日本オタク大賞
日本オタク大賞(にほんオタクたいしょう)は、毎年末あるいは年始に1年のオタクシーンを振り返るイベントである。その年を象徴する作品やトピックに対し、大賞ならびに審査員賞等が与えられる。
概要
第1回が2001年末に新宿ロフトプラスワンで開催され、それ以来恒例イベントとなっている。審査対象はアニメ、漫画、特撮映画をはじめハイテク製品や時事問題、訴訟や倒産した会社まで多岐に渡る。審査の模様はMONDO21で特別番組として放送され、定期的に再放送されている。また、2002年と2003年の内容は「日本オタク大賞」として、2004年の内容は「日本オタク大賞2004」として、共に扶桑社より書籍化されている。
このイベントならびに賞には権威的な意味づけはなく、オタクの放談イベントと表現したほうが正確である。しかし、大賞には悪意や皮肉のない、賞賛を込めた作品が選ばれることが慣例となっている。一方で審査員賞や特別賞では、物議を醸した作品に対して皮肉を込めて賞が贈られることもある(例:『千と千尋の神隠し』・DVDの色調問題に対し「赤熊賞」など。同作品がベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したことになぞらえて)。大賞受賞者には賞状の授与とインタビューが行われるほか、各賞受賞者からはコメントを取っているため、受賞の事実と賞の名称は当事者に通知されていると思われるが、賞の内容によってはノーコメントとする受賞者も少なくない。
当初は岡田斗司夫・唐沢俊一のオタクアミーゴスメンバーを中心とし若手評論家らとともに進行するスタイルであったが、岡田・唐沢はオタク界の重鎮とも言える第一世代オタクであり、ネット文化や萌えなどといった秋葉原的な若いオタク世代との間にあるギャップは埋めがたく、岡田は「2005」を欠席し、「2007」以降も不参加となった。唐沢もご意見番的ポジションに移ってゆき、「2008」は欠席。これにより、「2008」は初めて若手メンバーのみで開催されることとなった。
スピンオフ企画として、2008年より年に数回「オタク大賞R」というイベントがスタート。本大賞を補完する内容でありながら新生オタク大賞メンバーによる、新イベントといった色が濃いものとなっている。
年表
- 日本オタク大賞2001
- 2001年12月1日、「侵略放送パンドレッタ 2002 SPECIAL 決定!第一回日本オタク大賞」と銘打って開催。出演者はオタクアミーゴス(岡田斗司夫・唐沢俊一・眠田直)に加え、氷川竜介・切通理作。司会は鶴岡法斎。MONDO21での放送は1時間番組だった。
- 日本オタク大賞2002
- 2002年12月2日、「決定!第二回日本オタク大賞」と銘打って開催。この回より前編・後編の2時間番組となる。出演者は岡田・唐沢・眠田・氷川・切通・鶴岡・米澤嘉博・児玉さとみ。司会・進行にカンザキカナリ。
- 日本オタク大賞2003
- 2003年12月2日、「決定!第三回日本オタク大賞」と銘打って開催。HDDレコーダー・ガンダム業界(『機動戦士ガンダムSEED』)・萌え部門・ゲーム部門を集中的に取り上げるコーナーが設けられる。メインコーナー審査員は岡田・唐沢・東海村原八・藤津亮太・鶴岡。司会は笹峯あい。
- 日本オタク大賞2004
- 2005年1月8日開催、「第4回日本オタク大賞」と銘打って開催。出演者は岡田・唐沢・東海村・石黒直樹・多根清史・藤津・氷川・眠田・更科修一郎・ドリー尾崎。司会は鶴岡・小栗由加。
- 日本オタク大賞2005
- 一旦MONDO21の手を離れ、ロフトプラスワン主催で2006年1月31日に開催された。TV放送・書籍化はされていない。「アニメ」「ゲーム」「その他」の三部形式。第三部出演者は唐沢・東海村・やまけん。岡田斗・鶴岡は不参加。
- 日本オタク大賞06/07
- 前年にTV放送がとぎれたために開催未定と思われた第6回だが、2006年度を振り返るという内容で復活し、「オタク大賞06/07」が2007年2月28日にロフトプラスワンで公開収録された。翌3月にMONDO21にて放送。出演者は岡田・唐沢・石黒・藤津・氷川・更科・ドリー尾崎・宮昌太郎。司会は鶴岡。
- 日本オタク大賞2007
- 2008年1月5日に開催、同月26日・27日にMONDO21にて放送。出演者は唐沢・東海村・前田久・石黒・ドリー尾崎・志田英邦。司会は鶴岡。本放送がニコニコ動画にアップされることを予測した志田が「ニコニコ動画でご覧の皆さん、こんにちは」という挨拶をし、会場やニコニコ動画で大いにウケを取った。また、不参加の岡田がレコーディング・ダイエットで痩せたことが格好の標的となり、唐沢・鶴岡にイジられた。
- この年、スピンオフ企画としてニュースショー形式を借りたトークイベント「オタク大賞R〜オタクはつらいよ」が2008年3月25日に開始し、2008年内に3回開催された。また、公式ブログが開設された。
- 日本オタク大賞2008
- 2009年1月8日開催。出演者は鶴岡・東海村・倉田真澄・前田・志田。司会は藤津。唐沢が参加せず、世代交代を印象づけた。MONDO21によってニコニコ動画に開設されたチャンネル内に、開催直後である当日深夜に選考の模様が公式動画としてアップロードされるという試みが行われた。本編放送は1月31日・2月1日。
- 日本オタク大賞2009
- 2010年1月9日開催。出演者は鶴岡・東海村・前田・志田・奈良崎コロスケ。司会は藤津。本編放送は1月31日・2月1日。
- 日本オタク大賞2009 ガールズサイド
- 2010年2月7日開催。女性目線のオタク大賞として新設された。出演者は倉田・渡辺由美子・両角織江・東海村。司会は藤津。テレビ放送はなし。
- 日本オタク大賞2010
- 2011年1月15日開催。出演者は鶴岡・東海村・前田・志田・奈良崎・前島賢。司会は藤津。Ustreamでの中継。
- 日本オタク大賞2011
- 2012年1月15日開催。出演者は鶴岡・東海村・前田・志田・奈良崎・藤田直哉。司会は藤津。ニコニコ生放送での中継。
- 日本オタク大賞2012
- 2013年1月12日開催。出演者は東海村・前田・志田・奈良崎・藤田・ガイガン山崎。司会は藤津。ニコニコ生放送での中継。
- 日本オタク大賞2013
- 2014年1月11日開催。出演者は東海村・前田・志田・奈良崎・藤田・山崎。司会は宮昌太朗。ニコニコ生放送での中継。
主な審査員・出演者
- 岡田斗司夫(作家)
- 唐沢俊一(評論家)
- 鶴岡法斎(マンガ原作者、ライター)
- 眠田直(ゲームデザイナー、漫画家)
- 氷川竜介(アニメ評論家)
- 切通理作(評論家)
- 米澤嘉博(漫画評論家、コミックマーケット前代表)
- ドリー尾崎(映画ライター)
- 藤津亮太(アニメ評論家)
- 前田久(アニメライター)
- 東海村原八(原型師、モデラー)
- 多根清史(ゲーム雑誌ライター、クソゲーハンター)
- 宮昌太郎(ゲーム雑誌ライター)
- 志田英邦(ゲーム・アニメライター)
- 更科修一郎(編集者、ライター)
- 石黒直樹(編集者、ライター)
- 倉田真澄(編集者、ライター)
- 岡野勇(放送作家)
- 奈良崎コロスケ(ライター)
- ガイガン山崎(ライター)
- アシスタント
- 声(2001年)
- カンザキカナリ(2002年)
- 笹峯あい(2003年)
- 小栗由加(2004年)
- なし(2005年、06/07年、2007年)
- 小谷有里。・まかべまお(あきば踏みっ娘学園)(2008年)
スタッフ
各年の大賞受賞者
- 2001年 - 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』
- 2002年 - 株式会社海洋堂
- 2003年 - 『機動戦士ガンダムSEED』
- 2004年 - 擬人化ブーム(びんちょうタン)
- 2005年 - 大賞なし(キーワードとして「秋葉原ブーム」…『電車男』、メイド喫茶等)
- 06/07年 - 『ウルトラマンメビウス』に登場したウルトラマン80
- 2007年 - 動画投稿サイト(代表としてニコニコ動画)
- 2008年 - 『鬼太郎』(墓場&ゲゲゲ5期)
- 2009年 - 『ラブプラス』
- 2009年ガールズサイド - 『侍戦隊シンケンジャー』
- 2010年 - 『ハートキャッチプリキュア!』、はやぶさ(ダブル受賞)
- 2011年 - 『電人ザボーガー』
- 2012年 - 『ザ・松田 ブラックエンジェルズ』
- 2013年 - 『パシフィック・リム』
関連イベント
書籍
- 日本オタク大賞(扶桑社 ISBN 4-594-03900-6)
- 日本オタク大賞2004(扶桑社 ISBN 4-594-04418-2)