木蘭

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木蘭(もくらん、テンプレート:Zh2、ムーラン)は、中国における伝承文芸・歌謡文芸で語られた物語上の女性主人公。木蘭のは「花」「朱」「木」「魏」など一定していないが、京劇では「花木蘭」とされる。

概要

老病の父に代わり、娘の木蘭が男装して従軍。異民族(主に突厥)を相手に各地を転戦し、自軍を勝利に導いて帰郷するというストーリー。

の釈智匠『古今楽録』に収められた『木蘭詩』(木蘭辞とも)が記録された最も古い文献とされる。 テンプレート:Wikisourcelang楽府詩集[1]25巻橫吹曲辭5の「鼓角横吹曲」に木蘭詩二首が収められている。南北朝時代の北朝の民間民謡に由来するとされる。その注に「古今樂錄曰 木蘭不知名 浙江西道觀察使兼禦史中丞韋元甫續附入」と『古今楽録』の記事が記載される。

木蘭従軍故事は後代、詩歌や戯曲小説の題材となった。戯曲では、徐渭が編んだ雑劇『雌木蘭』などがある。また現在の京劇などでは『花木蘭』の題で演じられている。小説では初の褚人穫『隋唐演義』にも収められている。

日本軍の占領下にあった上海の華成公司で製作した映画『木蘭従軍』(1939年)は、プロデューサーの張善琨たちの異民族(即ち日本)への抵抗の意思を暗喩した作品とされるが、彼らの屈辱と苦衷の日々を察していた日本側責任者の川喜多長政はこれに異議を唱えなかったとされる。およそ半世紀たった1998年、ディズニー映画ムーラン』が作られ日本や中国でも公開された。同年には香港のTVBによってテレビドラマが制作され、2009年にはヴィッキー・チャオ主演で映画『ムーラン』が作られている。

日本では田中芳樹が木蘭を題材に『風よ、万里を翔けよ』(徳間書店1991年、ISBN 4191244930)を執筆した。

出典

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