唇のねじれた男
テンプレート:Portal テンプレート:Infobox 「唇のねじれた男」(くちびるのねじれたおとこ、The Man with the Twisted Lip)は、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち6番目に発表された作品である。「ストランド・マガジン」1891年12月号初出。1892年発行の短編集『シャーロック・ホームズの冒険』(The Adventures of Sherlock Holmes) に収録された[1]。
あらすじ
1889年6月に起こった事件と記されている。研究家の間では、この年月はほぼ信用に足るものとしている(ただし、正典中で「6月19日の金曜日」とあるのは誤りで、1889年6月19日は水曜日である)。
ワトスン(結婚し、妻と暮らしている)のところに、妻の友人ケート・ホイットニーから、夫アイザ・ホイットニーをアヘン窟から連れ出してほしいと助けがあり、ワトスンはアヘン窟へ向かう。アヘン窟の中でワトスンはホームズを見つけ、事件が起こっているのを知る。
事件は、ネビル・セントクレア氏が妻によってアヘン窟の3階で目撃され、妻が警官とともに現場に向かったところセントクレア氏は消え失せ、唇のねじれた身体障害を患っていると思われる男ヒュー・ブーンがそこにいるだけであった。窓枠には血痕がありヒューはその場で逮捕されたが、セントクレア氏の遺体は発見されず、所在も不明のままだった。ホームズは既に亡くなっていると推理したが、夫人は夫が生きていると主張した。ホームズ持ち前の推理でセントクレア氏失踪の謎を解く。
ワトスンの名前について
ワトスンのフルネームは「ジョン・H・ワトスン」である。だが、妻のメアリーはこの作品でなぜかワトスンのことを「ジェームズ」と呼んでいる。これに関して、ワトスンのミドルネームはヘイミシュ(Hamish:ジェームズに当たるスコットランド名)で、Hはその頭文字である、という推論による解決策が研究者によって示されている。
脚注
- ↑ ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、101頁