算術
算術 (さんじゅつ、テンプレート:Lang-en-short) は、数の概念や数の演算を扱い、その性質や計算規則、あるいは計算法などの論理的手続きをあきらかにしようとする学問分野である。「算術」という日本語としては、文明開化前後の「数学」(mathematics)いわゆる西洋数学の本格的な輸入以前は、こんにち和算と呼ばれているような、当時の、いわゆる「日本の数学」全般を指していた。
現代日本では、おもに数学教育の小学校における部分(教科名としては、1940年代以降では算数と称される)として学ばれるもののことを指す。その大部分は、四則演算(加減乗除、加法(足し算)・減法(引き算)・乗法(掛け算)・除法(割り算))の習熟に当てられる。
またこの言葉、とくに "Arithmetic" は、時によっては数論を指し示すこともある。
四則演算
算術における加算 (+) ・減算 (−) ・乗算 (×) ・除算 (÷) の4つの二項演算のことをあわせて、算術の四則(しそく)あるいは四則演算と称する。自然数の間に定義される四則演算のうち、減算と除算には大きな制約があり、これを解消する操作を通じて整数や有理数(とくに正の分数)にまで数の範囲を広げて四則演算を考えることができるようになる。
四則演算を特徴付ける性質には、交換法則・結合法則・分配法則などがあり、抽象代数学では四則演算が自由にできる集合のことを体という。有理数の全体、実数の全体、複素数の全体などは全て体である。
除算は乗算の逆の演算になっている;a × b = c ならば、a = c /b, b = c /a が成り立つ。a × b = 1 となるような b を a の逆数といい、1/a と表す。
減算についても、a + b = c ならば a = c - b, b = c - a であるから、× が + に、/ が - に置き代わっただけで上の式と全く同じことが起こっている。つまり、減算は加算の逆の演算である。ここから自然に、a + b = 0 となるような b を考えることに導かれる。この b は負の数であり、-a と表す。
算術演算
コンピュータの用語として、論理和や論理積などのビットを扱う論理演算に対して、四則演算に代表される数値を扱う演算を算術演算と呼ぶ。
また、右シフト操作において、その操作で空くビットに、最上位ビットを複製して埋めるシフトを算術シフト、0で埋めるシフトを論理シフト と言う。これは歴史的にそのように呼ばれているが、現代的には、符号付き(signed)のシフトと、符号無し(unsigned)のシフト、と呼ぶのが理にかなっている(符号付数値表現#2の補数)。
関連項目