士壱
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士 壱（し いつ、? - ?）は、中国後漢末期から三国時代にかけての豪族。父は日南郡太守の士賜。兄は士燮。兄弟は士䵋、士武。子は士匡。
生涯
漢王朝で郡の督郵（行政官の監視役）を務めていた。交州刺史である丁宮が尚書に任命され、都の洛陽に召し出されることになったとき、壮大な送別会を開き、感激した丁宮から「私が三公になれたら、首都を中央に招聘しよう」と約束された。丁宮が三公のひとつである司徒に昇進した時、士壱は都に呼び出された。士壱が洛陽に着いた時には丁宮は既に退官していたが、後任である黄琬に重く用いられ、士壱も黄琬のために働いた[1]。董卓が後漢王朝の実権を掌握したとき、黄琬と対立していた董卓は士壱を嫌い、董卓が出した布告のために士壱は昇進の機会に恵まれなかった[2]。董卓が長安に遷都した後、士壱は辞職して帰郷した。
交州刺史の朱符が反乱で殺害された後、嶺南社会の混乱の収拾を図る士燮の奏上によって士燮と彼の弟は交州各地の太守に任じられ、士壱は合浦太守に任じられた。210年に士氏は交州刺史に歩騭を派遣し交州に派兵した呉の孫権の支配を受け入れる。
226年の士燮の没後、孫権によって交州は南海郡、蒼梧郡、鬱林郡、合浦郡を含む広州と、交趾郡、九真郡、日南郡を含む交州に分割された。それぞれの地域に分断された士氏は親呉派と反呉派に別れ、士壱は親呉派の立場をとった[3]。交州刺史の呂岱によって甥の士徽らが処刑され、呂岱に反乱を起こした土豪の桓氏が敗れて交州の反乱は終息する。士壱は子の士匡らと共に官位を剥奪されて庶民に落とされ、反乱の数年後に処刑される[4]。
脚注
参考文献
- 後藤均平『ベトナム救国抗争史』（新人物往来社, 1975年12月）
- 『三国志 正史』6巻（ちくま学芸文庫, 筑摩書房, 1993年5月）
