Bunkamura
Bunkamura(ぶんかむら、文化村)は、東京・渋谷にある大型複合文化施設である。運営者は隣接地に東急百貨店本店を持つ東急グループで、1989年(平成元年)に開業した。
目次
概要
テンプレート:Infobox 1980年代の東急グループ全体の戦略であった「3C戦略」に基づき設立された、株式会社東急文化村が運営する東急グループの施設である。
東急グループの「3C」とは「Culture(文化)」、「CATV(東急有線テレビ 現:イッツ・コミュニケーションズ)」、Card(クレジット・イチマルキュウ 現:東急カード)の頭文字をとったもので、Bunkamuraはカルチャー(文化)の中心的プロジェクトであり、東急グループの「文化戦略」の中核を担うものである。
良質の文化を創造し提供する「発表の場」、新しい文化の育成のための「創造の場」、人・芸術・物の交流を促進する「出会いの場」の3つをコンセプトに、コンサートホール(音楽)、劇場(演劇)、美術館(美術)、ミニ・シアター(映像)の各施設をはじめ、カフェやアート関連ショップなどがある。
かつてファンハウス(現・アリオラジャパン)が東急グループ傘下に入っていた時期には、共同で東急ファン事業を行っていた。
最寄り駅は渋谷駅。隣接する東急百貨店本店とは各階の連絡通路で結ばれている。
沿革
- 1982年(昭和57年)6月 - 渋谷の商業再開発における東急の戦略を確立するため、渋谷商業開発のマスタープラン「渋谷計画1985」の作成を日本都市総合研究所に依頼。
- 1984年(昭和59年)
- 2月 - 東急グループ経営会議常務会において、「東急文化村」の設立が決定。
- 4月11日 - 「渋谷計画1985」を基に東急百貨店内に「文化事業開発室」が創設。
- 6月 - 東京急行電鉄と東急百貨店の出資(約240億円)で「東急文化村」の建設が始まる。
- 1988年(昭和63年) - 「Bunkamura」の管理・運営を目的として、株式会社東急文化村設立。
- 1989年(平成元年)
- ファンハウスが東急グループ入りしたのと同時に、共同で東急ファン事業を展開する。
- 東京フィルハーモニー交響楽団がオーチャードホールと日本で初めてフランチャイズ契約を結び本拠地とする。
- 9月3日 - 日本初の大型の複合文化施設として「Bunkamura」開業。
- 1990年(平成2年) - 「Bunkamura ドゥ マゴ 文学賞」を創設。
- 1992年(平成4年) - 「創造と才能への支援」の一環から、「シアターコクーン戯曲賞」を創設。
- 1994年(平成6年) - 「シアターコクーン戯曲賞の運営」で、1994年度の「メセナ育成賞」(社団法人企業 メセナ協議会主催)を受賞。
- 1995年(平成7年)12月31日 - 第一回「東急ジルベスターコンサート」開催。
- 1999年(平成11年) - 「複合文化施設Bunkamuraの運営」で、1999年度「メセナ大賞」(社団法人企業 メセナ協議会主催)を受賞。
- 東急ファン事業が終了。ファンハウスはBMGジャパンと合併しBMGファンハウス(→BMG JAPAN→アリオラジャパン)となる。レコーディングスタジオ“TOKYU FUN STUDIO”はBunkamuraに売却されBunkamuraスタジオとなる。
- 2000年(平成12年)4月 - 会員組織「フレンズ」発足。
- 2002年(平成14年)4月 - 会員組織「倶楽部B」発足。
- 2005年(平成17年)4月1日 - それまでの会員組織「Bunkamura Member's Club」をリニューアルし、「Bunkamura チケットメイト」発足。
- 2007年(平成19年)10月16日 - インターネットショッピングサイト「Bunkamura オンライン市場」開始。
- 2009年(平成21年)6月 - 開館20周年キャンペーンとして、「Bunkamura POINT CARD」開始。
- 2011年(平成23年)7月4日 - 改装工事のため休館[1]
- 2011年(平成23年)12月23日 - リニューアルオープン。
Bunkamura内の施設
シネマフロア(6階)
オーチャードフロア(3階)
- オーチャードホール
- テーマカラーは赤色。マークは四角形。
- 世界三大ホール(コンセルトヘボウ、シンフォニーホール、ウィーン楽友協会)と同様のシューボックス型を採用した、国内最大規模のシューボックス型ホールで総客席数2,150席。
- 高く平らな天井と垂直で大きな側壁に音が繰り返し反射し、重厚で豊かな音場を生み出す。
- ステージに設けられた三重構造の可動式音響シェルターにより劇場としても機能し、クラシックコンサートをメインに、オペラ、バレエ、ポピュラーコンサートなど、異なるジャンルを一つの空間で提供できるコンバーチブルホール。
- 「豊穣」をイメージとした内装となっている。
- コンサートや演劇目的以外では滅多に利用されないが、例年4月1日は、東急グループ全社合同の入社式が行われる。6月末には東京急行電鉄の株主総会が行われる。
- レストラン
- 松涛カフェ
- 営業時間11:00 - 19:30(ラストオーダー 19:00)
- 松涛カフェ
メインロビーフロア(1階)
- シアターコクーン
- テーマカラーは緑色。マークは丸。
- 総客席数747席。舞台から1階最後列の客席までが24m、客席の左右は三層のサイドバルコニー席になっており客席と舞台の一体感を実現。
- インフォメーションカウンター
- チケットカウンター
- 営業時間 - 10:00 - 19:00
- Bunkamura ギャラリー
- 営業時間 - 10:00 - 19:30
- 1階ロビーラウンジに面しており、国内外で注目を集める作家の企画展を開催。
- 油彩、版画、立体、写真など幅広い分野のアート作品を展覧販売している。
- 営業時間 - 10:00 - 19:30
- レストラン
- ドゥ マゴ パリ
- パリのサンジェルマン・デ・プレ(パリ6区にある地区)にある老舗カフェ「ドゥ マゴ」(1885年創業)の海外業務提携第1号店
- 席数 - 180席(店内60席、テラス120席)
- 営業時間11:30 - 22:30(ラストオーダー 22:00)
- ロビーラウンジ
- 営業時間10:00 - 19:30(ラストオーダー 19:00)
- ドゥ マゴ パリ
- ショップ
- 倶楽部B会員デスク
- 営業時間10:00 - 19:00
ガーデンフロア(地下1階)
- ザ・ミュージアム
- テーマカラーは黄色。マークは三角形。
- 所蔵作品は無く、企画・展示を運営の主体とし、近代美術の流れに焦点をあて、テーマ性・先見性・話題性を持った展覧会を開催する美術館。
- 主に19 - 20世紀の西洋絵画展、海外美術館の名品展、女性芸術家の作品展、写真展の4つのテーマを中心に、年間4 - 6回の企画展を開催している。
- 展示面積 - 836.6m²
- 天井高4m、無柱で可動壁面パネルにより自由に構成することができる。
- 入館料 - 開催する展覧会により異なる。
- 身障者割引 - チケット購入時にチケット販売窓口で障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、愛の手帳、被爆者健康手帳)を提示すれば、本人および介助者(1名)の入館料が割引。
- 開館時間10:00 - 19:00(入館は18:30まで)
- 金・土曜日は21:00まで開館(入館は20:30まで)
- Bunkamura スタジオ(旧TOKYU FUN STUDIO)
- オーチャードホール、シアターコクーンとのダイレクトリンクにより、ハイクオリティーなライブ録音が可能。
- レストラン
- ドゥ マゴ パリ
- パリのサンジェルマン・デ・プレ(パリ6区にある地区)にある老舗カフェ「ドゥ マゴ」(1885年創業)の海外業務提携第1号店
- 席数 - 180席(店内60席、テラス120席)
- 営業時間11:30 - 22:30(ラストオーダー 22:00)
- ドゥ マゴ パリ
- ショップ
- ミュージアムショップ(ザ・ミュージアム内)
- 営業時間10:00 - 19:00(金・土曜日は21:00まで。但し、展覧会開催期間中)
- ザ・ミュージアム館内にあり、ザ・ミュージアムで開催中の展覧会関連書籍や、ポストカード、ステーショナリー、Tシャツ、アクセサリー、時計、傘等を販売。
- ザ・ミュージアムへの入館者のみ利用できる。
- ブックショップ ナディッフモダン
- 営業時間10:00 - 20:00(金・土曜日は21:00まで)
- クルーザーをイメージした内装で、20世紀を中心にした画集、古書、美術書等を販売。
- ミュージアムショップ(ザ・ミュージアム内)
パーキングフロア(地下2階)
- 東急本店地下駐車場(新館駐車場含む)278台、東急第1パーキング139台
- Bunkamura専用の駐車場は無く、Bunkamura利用時の駐車料金の割引優待は無い。
Bunkamuraで行われる主なイベント
Bunkamuraでかつて行われたイベント
フランチャイズ・システム
- 東京フィルハーモニー交響楽団(オーチャードホール)
- 日本で初めてフランチャイズ契約を結び、本拠地として年8回の定期演奏会を行っている。
- オンシアター自由劇場(シアターコクーン)
- 1985年から串田和美がシアターコクーンの芸術監督に就任、設計段階から関わっており、1989年より「オンシアター自由劇場」としてフランチャイズ契約を結んだが、1996年2月の「オンシアター自由劇場最終記念公演」を以って、フランチャイズ劇団としての任期を満了(解散)した。
オフィシャルサプライヤー
Bunkamuraでは文化・芸術を長期的に支援・育成してもらうため、複数の企業による単発的な協賛ではない長期のスポンサーシステムを採用している。これがオフィシャルサプライヤーである。 テンプレート:節stub
現在の参加企業
2014年4月現在。
過去の参加企業
会員組織
My Bunkamura
Bunkamuraが提供するオンラインサービスの総称で、 Bunkamura、東急シアターオーブ、セルリアンタワー能楽堂のチケット販売とメールマガジン配信を行う登録制度。PC、スマートフォンにて利用可。
- 2013年(平成25年)11月発足
- 登録無料、年会費無料、システム利用料無料
- 特典
- チケット先行販売
- 抽選制または先着制のいづれかにてチケットの先行販売を実施(対象外の公演もあり)。
- メールマガジンの配信
- 「My Bunkamura」で取り扱うチケット情報を月2回配信。他に、登録時のアンケートに基づき、自分の興味に合った公演情報をタイムリーに配信。
- 登録者限定サービス
- プレゼントやイベント開催などを実施。
オーチャード フレンズ
Bunkamuraが企画したオーチャードホールで行われる公演をシリーズ化したもので、チケットが優待価格で提供される。
- 2000年(平成12年)4月発足
- 法人会員
- 年会費 - 一口200,000円(税抜)
- 有効期間 - 1年間
- 特典
- 一口につき11公演、合計22枚(全てS券)のチケットが提供される。
- Bunkamuraのホームページに開設する「オーチャードフレンズ」のページに、本会員の法人名を希望により記載する事が出来る。記載の際は本会員が指定するロゴマークを使用し、本会員のホームページとリンクさせることも可能。
倶楽部B
- 2002年(平成14年)4月発足
- 入会条件 - 年齢30歳以上、年収500万円以上、勤続年数または営業年数(自営の場合)5年以上。
- 入会金:50,000円(税抜) 月会費:5,000円(税抜)
- 「倶楽部B TOP&カード」と倶楽部Bオリジナル会員バッヂ(プラチナ製pt900)を発行。
- 本会員はもう一名を「パートナー会員」として登録でき、一部の特典が利用できる。
- 特典
- 毎月、会報誌「倶楽部B」が送付される。
- ホール特典
- オーチャードホール、シアターコクーン、東急シアターオーブ、セルリアンタワー能楽堂
- Bunkamura主催公演をはじめとした「倶楽部B特選公演」について、特別先行予約期間が設けられ、その期間中にチケットの最優先予約ができる。
- ザ・ミュージアム
- 1催事につき、招待券が2枚送付される。
- 招待券利用後、同一催事に再度入場の際は会員本人と同伴者1名まで、前売料金で入場できる。
- ル・シネマ
- 指定席の先行予約(鑑賞日の4日前までの申込み)ができる。
- 会員本人と同伴者1名まで、当日一般料金(通常1,800円(税込))を1,000円(税込)で鑑賞できる。
- プログラムが1冊100円引きで購入できる。
- オーチャードホール、シアターコクーン、ル・シネマの各ビュッフェ、およびロビーラウンジで、ドリンクが1品につき100円割引になる。
- オーチャードホール、シアターコクーン、東急シアターオーブ、セルリアンタワー能楽堂
- 会員デスク特典
- 送料のサービス
- チケット及びお買上げ商品の送料が無料になる。
- オペラグラスの無料貸し出し
- 演劇作品鑑賞の際、「倶楽部B会員デスク」で貸し出される。
- CDや芸術書の取り寄せができる。
- クロークサービス。
- 特別駐車カード
- Bunkamuraを利用の際、本人会員に限り、東急本店地下駐車場、アットパーク宇田川町の「特別駐車カード」3枚(1か月間に3時間まで無料)が配付される。
- 送料のサービス
- パートナーズレストラン
- 倶楽部Bデスクで、プレ&アフターシアターのレストランやホテル予約ができる。
- 一部、倶楽部Bデスク予約特典がある。
- 倶楽部Bデスクで、プレ&アフターシアターのレストランやホテル予約ができる。
- Bunkamura館内施設の買い物時の優待
- 会員カードの提示により、Bunkamura内での店舗が10%‐5%割引になる。
- 注文時の会員カードの提示により、レストラン「ドゥ マゴ パリ」が10%割引になる。
- イベント特典
- 会員限定パーティ、懇親会が開催される。
- Bunkamura内外のイベントに会員優先枠を設けられ優待料金での参加、または招待がある(一部のイベントに限る)。
- 会員による有志企画を運営、サポートする。
情報誌
Bunkamura magazine
- 音楽、演劇、映画、美術等の様々なジャンルの情報を載せたもので、Bunkamuraのイベントスケジュールやチケット発売情報等を紹介している。
- 価格 - 無料
- 配布場所 - Bunkamura内各所、東急百貨店各店、渋谷エクセルホテル東急、都内主要コンサート会場他
通信販売
Bunkamura オンライン市場
- 2007年(平成19年)10月16日オープン
- 音楽・演劇・映画・美術にちなんだアートグッズ等を販売している。
アクセス
- JR山手線渋谷駅(ハチ公口)より徒歩7分
- 東急東横線、地下鉄銀座線、京王井の頭線渋谷駅より徒歩7分
- 東急田園都市線、地下鉄半蔵門線、東京メトロ副都心線3a出口より徒歩5分
- 京王井の頭線神泉駅北口より徒歩7分
- 東急百貨店東横店・宮益坂口と、Bunkamuraと隣接する東急百貨店本店・1階正面口を結ぶ無料のシャトルバスを利用できる。
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:Coord- ↑ 渋谷の「Bunkamura」が全館休館へ 来年7月から SankeiBiz