シンフォニーホール
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シンフォニーホール(Symphony Hall)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンにあるコンサートホールである。ボストン交響楽団とボストン・ポップス・オーケストラが本拠地としている。
ボストン交響楽団が当時拠点としていたホールが道路工事と地下鉄の建設のために使用できなくなったため建設されることになった。ニューヨークのMcKim, Mead & Whiteの設計により1900年10月15日完成。音響の設計はハーヴァード大学の若き助教授ウォーレス・クレメント・セイビンが担当した。彼の手によって、世界で初めて科学的な根拠に基づいて音響が設計されたホールとなった。
設計にあたって、ホールの形は、19世紀においては理想的とされたシューボックス(靴箱)形式と決められ、当時、その形式の代表的なコンサートホールの一つであるライプツィヒのゲヴァントハウス(2代目。第二次世界大戦中の空襲で焼失)をモデルにして、それよりも若干細長く、また天井は高く設計された。
座席にはオーケストラ、ファーストバルコニー、セカンドバルコニーがある。座席の位置による音の聞こえ方の違いが少なく、残響時間が満席時で2秒を保つ音響特性をもち、座席数は、シンフォニーシーズンは2625席、ポップスシーズンは2371席である。
舞台後方にはパイプオルガンが設置されている。
このホールは、ウィーン楽友協会大ホールやアムステルダムのコンセルトヘボウと同様、現在でも、19世紀からの姿をそのまま残すシューボックス形式のコンサートホールである点から、内外に広く知られている。
近年、世界各地にワイヤード型コンサートホールができ、アメリカにもロサンジェルスに、ウォルト・ディズニー・コンサートホールが建設され、綿密に計算された音響特性、ホールの各種最新設備など、ボストンのシンフォニーホールの優位性は、現代においては事実上薄れてきてはいるが、19世紀のシューボックス・コンサートホールの姿そして様式美を今に伝えており、アメリカが持つ貴重な建物の一つと言える。