ㅎ
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ㅎは、ハングルを構成する子音字母のひとつ。 14番目の字母。名称は、ヒウッ(히읗)である。
音声
初声では通常、声帯同士で狭めをつくり、そこを通る呼気の摩擦によって音を出す無声声門摩擦音[h]を表し、音素記号は/h/で表される。しかし、環境によって以下のような異音をもつ。
二重母音/ㅑ, ㅕ, ㅛ, ㅠ, ㅖ, ㅒ/([j]系の半母音)の前では口蓋化して無声硬口蓋摩擦音[ç]となる。
有声音と有声音の間、つまり母音・鼻音・流音と母音の間(位置関係上かならず二音節目以降の初声となる)では有声化して有声声門摩擦音[ɦ]となる。日本語話者にとってこの音は認識されにくいため、前の子音と続く母音がつながった音に聞こえることが多い(これは「ㅎの弱音化」と説明されることもある)。
なお終声の/ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅈ/に続く場合、これと融合して激音/ㅋ, ㅌ, ㅍ, ㅊ/で発音される。
終声では舌端を歯茎に密着させて出す内破音[t̚] = [t_<]となる。これは/ㄷ/の終声と同じ音である。後続の音が/ㄱ, ㄷ, ㅈ/であるときは、これと結合して激音/ㅋ, ㅌ, ㅊ/と発音される。後続が母音である場合は、他の終声が初声化するのと異なり、hの音として初声化するのではなく無音となる(これは「ㅎの無音化」と説明されることもある)。その他発音の変化としては、後ろにㄴなどが来て鼻音化して終声のㄴで発音される場合があるものの、初声のㅎの音として発音されることはない。複合終声ㄶ、ㅀのㅎも発音上ほぼ同様の性質を持っており、h(初声のㅎ)の音を表すというよりも実質的に「次の初声/ㄱ, ㄷ, ㅈ/を激音化する記号」であるといえる。
なお、この字母は上記のように発音上の特異な性質を持つこともあって、韓国のインターネットスラングである아햏햏については、[아해탣]、[아행행]、[아해해]、/a.hɛx.hɛx/、/a.hɛx.ɦɛx/などと発音が一定していない。 テンプレート:ハングル終声
用例
用例:하(ハ) 히(ヒ) 후(フ) 헤(ヘ) 호(ホ) 햐(ヒャ) 휴(ヒュ) 효(ヒョ)
固有名詞を転写する場合、たとえば윤 손하の場合、音節ごとに転写した「ユン・ソンハ」ではなく、[ɦ]を無音としたうえで、/nha/ を「ナ」とした「ユンソナ」と転写された。しかし윤하の場合、芸能活動最初期は「ユナ」と転写されたが、なぜか「ユンナ」に改められた。転写法が分かれたのは、所属する事務所関係者がそれぞれそのように聞き取ったためだろう。
訓民正音
訓民正音初声体系では次清の喉音に分類されており、その字形は『訓民正音解例』制字解によると喉の形に象ったㅇに筆画を加えてㆆをつくり、それにさらに筆画を加えて作った加画字とされる。
『訓蒙字会』(1527年)では初声独用8字に含まれており、ヒ(히、屎)と名付けられていた。ヒウッという名称は1933年の朝鮮語綴字法統一案で名付けられた。
ラテン文字転写
初声は文化観光部2000年式、マッキューン=ライシャワー式ともにhと表記される。有声音に続き認識されにくい[ɦ]となったり、/ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅈ/に続いて融合する場合であっても表記される。
終声はどちらの方式でもtと表記される。
文字コード
名称 | 用途 | コード | HTML実体参照コード | 表示 |
HANGUL LETTER HIEUH | 単体 | U+314e | ㅎ | ㅎ |
HANGUL CHOSEONG HIEUH | 初声用 | U+1112 | ᄒ | ᄒ |
HANGUL JONGSEONG HIEUH | 終声用 | U+11c2 | ᇂ | ᇂ |