井出駅
井出駅(いでえき)は、山梨県南巨摩郡南部町井出にある、東海旅客鉄道(JR東海)身延線の駅である。
駅構造
単式ホーム1面1線と側線1本を有する地上駅。線路はほぼ北西から南東に向かって走り、ホームは線路の南西側に設けられている。
側線はホームの中ほどで本線から北側に分岐し、寄畑方面にしばらく進んだ後、途切れている。本線が駅の寄畑方で下り勾配となっているのに対し、この側線はほぼ平坦に走っている。側線の北側に接して大きな広場があり、ここにトイレや駐車場などがある。
かつて木造の駅舎があったが、1994年(平成6年)にコンクリート打ち放し、一階建ての小さな建物に改築された。内部には数人が入る事のできる待合室がある。
身延駅管理の無人駅で自動券売機の設置はなく、当駅で切符を購入することはできない。
駅周辺
駅前を富士川に並行して走る道は県道10号である。この県道を600メートルほど東に行くとやがて駅名にもなっている井出に至るが、井出はいたって小さな集落である。当駅の駅前は県道をはさんですぐ富士川となっており、駅前からは富士川の広い河川敷を眺めることができるが、その対岸は南部町福士である。福士は大きな集落であり、2003年(平成15年)に南部町と合併して消滅した富沢町の中心部であった上、両町の合併によって新しくできた南部町の役場もこの地に置かれている。このため当駅の利用者は、駅前の県道を北西方向に800メートルほど進んだところで富士川を渡る富栄橋を経由して対岸からくるものが多くなっており、また開業当初の当駅は井出と福士の両方から名前を取って井出福士駅と名乗っていた。福士には道の駅とみざわ、南部町立富河小学校、南部町立富河中学校などがあり、国道52号が走っている。
その他、駅の周辺にある主要なスポットとして天子湖と佐野川温泉がある。駅の寄畑方で県道から北方向に分岐する小さな道は、竹の沢踏切で当駅の構内を横切り、しばらくするとやがて佐野川に沿うようになるが、この道を当駅から9キロほど行くと、やがて天子湖につく。また県道を東へ1.5キロメートルほど行き、佐野川を渡ってすぐのところで北側に分岐する道を行くとやがて700メートルほどで佐野川温泉となる。
小さな駅であるが、駅前には列車の到着にあわせてタクシーが客待ちをすることも多い。
路線バス
乗り場 | 系統 | 主要経由地 | 行先 | 運行会社 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
井出駅 | 陵草線 | 坂下 | 役場前 | 南部町営バス | 平日運転 | |
陵草線 | 十島駅・平山 | 屋敷平公民館 | 南部町営バス | 平日運転 |
利用状況
1日平均乗車人員は以下の通りとなっている。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
2006 | 100 |
2007 | 94 |
2008 | 91 |
2009 | 73 |
2010 | 69 |
歴史
- 1929年(昭和4年)3月26日 - 富士身延鉄道の井出福士停留場(いでふくしていりゅうじょう・旅客駅)が開業。
- 1929年(昭和4年)12月28日 - 井出側線駅が開業(貨物駅)。
- 1931年(昭和6年)9月20日 - 井出側線駅が井出福士側線駅に改称。
- 1931年(昭和6年)12月1日 - 井出福士側線駅が第二井出福士駅に改称。
- 1936年(昭和11年)6月22日認可 - 井出福士停留場が駅に昇格、井出福士駅となる。同時に第二井出福士駅を併合し、貨物取扱を開始。
- 1938年(昭和13年)10月1日 - 富士身延鉄道を国が借り上げ。同時に井出駅に改称。
- 1941年(昭和16年)5月1日 - 国有化され国鉄身延線の駅となる。
- 1972年(昭和47年)9月20日 - 貨物の取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東海旅客鉄道の駅となる。
- 1994年(平成6年)3月 - 駅舎を改築。