東京都交響楽団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:混同 テンプレート:Infobox Musicianテンプレート:Portal クラシック音楽 公益財団法人東京都交響楽団(こうえきざいだんほうじんとうきょうとこうきょうがくだん、テンプレート:Lang-en)とは日本を代表するオーケストラの一つである。通称、都響(ときょう)。日本オーケストラ連盟正会員。

概要

1964年東京オリンピックの記念文化事業として、1965年東京都によって財団法人として設立された。発案は当時の都知事東龍太郎。本部は上野の東京文化会館に置かれており同会館とサントリーホールを定期演奏会の会場にしているほか、東京芸術劇場シリーズや多摩地区・近県での公演などを行っている。東京文化会館の主催する「響の森」コンサートやラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにおいて、定期的に演奏している。1977年ソビエト連邦フィンランド東欧演奏旅行以降たびたび海外公演も実施。

指揮者

演奏

伝統的にグスタフ・マーラーの作品を重要なレパートリーとしており、若杉弘やインバルがそれぞれ「マーラー・サイクル」を行った。ベルティーニもケルン放送交響楽団との全曲録音に次いで2度目の全曲演奏を行い、一部はフォンテックからCD化された。また、2008年よりプリンシパル・コンダクターに就任したインバル指揮の演奏会の多くがライヴ録音されており、ベートーヴェン、ブルックナー、マーラー、チャイコフスキー等が、主にオクタヴィアレコードから発売されている。

1974年、渡邉暁雄の指揮でシベリウスクレルヴォ交響曲を日本初演している。また、リヒャルト・ワーグナーの交響曲ホ長調の世界初録音を行ったのも若杉弘指揮の都響である。ジャン・フルネのもとではフランス音楽にも実力を示した。

クラシック曲以外での活動は稀であったが2000年代以降はすぎやまこういち指揮の下、ドラゴンクエストシリーズ関連曲の演奏をしばしばてがけているほか2002年には世界的ギタリストであるスティーヴ・ヴァイとの競演や2004年松本孝弘B'z)との競演。そして二ノ宮知子原作の漫画のだめカンタービレ』でドラマ、アニメ版共に音楽面で協力[1]して話題となる。

さらに近年では理事に就任した岩代太郎と共に数々の映画音楽やNHK大河ドラマ『義経』などのスケール感あふれるサウンドトラックの演奏にも参加しクラシック曲以外での活動範囲を広げている。

東京都との関係

東京都の監理団体外郭団体)であるため財団の理事長東京都知事が兼ねることが常であったが、石原慎太郎は都知事になっても理事長に就任せず理事長代行の職がおかれていた。2006年から丸紅社長を務めた鳥海巌が理事長に就任している。

石原が都知事となって以後、都の財政再建策の一環として文化事業への歳出削減と外郭団体の統廃合がはかられ都響についても補助金の削減、団員の有期契約制、能力給制(各団員の能力の査定は都が行う)への移行などのリストラがはかられておりオーケストラの今後の存続が危ぶまれている。「第31回オリンピック競技大会の東京招致について」という決議をあげて東京都交響楽団が「東京オリンピック支持」を表明したことになっているが、楽団員の総意ではなく鳥海理事長が石原都知事の意向をうけて独断できめたという見解もある[2]。都がオーケストラを持つことの是非ともあいまって、一部で議論の対象となっている。

地方自治体がオーケストラの運営に関与する例として日本では京都市交響楽団がある(過去には日本センチュリー交響楽団大阪府により運営されていた)。日本以外では多くの管弦楽団・歌劇場(ドイツザクセン州立のシュターツカペレ・ドレスデンオーストリアウィーン国立歌劇場など)が存在する。

アンサンブル

  • 東京メトロポリタン・ブラス・クインテットは、東京都交響楽団の金管楽器奏者5名によるアンサンブルである[3]2005年に結成されすぎやまこういち指揮の下、(都響本体とは別に)ドラゴンクエストシリーズ関連曲のコンサートなどを手がけている。

脚注

  1. 当時の音楽監督デプリーストは2005年には二ノ宮との対談も行っており[1]、二ノ宮に希望して原作にも登場している[2]
  2. 東京都交響楽団が「東京オリンピック支持」を表明

外部リンク