三菱・デリカスターワゴン
デリカ スターワゴン(DELICA STAR WAGON)は、三菱自動車工業が生産していたワンボックスカーである。
1979年から1999年まで日本国内でも販売されていたが、現在は輸出専用である。
デリカシリーズでは、それぞれ2代目と3代目の乗用登録モデルが該当する。
概要
同社のパジェロと並び、乗用四輪駆動車の先駆け的モデル。多くの日本製ワンボックスカー同様、スターワゴンも基本的には商用車と共通の設計ではあるが、快適装備の追加や見栄えの向上で差別化が図られている。
駆動方式はFRと副変速機付きの四輪駆動(4WD)、エンジンは自然吸気ガソリンとディーゼルターボが用意されていた。 特に4WDはキャブオーバーならではのスペース効率に加え、悪路走破性の高さと「四駆」然とした外観が魅力となり、アウトドア愛好家の間で絶大な人気を誇るモデルであった。
歴史
初代(1979年-1986年)
2代目デリカの乗用モデル テンプレート:Double image stack
- 1979年6月 - 1975年に生産が終了した初代デリカ1400コーチ/1200コーチの後継車種として登場。9人乗り標準ルーフのみでエンジンは1.6Lサターンで86馬力。ワンボックスカー初の5速MTを採用。
- 1980年5月 - 4G62型 1.8Lシリウス100馬力のスターワゴン1800を追加。全車ハイルーフ仕様で電動サンルーフも設定。
- 1981年9月 - XLスーパーに2、3列目対座シートを標準装備。またATも設定。
- 1982年10月 - 4WDを追加。このモデルはフォルテのシャシにデリカのボディを組み合わせたもので、大径タイヤが装着され最低地上高も高い。既存モデルはマイナーチェンジでヘッドランプが丸形2灯から角形2灯となり、1.8L車はフロアシフト化で8人乗りとし、ロングボデーの4列シート10人乗りと2.3Lディーゼルを追加。
- 1983年11月 - 4WDは2.0Lの4G63Bに変更。セカンドシートを2人掛けのキャプテンシートとしたエクシードを2WD/4WDそれぞれに追加。
- 1984年2月 - 4WDに4D55型2.3Lターボディーゼルを追加。
2代目(1986年-1999年)
3代目デリカの乗用モデル テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 標準とロングの2種類のホイールベースに、平屋根のエアロルーフかハイルーフが組み合わされる。ワゴン2WDには、ハイルーフに多くの天窓を追加したクリスタルライトルーフを設定、世界初の電動サンシェードも備わる。バンとワゴンの4WDは全高を小型車枠に収める関係でエアロルーフのみ、ワゴン4WDは標準尺のみでのスタート。バンはスライドドアを両側に持つ。
エンジンのラインナップは、2.0Lと2.5L(デリカ初の3ナンバー)ガソリンと、ターボ付き85馬力の4D56型2.5Lディーゼル(バンは従来と同じ1.4Lと1.6Lのガソリン、自然吸気76馬力とターボ付き85馬力の2.5L 4D56型ディーゼル)。
- 1986年6月 - フルモデルチェンジ。
- 1987年9月 - 2WDエクシードのバンパーを大型化し、アルミホイールを標準装備。
- 1988年9月 - マイナーチェンジ。フロントにスリーダイヤマークが付く。4WDディーゼル車にATを追加。
- 1989年7月 - 2.4Lガソリン車を追加。また4WDにもハイルーフとクリスタルライトルーフを設定。以降、このルーフ形状がスターワゴンの販売の中心となる。2WDと4WDエクシードのガソリン車は排気量が2.0Lから2.4Lになり、パワー不足がやや解消された。
- 1990年9月 - マイナーチェンジ。ヘッドランプのロービームのみ異形プロジェクターに変更し、ガーニッシュも追加されて顔つきが変わった。最上級車種として、4WDにエクセーヌ生地の内装とカラオケ機能付きオーディオを備えたスーパーエクシードを追加。セカンドシートはキャプテンシートの7人乗り。
- 1991年8月 - MTのみの設定だった4WD2.4Lガソリン車にATを追加。また、安全対策として全グレードにサイドインパクトビームやハイマウントストップランプなどが装備される。
- 1992年8月 - 4WDエクシードにアルミホイールを標準装備。バックドアのエンブレムを「MMC」から「MITSUBISHI」に変更。
- 1993年8月 - 2WDにスーパーエクシードを追加。エアコンの冷媒がR134aに変更(従来はR12)。4WDエクシードに寒冷地仕様とLSDを標準装備。GLXにストライプデカールを装備。
- 1994年5月 - デリカスペースギア発売。デリカスターワゴンはグレードを整理して販売を継続。グレードは廉価帯のGLXとXのみとなる。パワーウインドウスイッチの形状、運転席ヘッドレストの形状を変更、エンブレム類が非装着となる。
- 1997年10月 - デリカスターワゴンをマイナーチェンジ。フロントバンパーおよび、クリアランス&ターンシグナルランプの形状変更、エアバッグの標準装備、フロントウインドシールドの取り付け方など細部を変更。
- 1999年12月 - 販売終了。
- Mitsubishi-L300.jpg
輸出向けL300
スターワゴン2WD標準ボディーに相当 - Mitsubishi Delica Star Wagon 001.JPG
スターワゴン4WD
エクシード
ハイルーフ
'90.9-'94.4 - Mitsubishi Delica Star Wagon 303.JPG
スターワゴン4WD
アクティブワールド
エアロルーフ
'97.11-'99.11
名前の由来
- 「デリカ」の語源は、delivery(運ぶ・配達する)+car(車)の造語であり、
- 「スターワゴン」は「みんなに愛されるワゴン車でありたい」という意味合いを込めて名づけられた。
- 特別仕様である「シャモニー(CHAMONIX)」はフランス・アルプスのリゾート地に由来。
関連項目
テンプレート:自動車 テンプレート:三菱車種年表 (初期) テンプレート:三菱車種年表de:Mitsubishi L300