本番行為
本番行為(ほんばんこうい)は実際の性行為のこと。通常は単に「本番」や「ガチンコ」「ガチ」などと言われる。
性行為を行わないことが通例となっている状況においてそれを実行する場合などに使われる。通常は性交のみを指すが、場合によってはフェラチオなど他の行為を含むこともまれにある。
映像作品
映画
映画では、性を描写するシーンでも実際の性交を行わず演技により表現するのが通常である。しかし、演出ほか何らかの目的がある場合などはごくまれにこの原則から外れた作品が制作される。
日本で実際に性交を行った映画として初めて話題になったのが1976年の大島渚監督作品『愛のコリーダ』であるテンプレート:Sfn。劇中で松田英子・中島葵がそれぞれ藤竜也と性交を行っており、当時大きな話題となった。松田英子はこの映画がデビュー作で、女優として一躍有名になった。その後、若松孝二作品『聖母観音大菩薩』などにも出演した。なお、もう一人の女優中島葵は、当時既に多くのロマン・ポルノ、ピンク映画への出演歴があった。
また、1981年には武智鉄二作品『白日夢』で愛染恭子テンプレート:Sfnと佐藤慶が、寺山修司作品『上海異人娼館 チャイナドール』で大野美雪とクラウス・キンスキーが、1983年には『華魁』で親王塚貴子らがそれぞれ本番を行うなど、この時期には芸術作品を指向した一般映画での本番撮影が流行した。なお、『愛のコリーダ』はフランス資本の映画であったため、正真正銘の日本映画としては『白日夢』が初となる。
日本以外での本番映画作品としては、マイケル・ウィンターボトムの9 songsなどがあるテンプレート:Sfn。
アダルトビデオ
日本において1981年に登場したアダルトビデオでは最初期から本番行為を含むものが存在するが、少なくないものは演技であった。特に「ランク」の高い女優にとってはそれが当たり前であったようだテンプレート:Sfn。日本のアダルトビデオでは、最終的にモザイク処理が必ずかけられるため、本番を行わなくても撮り方次第でいかにも実際に行っているかのように見せることができるためである。また人気AV女優が男性誌のインタビューで堂々と「フェラチオでしゃぶっているものはガムテープで作ったオブジェクト」「撮影現場では前張りを付けている」「本番はやりません」などと述べた例などもあったテンプレート:Sfn。
しかしその後著名なAV監督である村西とおるの作品が人気となり、アダルトビデオ業界で本番行為が市民権を得るテンプレート:Sfn。
そしてその後ビデ倫の衰退と1993年以降のインディーズビデオ/セルビデオの隆盛、言い換えれば「シースルービデオ」「薄消しビデオ」の登場が状況を激変させるテンプレート:Sfn。ビデ倫レンタルものと比べモザイク面積も小さければ、モザイクの一辺も小さくなり、こんな状態では疑似本番で誤魔化すと言うことは非常に行い難くなるテンプレート:Sfn。自然、アダルトビデオでは疑似本番は縮小され、まさしくの本番行為が多くみられる様になっていった。
風俗店
日本には売春防止法が存在する建前上、風俗店においてはフェラチオ、シックスナインなどが行われていても性交は非合法のはずであるが、実際には業種により、また個々の店により、性交の「容認」具合は様々である。性交を許さない店に対して、そうではない店において客と風俗嬢が性交する事を、本番と言う場合がある。基本的に、ヘルス等は本番禁止であり、出禁(出入り禁止)となったり、店や嬢とのトラブルに発展する場合がある。
ソープは本番「容認」であるが、お店が本番を強要しているわけではない(売春防止法に違反するため)。ソープにおける本番は、両者の同意(個人の自由意思)における「営業外行為」という体裁を取っている。
ネット上では、あからさまな表現を避ける為か「木番」「木盤」「基盤」等の隠語も見られ、店によって様々となっている。