合金鋼
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合金鋼(ごうきんこう)とは、鋼の性質を変えたり、用途に合った特性を得るために合金元素を1種類以上添加したりした鋼であるが、鋼自体に鉄合金という意味があり自家撞着的用語で使用範囲が曖昧なので学術論文ではあまり使用されない。
それぞれの元素添加量については下限が定められており、FeとC以外の元素いずれもがその下限に満たないものは、合金鋼と呼ばない。このような鋼は炭素鋼と呼ぶ。
ISOでの下限は、次のようになっているが、特に優れた効果をもつものであれば添加元素と認められる。
Al:0.1、B:0.0008、Co:0.1、Cr:0.3、Cu:0.4La:0.05、Mo:0.08、Nb:0.06、Ni:0.3、Pb:0.4Se:0.1、Te:0.1、Ti:0.05、V :0.1、W:0.1、Zr:0.05 [mass%]
これらの合金元素の合計量が5[mass%]以下ならば低合金鋼、5~10[mass%]ならば中合金鋼、10[mass%]以上ならば高合金鋼と呼ぶ。特に特殊鋼において多元系化が進められており、 中でも工具鋼において、最多元系のものが開発されている。