流し満貫
テンプレート:特殊文字 流し満貫(ながしマンガン)とは、麻雀における役のひとつ。流局時に、自分の捨て牌がすべて么九牌だった場合に成立する。ただし、捨てた牌を他家に1枚でも鳴かれている場合は成立しない。表記揺れとして流満貫(ながしマンガン)[1]、別名として么九振切(幺九振切、ヤオチューふりきり)[2]とも呼ばれる。
成立条件
通常の和了は手牌を和了形にすることで成立するが、この流し満貫は例外的に、手牌の形ではなく捨て牌を問う。成立の条件は
である。これを満たしていれば、自分の手牌がどのような形であるかは関係ない[注 2]。
なお、四開槓や四家立直などの途中流局の場合は、たとえそれまでの捨て牌がすべて么九牌であったとしても、流し満貫にはならない。
得点
役の性質上、成立時には放銃者がいないため、ツモあがり相当の扱いとして他家全員から点数の支払いを受ける。その名が示すとおり一般的には満貫として点棒のやりとりが行われるが、取り決めによって倍満ないし三倍満とするルールもある[3][2]。また、巷間の三人打ち麻雀では流しを役満としていることも多い。
また、極めてまれなケースであるが、複数の者が同時に流し満貫を完成させることもある(最大3人。么九牌は全部で13種×4枚=52枚しかなく、流局までには最低17牌捨てなければならないため。)。この場合、ダブロンまたはトリプルロンありのルールであれば、全員が満貫のツモ和了として完成させた者同士の点数を相殺する。例えば東家と西家が完成させた場合、東家が+8000点(12000点-4000点)、西家が+4000点(8000点-4000点)、南家と北家が-6000点(-4000点-2000点)となる。ダブロンやトリプルロンなしのルールであれば、東家→南家→西家→北家の順のうち最も先に来る者が和了者となる特殊な頭ハネか[4]、三家和による流局となる(副露がない場合は海底牌が南家になるため、西家→北家→東家→南家の順にするルールや、先に最終打牌をしたプレイヤーのあがりとするルールもある)。
扱い
流し満貫は通常の手役とは性格を異にする特殊な役であるため、そもそも流し満貫を正式な役として採用しないルールがあるほか[5]、採用するルールでも和了役として扱う場合と扱わない場合がある(次節#採用状況節の一覧も参照のこと)。和了役として扱う場合はその局のノーテン罰符の収受は行われず、供託リーチ棒は流し満貫完成者が取得回収する。また、親が流し満貫を完成させた場合は、和了による連荘となる。一方、和了役として扱わない場合は、その局は流局として扱われる。細目は取り決めにもよるが、たとえば天鳳では、ノーテン罰符の収受が行われるかわりに流し満貫の点数の収受が行われ、その後、積み棒を1本増やして、親がテンパイであれば連荘、ノーテンであれば輪荘(親流れ)となる[6]。
採用状況
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歴史
流し満貫は中国由来のルールではなく、昭和20年代に日本で考案されたルールである[30]。そもそも中国の麻雀には河の概念がなく、昭和初期に麻雀が日本化される過程で河の概念ができ、そのあとに流し満貫という役も生まれた。戦後のリーチ麻雀の隆盛と共に流し満貫は急速に広まり、1960年に日本牌棋院が初めて成文化[30]、1970年代の第2次麻雀ブームの前後にはルールブックにも載るようになった。ただし、採用していない競技団体が多いことと、ローカルルールとしての出発点を持っていることから、ごくまれにいまだ流し満貫をローカル役としている場合も見られる。とはいえ現在の一般的なルールでは、特殊役ではあるものの正規の役の一つと考える場合がほとんどである。
その他
流局となるまで17~18枚の么九牌を捨てる必要があるため、流し満貫より国士無双を狙う方が期待値が高い。 国士無双に必要な13種14牌を引かずに么九牌を17枚以上捨てるとしても、それらの牌で最低でも対子が5~6つ、または暗刻が2~3個出来るため、やはり他の役を狙ったほうが期待値が高い。どちらかというと積極的に狙う役ではない。
ただし、国士無双を狙うと往々にして捨て牌ですぐにバレて警戒されることがある上、惜しげもなく中張牌を切る関係上他家の鳴きを許して先にあがられてしまう可能性がある。加えて、国士無双は13種の牌のうちどれか1種だけでも独占されるとそれだけで阻止されてしまう。それに対し流し満貫は一見するとタンヤオ系を目指して不要な字牌や么九牌を切っている(そして裏目に出ている)だけなのと区別が付きにくく、また流し満貫は特定の4枚の独占だけで阻止されると言ったケースが無い。これらの理由により、逆に国士無双よりは流し満貫の方が成立しやすいという考え方もある。
なお三人麻雀においては、四人麻雀と比べ成立しやすいか否かは比較が難しい。三人麻雀では一般的に萬子の2~8を使用しないが、これにより么九牌の総枚数は変わらない一方で中張牌の総枚数が28枚も減っているため、単純に么九牌を捨てる事が出来る期待値が大幅に高い。加えてチーが無いため捨て牌を鳴かれて不成立にされる危険が少ないので成立しやすいと見る者と、そもそも三人麻雀において四人麻雀より流局自体が少なく、流局時をもって成立とする流し満貫は成立が困難と見る者もいる。
脚注
注釈
出典
関連項目
テンプレート:麻雀の役- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite bookp152、十三無靠と流満貫の解説ページ。「この役は採用していない所が多い」との但し書きあり。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite book新現代ルールは1970年代に制定・発表された傍流のルール体系だが、p124およびp219に満貫役の1つとして「么九振り切り」(流し満貫)の解説があり、三倍額満貫と規定されている(三倍額満貫:基本点6000点役、標準的なルールの三倍満に相当)。役の定義は標準的ルールと同一である。
- ↑ テンプレート:Cite book劇画作品ではあるが、第1巻p48、劇中に「流しは三倍満よね」とのやりとりがある。
- ↑ 4.0 4.1 テンプレート:Cite web
- ↑ 5.0 5.1 井出洋介監修『平成版 麻雀新報知ルール』報知新聞社、1997年、ISBN 9784831901187、p27。新報知ルールでは十三不塔とともに流し満貫を採用役から除外している。
- ↑ 6.0 6.1 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 8.0 8.1 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 10.0 10.1 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web「オンライン麻雀 雀バト」は、2011年8月31日[1]にサービス終了した前身「近代麻雀オンラインバトル」のルールをそのまま引き継いでいる。その後、雀バトも2012年2月29日にサービス終了した。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 18.0 18.1 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
テンプレート:Cite web - ↑ テンプレート:Cite web
テンプレート:Cite web
テンプレート:Cite web - ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web(pdf版)
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
上記ルールページには流し満貫についての言及がないが、2012年1月27日深夜にCSフジテレビONEで放送された「われめDEポン 第68弾」においてパンクブーブーの佐藤哲夫が流し満貫を和了、満貫扱いの和了扱い。 - ↑ テンプレート:Cite webヨーロッパで開催されている日本式麻雀の大会の公式ルール。p19、4.2.4 Five fan yaku - All Terminals and Honours Discard の項に詳細。
- ↑ 30.0 30.1 テンプレート:Cite web
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