京成千葉線
|} 千葉線(ちばせん)とは、千葉県習志野市の京成津田沼駅と千葉市中央区の千葉中央駅を結ぶ、京成電鉄の鉄道路線。
概要
京成津田沼駅で京成本線から分岐する路線で、同駅で本線・新京成電鉄新京成線、千葉中央駅で千原線と接続、直通運転を行っている。東日本旅客鉄道(JR東日本)総武本線と京葉線の中間地帯の総武本線寄りの場所を走り、京成千葉駅 - 千葉中央駅間ではJR外房線と並走している。
路線データ
- 路線距離:12.9km
- 軌間:1435mm
- 駅数:10駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線複線
- 電化区間:全線電化(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:1号型ATS。C-ATSに更新予定。
運行形態
各駅に停車する普通のみの運行で、日中は京成津田沼 - ちはら台間の千原線直通列車と、松戸 - 千葉中央間の新京成線直通列車がそれぞれ20分間隔で運行されている。両列車が交互に運転するため、京成千葉線内は10分間隔の運行である。
朝夜の一部に本線の京成上野まで直通する列車があるが、全区間が各駅停車の普通のみの設定である。朝は上り(京成津田沼方面)は日中と同じ10分間隔、下り(千葉中央方面)は幕張新都心への通勤利用が多いことを考慮して、6 - 10分間隔で設定されている。
新京成線との直通運転においては、現在のところ新京成電鉄の6両編成の車両(8900形を除く)のみが乗り入れている。新京成線内では「普通」の表示を出さない新京成車両も千葉線では「普通」の表示を出して運行している。表示の切り替えは京成津田沼駅で行われる。
千原線ちはら台行きの列車の方向幕・行き先表示は「(千葉)ちはら台」(ちはら台の前に改行)となっている。
かつて運行された列車種別
なお、運転実績はないが土曜・休日の夕方に1往復不定期特急の設定があり、試運転列車などでこのダイヤを使用していたこともあった。千葉線内の停車駅は京成稲毛と京成千葉のみである。このため千葉線内の速度標識には特急の速度表示も示してある。
また、これとは別に1968年(昭和43年)6月より1974年(昭和49年)12月までは線内に通過駅がある快速が存在した。停車駅は、幕張・稲毛・黒砂(現・みどり台)・国鉄千葉駅前(現・京成千葉)。なお国鉄千葉駅前の停車は1968年(昭和43年)11月改正からである。
また過去には臨時特急や臨時急行、ごく短期間ながら定期急行が2度設定されていた。また臨時特急は線内は京成津田沼と千葉中央以外は無停車であった。
歴史
1921年(大正10年)に本線の船橋 - 津田沼間と同時に津田沼 - 千葉間が開業した。これは本線の津田沼 - 成田間よりも優先され早い開業となった(京成津田沼駅から京成本線が当線下をくぐり、大きく内陸方へカーブする形で分岐しているのはそのためである)。千葉線はこの年に市となった県都である千葉市への輸送、東京湾岸への観光客の輸送を目的として設置された。当時の千葉線はみどり台駅、西登戸駅のそれぞれ開業時の駅名「浜海岸駅」、「千葉海岸駅」が示すとおり現在よりも遥かに海に近く(おおよそ現在の国道14号線が昭和30年代ごろまでの海岸線であると考えて相違ない)、海水浴客や、潮干狩りを楽しむ行楽客でにぎわった。また住環境が良かったため、京成稲毛駅や西登戸駅周辺は別荘地としても賑わいを見せた。1935年(昭和10年)に省線(国鉄)の千葉駅までの電化が完成する前までは、千葉線の方が圧倒的優位に立っていた。
1970年代以降、旧国鉄の「通勤五方面作戦」の一環としての、1972年(昭和47年)の東京駅と津田沼駅を結ぶ総武快速線開通(中央・総武緩行線と合わせ、総武線が津田沼まで複々線化)や1981年(昭和56年)の複々線区間の千葉駅までの延長、さらに1990年には海側に建設された新規路線である京葉線が東京駅まで開通したことで、京成千葉線は東京駅と千葉市を結ぶJRの両路線に挟まれた形となり、千葉線は都心アクセスの上で不利な状況となり、本線直通列車の本数も大幅に削減された。
2006年(平成18年)からは松戸・鎌ケ谷方面へのアクセス強化を図るため、1955年(昭和30年)に約4か月ほど実施されただけであった新京成線との直通運転を再開する。新京成車両による片乗り入れで、千原線への直通運転は行わないものの、千葉への新たなアクセスルートが確立した。
年表
- 1921年(大正10年)7月17日 - 津田沼(現在の京成津田沼) - 千葉(現在の千葉市中央区・中央公園付近)間開業。
- 1922年(大正11年)3月8日 - 千葉海岸駅(現在の西登戸駅)開業。
- 1923年(大正12年)
- 1931年(昭和6年)11月18日 - 幕張駅を京成幕張駅、稲毛駅を京成稲毛駅、千葉駅を京成千葉駅に改称。
- 1942年(昭和17年)4月1日 - 浜海岸駅を帝大工学部前駅に改称。
- 1945年(昭和20年)2月20日 - 全線を軌道法による軌道から地方鉄道法による鉄道に変更。
- 1948年(昭和23年)4月1日 - 帝大工学部前駅を工学部前駅に改称。
- 1951年(昭和26年)7月1日 - 工学部前駅を黒砂駅に改称。
- 1955年(昭和30年)
- 1958年(昭和33年)2月10日 - 京成千葉駅を現在の千葉中央駅の場所に移転。新千葉 - 京成千葉間の線路を移設。
- 1959年(昭和34年)10月10日 - 軌間を1372mmから1435mmに改軌。
- 1966年(昭和41年)12月17日 - 新千葉 - 京成千葉間高架線完成。暫定的に単線運転での運行。
- 1967年(昭和42年)
- 4月1日 - 千葉海岸駅を西登戸駅に改称。
- 12月1日 - 国鉄千葉駅前駅(現在の京成千葉駅)開業。
- 1971年(昭和46年)10月1日 - 黒砂駅をみどり台駅に改称。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 京成千葉駅を千葉中央駅に、国鉄千葉駅前駅を京成千葉駅に改称。
- 1991年(平成3年)8月7日 - 京成幕張本郷駅開業。
- 1992年(平成4年)4月1日 - 千葉急行電鉄(1998年(平成10年)10月1日京成電鉄に路線を譲渡し千原線となる)と相互直通運転開始。
- 2006年(平成18年)12月10日 - 新京成電鉄車両による片乗り入れにより、新京成線松戸から千葉中央までの直通運転が再開される。
- 2010年(平成22年)9月8日 - 台風9号から変化した熱帯低気圧がもたらした集中豪雨によって検見川 - 京成稲毛間で土砂崩れが発生し、千葉線・千原線が終日運休となる。
- 2011年(平成23年)
- 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生した影響で、千葉線・千原線が運休となる。
- 3月14日 - 東日本大震災による電力供給逼迫を理由として東京電力が輪番停電(計画停電)を実施。これに伴い、この日から新京成線との直通運転が休止される。
- 4月11日-12日 - 東北地方太平洋沖地震の余震とみられる巨大地震が発生したため、千葉線・千原線が一時運休となる。
- 6月27日 - 新京成線との直通運転が一部再開される。9月10日に全面再開。
駅一覧
- 全線千葉県内に所在。
- 全列車全駅に停車する。
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 接続路線 | 所在地 | ||
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直通運転区間 | ○新京成電鉄新京成線松戸駅まで(新京成車のみ、日中) ○京成本線京成上野駅まで(京成車のみ、日中以外) | ||||||
KS26 | 京成津田沼駅 | - | 0.0 | 京成電鉄:KS 本線(直通運転:上記参照) 新京成電鉄 (SL24):SL 新京成線(直通運転:上記参照) |
習志野市 | ||
KS52 | 京成幕張本郷駅 | 2.1 | 2.1 | 東日本旅客鉄道:総武線(各駅停車)(幕張本郷駅) | 千葉市 | 花見川区 | |
KS53 | 京成幕張駅 | 1.9 | 4.0 | 東日本旅客鉄道:総武線(各駅停車)(幕張駅:徒歩連絡) | |||
KS54 | 検見川駅 | 1.3 | 5.3 | ||||
KS55 | 京成稲毛駅 | 2.8 | 8.1 | 稲毛区 | |||
KS56 | みどり台駅 | 1.8 | 9.9 | ||||
KS57 | 西登戸駅 | 1.0 | 10.9 | 中央区 | |||
KS58 | 新千葉駅 | 0.8 | 11.7 | ||||
KS59 | 京成千葉駅 | 0.6 | 12.3 | 東日本旅客鉄道:総武線(各駅停車)・総武線(快速)・総武本線(成田線直通含む)・外房線(内房線直通含む)(千葉駅) 千葉都市モノレール:1号線・2号線(千葉駅) | |||
KS60 | 千葉中央駅 | 0.6 | 12.9 | 京成電鉄:KS 千原線(直通運転:下記参照) | |||
直通運転区間 | ○京成千原線ちはら台駅まで(平常時は京成車のみ) |