広瀬茂男

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テンプレート:Infobox Scientist 広瀬 茂男(ひろせ しげお、廣瀬茂男1947年(昭和22年)12月6日[1] - )は、日本のロボット工学者。独創的なロボットを多数開発しているロボット工学の世界的権威。東京工業大学名誉教授工学博士

ヘビ型ロボットを始め、歩行ロボット、惑星探査ロボット、地雷探査ロボット、全方向移動ロボット、ロボット要素、等で多くの業績がある。また、東京工業大学機械宇宙学科の授業や、日本機械学会のロボットグランプリなど、創造性教育にも貢献している。2001年文部科学大臣賞2006年紫綬褒章

東京工業大学において助手助教授教授、卓越教授を歴任し、定年退職後は株式会社ハイボット取締役CEO東京工業大学特別研究員、立命館大学客員教授に就任。原子力災害対応ロボットの研究開発等、現在も活発に活動している。

経歴

学生時代~助手、助教授

1971年日本機械学会畠山賞テンプレート:Refnestを受賞して横浜国立大学工学部を卒業。東京工業大学大学院に進学し、梅谷陽二助教授のもとで蛇の生物力学的研究に取り組む。蛇の移動原理を探求し、索状能動体の実験機を製作した。理論的、実験的に蛇の動きを検証する。

学位取得後は梅谷研究室において助手、助教授として、索状能動体や四足歩行ロボットに取り組む。四足歩行ロボットでは干渉駆動、負のパワーといった設計概念から、歩行アルゴリズムや段差検出のウィスカセンサの開発まで、広く行っている。それらの成果として、1985年筑波科学博では四足歩行ロボット『TITAN IV』[2]を安定して実演することに成功している。

また、1985年頃には博士後期課程に在学していた生田幸士と、バカなことを真面目にプレゼンテーションする「バカゼミ」を始めたり[3]、学科の創造性教育[4] 節体型能動体の研究や、光学式の力センサの開発[5]、地図生成システムの開発も行っている。

東京工業大学教授

1992年には教授に昇進。1994年には助手の米田完が助教授に昇進し、広瀬・米田研究室として研究室運営を行っていく。教育関係では、機械宇宙学科3年次のロボット創造[6]、日本機械学会のロボットグランプリにも尽力した[1]

研究では、生物規範型のロボットのみならずホロノミックen)な全方向移動車両[7]も開発し、科学研究費補助金重点領域研究「知能ロボット」プロジェクトの一環として、普及型の四足歩行ロボット、及びそのためのモータードライバーを開発する [8]。モータードライバーは『TITECH Driver』として市販された。

このころ、古田勝久教授がリーダーで、COE形成基礎研究として「スーパーメカノシステム」の研究グループが発足する[9]。古田教授は定年退官東京電機大学へ異動したため、広瀬がリーダーとなった。この研究グループが発端となり、21世紀COEプログラムに採択され[10]、スーパーメカノシステム創造開発センターが設立される。

また、2004年4月には客員研究員の滝田謙介を代表取締役として、大学発ベンチャー株式会社ハイボットを創業する[注 1]2005年愛・地球博では水陸両用の蛇型ロボットを出展し、完成度の高い動きを披露した。また、四足歩行ロボットの集大成の一つとして四足法面作業ロボットが実用化している[11]

2006年には米田完が教授として千葉工業大学未来ロボティクス学科に栄転、研究室は広瀬・福島研究室となる。21世紀COEプログラムの支援やハイボットとの連携をもとに、地雷探査ロボットの実地投入[12]や架線検査ロボット等で実績を上げる。2011年には東日本大震災が発生。水中探査ロボットを投入する[13]

東京工業大学名誉教授

2013年に65歳で東京工業大学を定年退職し、同大学名誉教授になる。定年後もハイボットの取締役として同大学特別研究員として研究開発を継続しており、原発廃炉作業用ロボットの開発等に情熱を燃やしているテンプレート:Sfn

人物と業績

広瀬はロボット工学は目的達成学、シンセシスの学問であるとし、生物規範のロボットを開発しつつも常に実用志向で研究を行ってきたテンプレート:Sfn。また、ユニークな研究や学会の考え[14]を持ったり、ヒューマノイドロボットについては懐疑的なスタンス[15][16]を取ったりしている。

研究では多くのロボット製作のみならず、蛇型ロボットや四足歩行ロボットを中心に、

蛇の推進原理(Serpenoid curb、sinus-lifting)、索状能動体の原理、空間曲線の近似
干渉駆動、GDA(重力分離駆動:Gravitationally Decoupled Actuation)、転倒安定性

といった理論を打ち出すとともに、センサやアクチュエータ、電子回路等のロボット要素の開発も行っている。

実際に製品化・実用化した実績としては

  • 建設現場の資材運搬ロボット TAQT Carrier(高岳製作所)
  • 光学式6軸力センサ(ミネベア株式会社)[17]
  • ロボット用モータードライバー Titech Driver(岡崎産業、ハイボット)
  • 四足歩行ロボット TITAN-VIII(東京精密機械)[8]
  • クローラロボットモジュール(トピー工業)
  • 可搬型地震動シミュレーター 地震ザブトン(白山工業株式会社)
  • 四足歩行法面作業ロボット TITAN XI(大昌建設)
  • 重力補償型作業支援フロートアーム(日産)
  • 高圧送電線メンテナンス作業ロボット Expliner(ハイボット、関西電力、ジェイ・パワーシステムズ)

といったロボット、要素があり、実地で試用したり博覧会で実演したロボットとしては

  • 四足歩行ロボット TITAN-IV(筑波科学博覧会、1985年)
  • 水陸両用蛇型ロボット ACM-R5(愛・地球博、2005年)
  • 自立走行型バギー車両Gryphon&車両搭載型地雷探査用アーム Field Arm(地雷探査)
  • ワイヤ牽引型水中探査ロボット Anchor Diver III(東日本大震災海中探査)

等が挙げられる。

教育者としては

  • 機械宇宙学科『機械創造』(大道芸ロボット競技)
  • 日本機械学会ロボットグランプリ

を立ち上げるととともに、研究室を通して多様な教育を行っている。また、教授になってからも自ら新しい機構を次々と発明していき、ロボット創造学の第一人者として高く評価されており、講演[18]や解説テンプレート:Sfnにおいて創造のノウハウを語っている。

略歴

社会的活動

受賞・栄典

 

著書

(学位論文)

(主著)

(編集、監修)

脚注

注釈

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出展

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参考文献

関連項目

外部リンク

(所属関係)

(資料関係)

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(報道関係)

  • 1.0 1.1 テンプレート:Cite journal
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  • 8.0 8.1 テンプレート:Cite journal
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  • 32 4 テンプレート:Cite journal
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  • 2005年1月12日、ミネベア株式会社、光センシング方式による6軸力センサを開発、2014年2月16日閲覧。
  • テンプレート:Cite web
  • スタッフ広瀬茂男 教授、2014年2月2日閲覧。
  • テンプレート:Cite news

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