岡真理
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岡 真理(おか まり、1960年10月6日[1] - )は、日本のアラブ文学者、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専門は、現代アラブ文学、第三世界フェミニズム思想。
略歴
東京都生まれ。埼玉県立浦和第一女子高等学校卒業[2]、東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒業後、同大学院修士課程修了、エジプト・カイロ大学に留学。在モロッコ日本大使館専門調査員、大阪女子大学人文社会学部専任講師等を経て、現職。
雑誌『インパクション』編集委員。京都大学ではアラビア語、現代アラブ文学、比較文明論などを教える。大学時代にガッサーン・カナファーニーの小説「ハイファに戻って」に出会い、カイロ留学時代にパレスチナを訪れて以来、パレスチナ問題に深く関心を持つ。以来、現代世界に生きる人間の普遍的思想課題としてパレスチナ問題に取り組むことを決める。現在、毎月のように、一般向けの講演・学習会などの講師として各地に出講。また、大学内でもパレスチナや、イスラエルの批判的研究者、アメリカなどからゲストを招き、研究室主催の公開講演会・シンポジウムなどをたびたび開催している。
イスラエルに対しては極めて批判的で、2009年のガザ紛争の東京都内での抗議集会に出席し、講演でイスラエルを厳しく批判した[3]。
最近は、学生・市民有志による朗読集団「国境なき朗読者」を主宰、朗読劇「The Message from Gaza ~ガザ 希望のメッセージ~」の脚本、演出を担当。
著書
単著
- 『記憶/物語』(岩波書店 2000年)
- 『彼女の「正しい」名前とは何か――第三世界フェミニズムの思想』(青土社 2000年)
- 『棗椰子の木陰で―第三世界フェミニズムと文学の力』(青土社 2006年)
- 『アラブ、祈りとしての文学』(みすず書房 2008年)
共著
編著
- 『Women in Struggle ─目線─ パレスチナ 占領・ジェンダー・人権を考える』( WiSEC…映画『Women in Struggle ─目線─』京都上映会記録集編集委員会・編, 2008年)
訳書
- ライラ・アハメド『イスラームにおける女性とジェンダー――近代論争の歴史的根源』法政大学出版局 2000年)
- エドワード・W・サイード『イスラム報道』浅井信雄,佐藤成文共訳、みすず書房 2003)
- アーディラ・ラーイディ『シャヒード、100の命――パレスチナで生きて死ぬこと』岸田直子,中野真紀子共訳(インパクト出版会 2003年)
- ガザ通信 サイード・アブデルワーヘド TUP共訳 青土社 2009.4
- ホロコーストからガザへ パレスチナの政治経済学 サラ・ロイ 小田切拓,早尾貴紀共編訳 青土社 2009.11
- 猫の首を刎ねる ガーダ・アル=サンマーン 世界文学全集 河出書房新社、2010
脚注
外部リンク
- 岡真理が主催する「国境なき朗読者たち―READERS WITHOUT BORDERS」公式サイト
- 京都大学岡真理研究室・非公式イベントガイド?
- NPO前夜(「季刊 前夜」に「ガザからの手紙」、「スロープ」、「ラムレの証言」などのカナファーニー作品の岡真理による翻訳と解題を掲載中)
- 京都大学大学院人間・環境学研究科による教員紹介