーラ・ザ・"ブッシャー"名義[1]
- どですかでん 鈴木大介 (2001年)
- Castle in the Air 谷川公子 (2007年)
- NOWADAYS 吉田美奈子 (2008年)
- ワード・オヴ・マウス・バンド 1983 ジャパン・ツアー・フィーチャリング渡辺香津美 ジャコ・パストリアス (2012年)
コンピレーション盤
- TOKYO JOE
- KAZUMI's Music File 84-94
- The Best Performance
- Better Days of KAZUMI WATANABE
- ギター・ワークショップ Vol.1
- エイジアン・スーパー・ギター・プロジェクト〜ギター三国志
TV出演
- 音遊人(みゅーじん)(テレビ東京)2006年4月22日
- J-MERO(NHK総合テレビ)
CM
- Unicorn(日立 Lo-D、『TO CHI KA』所収)
- Melanco(アメリカン・エキスプレス、『THE SPICE OF LIFE』所収)
脚注
外部リンク
テンプレート:Music-bio-stub- ↑ 田山三樹『NICE AGE YMOとその時代 1978 - 1984』(シンコーミュージック・エンタテイメント、2007年)85頁。