岸本葉子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

岸本 葉子(きしもと ようこ、1961年6月26日 - )は、日本のエッセイストである。本名、下田昌子[1]。「岸本葉子」は、最初の作品『クリスタルはきらいよ』のヒロイン名から取ったペンネームである。NHK中央放送番組審議会副委員長[2]。2014年より淑徳大学客員教授就任予定[3]

経歴

神奈川県出身。神奈川県立湘南高等学校卒業。東京大学教養学部教養学科相関社会科学専攻卒業後、東邦生命保険相互会社に入社。就職体験を綴った『クリスタルはきらいよ』を在職中に出版、ドラマ化もされる。その後、退社して中国の北京外国語学院に留学。帰国後、文筆生活に入り、数多くのエッセイ集を出版。2001年には虫垂癌と診断され、その手術・治療体験を2003年に『がんから始まる』として著した。その後も積極的な文筆活動を展開し、ガン克服キャンペーンにも参加している。 祖父は女子教育家の下田次郎、伯父は下田武三

著書

1980-90年代

  • 『クリスタルはきらいよ』(1985年、泰流社)
  • 『微熱の島 台湾』(1989年、凱風社)のち朝日文庫
  • 『なまいき始め 9to5にさよなら』(1990年、日之出出版)のち講談社文庫
  • 『ボーダーを歩く』(1990年、コスモの本)「異国の見える旅」と改題、小学館文庫
  • 『さよならニナーダ-サハリンに残された人々』(1990年、凱風社)
  • 『今夜もパジャマトーク』(1991年、ファラオ企画)
  • 『わたしの旅はアジアから』(1991年、文藝春秋)「よい旅を、アジア」講談社文庫
  • 『禁じられた島へ-国後・色丹への旅』(1992年、凱風社)のち光文社文庫
  • 『女が結婚したいと思うわけ』(1992年、大和出版)「それでもしたい!?結婚」講談社文庫
  • 『やっぱり、ひとりが楽でいい』(1994年、講談社)のち講談社+α文庫
  • 『近ごろの無常』(1994年、マガジンハウス)「幸せな朝寝坊」講談社文庫
  • 『留守電のもんだい』(1995年、PHP研究所)「女は生きるひとのためならず」講談社+α文庫
  • 『自分で自分を楽しませる知的な生活』(1996年、講談社)「お金のいらない快適生活入門」講談社+α文庫
  • 『30前後、やや美人』(1996年、読売新聞社)のち文春文庫
  • 『旅はお肌の曲がり角』(1996年、実業之日本社)講談社文庫
  • 『夕方、ハルピン駅で』(1996年、NTT出版
  • 『家にいるのが何より好き』(1997年、文藝春秋)のち文庫 
  • 『三十女のおいしい暮らし』(1997年、講談社)「三十過ぎたら楽しくなった」文庫
  • 『アジア発、東へ西へ』講談社文庫オリジナル、1998 
  • 『つかず離れず、猫と私』(1998年、文藝春秋)「女の分かれ目」中公文庫
  • 『家もいいけど旅も好き』(1998年、河出書房新社)のち講談社文庫
  • 『結婚しても、しなくても』(1999年、マガジンハウス)のち三笠書房知的生き方文庫
  • 『本はいつでも友だちだった』(1999年、ポプラ社)「本だからできること」と改題、「読む少女」と改題して角川文庫
  • 『ふわっとブータン、こんにちは』(1999年、NTT出版)「ブータン幸せ旅ノート」角川文庫 

2000年代

  • 『ちょっとのお金で気分快適な生活術』(2000年、講談社+α新書)
  • 『マンション買って部屋づくり』(2000年、文藝春秋)のち文庫
  • 『恋もいいけど本も好き』(2000年、講談社)「本がなくても生きてはいける」文庫
  • 『もうすぐ私も四十歳』(2000年、小学館)「四十になるって、どんなこと?」講談社文庫
  • 『私の居場所はここにある』(2000年、マガジンハウス)「やっと居場所が見つかった」文春文庫
  • 『実用書の食べ方』(2000年、晶文社
  • 『炊飯器とキーボード』講談社文庫オリジナル、2001
  • 『本棚からボタ餅』(2001年、中央公論新社)のち文庫
  • 『若くなくても、いいじゃない』(2001年、小学館)「40前後、まだ美人?」文春文庫
  • 『目指せ!「大人の女」』(2002年、PHP研究所)
  • 『女の底力、捨てたもんじゃない』(2002年、講談社)のち文庫
  • 『おしゃれ魂』光文社知恵の森文庫、2002
  • 『ひとり暮らしのおいしいキッチン歳時記』(2002年、PHPエル新書)
  • 『「和」の旅、ひとり旅』小学館文庫オリジナル、2002
  • 『幸せまでもう一歩』(2003年、中央公論新社)のち文庫
  • 『わたしのひとり暮らし手帖』(2003年、大和書房)のち文春文庫
  • 『がんから始まる』(2003年、晶文社)のち文春文庫
  • 『パソコン学んでe患者』(2004年、晶文社)
  • 『歳時記を生きる』(2004年、中央公論新社)「あれもこれもで12か月」文庫
  • 『からだの事典』(2005年、清流出版)「からだのじてん」中公文庫 
  • 『岸本葉子の暮らしとごはん』(2005年、昭文社)
  • 『食というレッスン』(2005年、小学館文庫オリジナル)
  • 『楽で元気な人になる』(2006年、中公文庫オリジナル)
  • 『四十でがんになってから』(2006年、講談社)のち文春文庫
  • 『ぼんやり生きてはもったいない』(2006年、中央公論新社)のち文庫
  • 『40代からはつらつと生きるために』(2006年、角川学芸出版)『おひとりさまのはつらつ人生手帖』角川文庫 
  • 『そろそろ旅へモンゴルのおすそわけ』(2007年、東京書籍)
  • 『40代のひとり暮らし』(2007年、ミスター・パートナー)
  • 『刺激的生活』(2007年、潮出版社)「いろんなものに、ハマってきました」中公文庫
  • 『がんから5年 「ほどほど」がだいじ』(2007年、文藝春秋)のち文庫 
  • 『からだに悪い?』(2007年、中央公論新社)「まだまだ、したいことばかり」中公文庫 
  • 『女の旅じたく』角川学芸出版、2007 のち文庫 
  • 『キレイのために病院へ行こう-アンチエイジング体験記』小学館、2008
  • 『はたらくわたし-エッセイストの仕事日記を公開』成美堂出版Sasaeru文庫、2008
  • 『ちょっと古びたものが好き』バジリコ、2008 『わたしの週末なごみ旅』河出文庫
  • 『岸本葉子の根菜ごはんのすすめ』昭文社、2008
  • 『病を超えてーいのちの対話』中央公論新社、2008
  • 『ゆる気持ちいい暮らし術』河出書房新社、2008 『ひとりを楽しむゆる気持ちいい暮らし』河出文庫 
  • 『自問自答』潮出版社、2008 『欲ばらないのがちょうどいい』中公文庫
  • 『週末ゆる散歩』東京書籍、2009 『わたしの週末なごみ旅』河出文庫 
  • 『買おうかどうか』双葉社、2009 のち文庫

2010年代

  • 『俳句、はじめました』角川学芸出版、2010
  • 『40代、ひとり時間、幸せ時間』ミスター・パートナー、2010
  • 『「感じがいいね」と思われるお仕事マナー&コツ59』成美文庫、2010
  • 『エッセイ脳 800字から始まる文章読本』中央公論新社、2010 
  • 『できれば機嫌よく生きたい』中央公論新社、2010 
  • 『わたしの和探し手帖』角川書店、2010 
  • 『空き家再生ツアー』講談社、2010(小説集)
  • 『ほどのよい快適生活術 食べる、着る、住む』河出書房新社、2011
  • 『東京花散歩』亜紀書房、2011
  • 『「こつこつ」と生きています』中央公論新社、2011
  • 『買わずにいられる?』双葉社、2011 
  • 『「そこそこ」で生きましょう』中央公論新社、2012
  • 『ちょっと早めの老い支度』オレンジページ、2012 

共編著

  • 横田濱夫共著 ひとり暮らしの人生設計 新潮OH!文庫、2000
  • 渡辺葉共著 葉と葉子のふたりごと 清流出版、2003
  • 内富庸介共著 がんと心 晶文社、2004
  • アンソロジー編纂 女ひとりで想うこと、シングルっていいかも 光文社知恵の森文庫、2006
  • 落合恵共著 毎日の暮らし歳時記 成美堂出版 2006
  • 玄侑宗久共著 わたしを超えて-いのちの往復書簡 中央公論新社、2007
  • 岸本葉子with HOPE★プロジェクト編著 ちょっとだけ凹んでいるあなたへ―希望の言葉を贈りあおう 清流出版、2007
  • 岸本葉子with HOPE★プロジェクト編著 凹んだって、だいじょうぶ―希望の言葉を贈りあおう 第2集 清流出版、2008
  • 岸本葉子with HOPE★プロジェクト編著 希望の言葉を贈りあおう 第3集 清流出版、2010
  • 吉沢久子共著 ひとりの老後は大丈夫? 清流出版、2011

翻訳

  • 何もしない贅沢(ヴェロニク・ヴィエン)光文社、2002
  • 自分らしく生きる贅沢(ヴィエン)光文社、2002
  • 年齢を重ねる贅沢(ヴィエン)光文社、2003
  • ファティマの幸運(ジョーン&ジェリー・ドリアンスキー)小学館、2004 のち文庫

参考項目

  • なんとなく、クリスタル - 1980年田中康夫が発表した小説。当時の女子大学生の風俗や流行を描き、ベストセラーになった。岸本のデビュー作『クリスタルはきらいよ』は、題名・内容共にこの田中の作品へのアンチテーゼとされている。

外部リンク

出典

  1. 『新現代日本執筆者大事典』第2巻、p.203(日外アソシエーツ、1992年)
  2. [1]
  3. [2]