北投温泉
テンプレート:中華圏の事物 北投温泉(ベイトウ ウェンチュエン、漢音読み:ほくとうおんせん)は、台北市北投区にある著名な温泉街で、新北投温泉ともいう。
泉質
北投温泉は、天然のラジウム泉として知られる。また硫黄の成分も多く、町には硫黄の臭気が漂う。
歴史
北投温泉は、明治16年(1894年)にドイツ人商人が発見したといわれている。1896年、大阪商人平田源吾が北投で最初の温泉旅館「天狗庵」を開業した[1]。 その後、日露戦争の際に日本軍傷病兵の療養所が作られ、それ以降、台湾有数の湯治場として知られるようになった。
1905年、日本人学者岡本要八郎によって北投石が発見される。北投石は、微量のラジウムを含んだ湯の花が、何千年もの歳月をかけて石灰化したもので、世界ではここと秋田県の玉川温泉でしか産出されない。当地にある共同浴場瀧乃湯の前で発見された。
また同年、「湯守観音」を祀る「鉄真院」(現普済寺)が創建される[1]。
1913年、北投温泉公共浴場(現北投温泉博物館)が落成し、北投公園も完成する[1]。
戦前は、モダンな建物が立ち並ぶハイカラな温泉街として知られ、1923年には昭和天皇(当時は皇太子)も訪問した。
戦後、台湾が中華民国に帰属した後、中華民国政府は北投温泉を歓楽街として位置づけ、置屋の営業を認めた(公娼制度)。この為、国の内外から売春目的で北投温泉を訪れる観光客が集まった。
しかし、公娼制度は1979年に廃止され、また、当時台北市長だった陳水扁(前任の中華民国総統)の健全化政策により、北投温泉から置屋は消滅し、親子で楽しめるような観光地が復活した。
2010年、台湾でも人気の高い日本旅館「加賀屋」が「北投加賀屋」を開業した。
温泉街
新北投駅前から地熱谷にかけて、日本統治の面影が残る古い風情の温泉街が広がる。旅館やホテルなどが数多く存在するのが特徴。 台北市中心部から気軽に行ける為、週末には多くの観光客が訪れる。
- 地熱谷
- 地熱谷(日本統治時代は地獄谷と呼称)は、高温の源泉があちこちから沸く池である。かつては地熱谷でゆでられた温泉卵が有名だったが、卵をゆでる際に池に転落する事故が絶えないため、今では全面的に禁止されている。
アクセス
舞台となった作品
- 映画
- カミカゼ野郎 真昼の決斗 (1966年) - 主人公 (千葉真一) が敵の正体を突き止め、拳銃を撃ち合うシーン
- ドラマ