主婦

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主婦(しゅふ housewife あるいは homemaker)とは、一般に家事育児を主にする既婚(もしくは内縁)の女性をいう。

近年では専業主婦兼業主婦などの語もみられる。現代では、主婦は必ずしも家庭内役割のみを担っているわけではなく、フルタイムで管理職として働く女性も含まれるが、「男は賃金労働、女は家事・育児」とする、身体機能(出産・授乳)から派生した性役割分担に期待された家庭内役割の責任を負い、実際に遂行する女性を表すことが多い。

日本社会における主婦

『家族力』(文藝春秋)によれば、PTAや自治会などで役員を務めて地域社会に貢献しているのは「圧倒的に主婦」であるという。これは自宅の家計の為に、一日を職場と家の往復で終わらざるを得ない賃金労働者の「地域社会への進出」が困難となっていることが一因である。

家族社会学・福祉社会学においては、地域での活動や介護を担う労働力としても評価されており、マルクス主義や女性学では、主婦は育児や家事といった再生産労働の担い手とされている。マーケティングや商業界では、売上と雇用を支える消費対象として、またパートタイマーとしても注目されている[1]

企業などで定年まで勤めた働く女性の多くが、退職後にこうした主婦として地域社会を支えている(出典:日本経済新聞2005年5月25日)。 兼業主婦であり、かつ正規雇用、あるいは非正規雇用者の立場にある女性は世界経済フォーラムの統計における「女性の就業率」に含まれているものの、2009年では「女性の社会進出」において、日本は75位と先進国中最下位であった(賃金格差」が99位、「就業率格差」が83位という結果となった)。

関連文献

  • 岩村暢子著『<現代家族>の誕生 幻想系家族論の死』勁草書房(2005/6)ISBN 4326653051
  • 国際交流基金編『女性のパートタイム労働~日本とヨーロッパの現状~』

外部リンク

関連項目

脚注

  1. 『女性のパートタイム労働~日本とヨーロッパの現状』国際交流基金刊
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