多楽島
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テンプレート:Infobox 多楽島(たらくとう)は、歯舞群島の島の一つである。多羅久島と表記される場合もある。ロシア名はパロンスキー島(Остров Полонского)、英語表記はPolonskogo。
地名の由来は、アイヌ語の「トララ・ウク(皮紐・取る→皮紐を取る島)」が「トラク」に変化したことから。
かつてアイヌはアザラシの皮を割いて皮紐にしており、本島の北にある「トカリウシ(アザラシが多い所)」が島の名前と関連付けている。
地理
歯舞群島の中で最も北に位置し、地形は平坦である。戦前の人口は231世帯、1,457名。かつては昆布漁が盛んで、放牧も行われていた。
歴史
江戸時代には「周囲は5里14丁ほどで、平らだが中程は少し高い。柏の小木があるという。海岸は岩がちで、海産物が豊富なためアイヌが小屋を建てて、遅い時期までニシンを採っている」との記録がある[1]。
日本は領有権を主張しているが、現在もロシア連邦の占領・実効支配下にあり、ロシア沿岸警備隊が常駐している。戦後から現在まで無人島であると思われたが、2009年にロシア人が2007年から在住していることが判明した[3]。
当該地域の領有権に関する詳細は千島列島及び北方領土の項目を、現状に関してはサハリン州の項目を参照。
参考文献
- 『北方領土地名考』 北方領土問題対策協会編、1978年
- 日本歴史地名大系(オンライン版) 小学館 (『日本歴史地名大系』 平凡社、1979年-2002年 を基にしたデータベース)
関連項目
- 一爐庵 根室市にある菓子店。前身の早川菓子店が多楽島で「ひょうたんぱん」を販売。同製品は現在も製造販売され、旧島民などに愛好されている他、北方領土の日などに配布されることもある。[北海道日刊スポーツ新聞社記事]