丸ノ内ビルヂング
丸ノ内ビルヂング(まるのうちビルヂング)は、かつて日本の東京都千代田区丸の内二丁目に存在した三菱地所保有のオフィスビルである。2002年(平成14年)に建て替えられ、現在は「丸の内ビルディング」となっている。
概要
1923年(大正12年)、三菱合資会社地所部の桜井小太郎の設計により東京駅丸の内駅舎前に竣工した。当初は地上8階、地下1階で、後に地上9階、地下2階に増築された。
オフィスビルの低層階を一般客に開放し、ショッピングモールなどを展開する形態は、当ビルが日本においては先駆的に導入したものであり、近代的なイメージから1929年(昭和4年)に発売された歌謡曲『東京行進曲』など多くの歌や、小説の舞台にもなった。
竣工直後の1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災により被災し、同年11月25日から1926年(大正15年)7月24日にかけて、復旧補強工事が行われた。
1969年(昭和44年)年には地下2階部分の増築を行っており、外壁は1935年(昭和10年)と1982年(昭和57年)に改修されており、建設当初の外装は失われている。
1995年に三菱地所は、隣接する三菱商事ビルとあわせ、都市計画の特定街区制度を活用して都市計画の指定容積率を超える大規模・高層化を行うことを発表し、1997年4月5日に閉館となった。1999年(平成11年)に解体され、当地には丸の内ビルディングが建設され、2002年(平成14年)に竣工した。
昭和戦前期で最大のビルであり、「東洋一のビル」といわれ、質量の比較単位として「丸ビル何杯分」などと引用されることもあった。
解体時に発掘された旧ビルの基礎として使用されていた松杭は、新丸の内ビルディングの床板や、近隣ビルのベンチ、三菱地所の用紙パルプ用として再利用されている。
参考文献
- 『建築雑誌 第四〇輯 第四八六號』 建築學會、大正15年(1926年)9月。
- 三菱地所株式会社社史編纂室編 『丸の内百年のあゆみ-三菱地所社史』上巻、下巻、資料・年表・索引 三菱地所、平成5年(1993年)。