大阪港咲洲トンネル
大阪港咲洲トンネル(おおさかこうさきしまトンネル)は、大阪府大阪市港区の大阪築港地区と住之江区の大阪南港地区にある人工島「咲洲」を結ぶ海底トンネルである。1997年10月17日開通。港湾法にもとづく港湾施設(臨港交通施設)の一つ。大阪市港湾局が管理する。
大阪市中心部から南港地区への最短経路となり、本町通(国道172号)や中央大通の延長線上に位置する。鉄道では大阪市営地下鉄中央線の大阪港駅とコスモスクエア駅の間でこのトンネルを通過する。
構造
トンネルは、沈埋函を海底に沈める沈埋工法で建設された。沈埋工法のトンネルとしては日本初の道路・鉄道併用トンネル(ちなみに日本初の沈埋トンネルは、1935年から1944年にかけて建設された安治川トンネル)で、複線の鉄道線(大阪市営地下鉄中央線)の両側を各2車線の道路が通る構造になっている。延長は道路部分が2,200m、鉄道部分が2,400mある。
近年、東南海地震、南海地震が発生すると、トンネルの沈埋函接続部が損傷する恐れがあることが判明。耐震補強のため、沈埋函同士を鋼板で連結する対策工事が2009年から始められている。
道路
大阪市港湾施設条例により設置された有料の臨港道路として、管理を指定管理者に委託している。
普通乗用車、普通自動二輪車、大型自動二輪車の通行料金は100円(2009年10月1日より200円から値下げ)、大型車は400円。カード式の回数券はある(料金所一番右側で発売)が、ETCやクレジットカードといった類は使えない。歩行者、軽車両、125cc以下の二輪(小型自動二輪車)および原付、危険物積載車両は通行禁止である。
なお、土曜・日曜・祝日・年末年始は通行料金が無料となっている。また、2014年度中には平日も無料となる予定である。
道路は港区側ではみなと通(国道172号)に接続し、約500m東で海岸通(大阪府道5号大阪港八尾線)とも接続し、住之江区側のトンネル出入口はコスモスクエア駅付近にある。
また、このトンネルを走る大阪市営バス(44系統)も2014年3月31日までは存在していた。
指定管理者
大阪市より管理の委託を受けた団体は次の通り。
団体名 | 委託開始 | 委託終了 |
---|---|---|
大阪港トランスポートシステム | 1997年10月17日 | 2009年5月31日 |
阪神高速道路 | 2009年6月1日 | 未定 |
出来事
通行回数券の大量紛失
大阪港咲洲トンネルの通行回数券が、約1万1,000枚(約2億2,800万円分)に亘り紛失していたことが、当時運営管理していた大阪港トランスポートシステムの内部調査により、2009年2月16日に発覚した。また、同回数券の利用実績が、販売実績を上回る異常事態も起こっている。トンネル管理事務所の当時の所長で販売管理担当をしていた元社員の男性が横流しした疑いがあり[1][2]、同社は、この元社員を、業務上横領で告訴した上、約2億円の損害賠償を求め大阪地裁に訴えを起こした[3]。
脚注
関連項目
外部リンク
- ↑ トンネル通行回数券2億2000万円分行方不明に 大阪テンプレート:リンク切れ 産経新聞 2009年2月16日
- ↑ 大阪港トンネル回数券2億円分不明、3セク元社員横流しかテンプレート:リンク切れ 読売新聞 2009年2月17日
- ↑ 大阪、トンネル回数券不明で提訴 元所長に2億円の損害賠償 共同通信 2009年7月25日