杖立温泉
杖立温泉(つえたておんせん)は、熊本県阿蘇郡小国町(旧国肥後国)にある温泉。
アクセス
- 車で
- 日田インターチェンジから国道212号を南下し、約一時間弱。温泉街へは杖立トンネルではなく、その脇にある旧道へ入る。
以下で記載するバス路線はいずれも非常に本数が少ないため、時刻に注意。
- 鉄道で
- 飛行機で
泉質
- 塩化物泉
湧出温度が約100℃である。
温泉街
杖立川沿いの谷間の狭地に大型旅館やこじんまりとした旅館、湯治客を対象とした旅館など様々な旅館が22軒存在する。
温泉街では湯巡り手帳を発行している。
共同浴場は5軒存在する。元湯、薬師湯、御前湯、流泉湯、第二自然湯である。また、足湯のある公園も存在する。
なお、当温泉一帯は耶馬日田英彦山国定公園に含まれる。
歴史
開湯伝説によると、応神天皇の産湯として使われたとされることから約1800年の歴史があることになる。その際に使われた源泉が現在の共同浴場元湯の地から湧出していたと言われる。但し、現在の元湯は湯船の地での湧出ではなく、別の源泉からの引湯である。
杖立の地名は、その名は、一説には、杖の助けを借りてやってきた人が、湯治により健康を取り戻し、帰る時には杖なしで済むという弘法大師の由来(それだけ効能があるということ)から名づけられたものとされる。
以下の短歌が温泉名の由来となった。
湯に入りて 病なおれば すがりてし 杖立ておいて 帰る諸人
江戸時代は熊本藩の御前湯が置かれた。現在は共同浴場御前湯となっている。
戦後は昭和28年西日本水害により、旅館等に被害を受けたものの復興し、「九州の奥座敷」と呼ばれ、歓楽街温泉としても栄えた。その後温泉客の嗜好の変化などに伴い、近傍の黒川温泉などが脚光を浴びるのとは対照的に、衰退する傾向にあった。しかし近年、温泉情緒や歴史的由来等、背戸屋と呼ばれる町並みの散策、蒸し湯などの特徴を生かしたまちづくり的活動が、盛んになりつつある。
なお、5月の風物詩として河川を跨いで、群れを成すようにこいのぼりを泳がせるイベントが全国で見られるが、その発祥地がこの杖立温泉である。今日、「こいのぼり祭り」と呼ばれるこのイベントは昭和55年頃より始まっており、開始当初は40匹という少数であったが、今日では3000匹~3500匹が杖立川を泳ぐように掲げられ、全国から観光客が訪れる。鯉のぼり祭りが終わると、杖立温泉祭が5月27日28日の2日間行われ、夜になると温泉街の特設舞台で杖立の青壮年による芝居が2日間行われる。この歴史は古く、源流は明治時代にまで遡るという。以前は温泉街あげて行われ大変な賑わいだったが、近年は夜の芝居のみとなっている。 そして、その昔、竜(竜神)が大暴れしたという伝説が杖立にはある。