ロード・ダンセイニ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Portal

ロード・ダンセイニLord Dunsany1878年7月24日 - 1957年10月25日)は、アイルランド小説家軍人である。(貴族の称号を含む)正式な名は、エドワード・ジョン・モアトン・ドラックス・プランケット、18代ダンセイニ男爵(Edward John Moreton Drax Plunkett, 18th Baron of Dunsany)。

略歴

アイルランドダブリン北部のミーズ州に居城を構える本物の貴族で、「ロード」はペンネームではなく敬称である。

『ペガーナの神々』(1905年)を初めとする6冊の短編集(1905年 - 1916年)と長編『エルフランドの王女』(1924年)などの作品によりファンタジー文学に大きな足跡を残した。H・P・ラヴクラフト稲垣足穂らは彼からの影響を公言している。

ミステリーのジャンルでは短編「二壜の調味料」がエラリー・クイーンらの高評を受け、クイーンの定員にも選ばれた。江戸川乱歩は評論「奇妙な味」で本作を代表作の一つに挙げている。

執筆時期はケルト文学復興運動の時代と被るが、いわゆる「アングロ・アイリッシュ」と呼ばれた支配階級の出自もあり、その活動はレディ・グレゴリーイェイツシングらとは異なってアイルランド民族のアイデンティティにあまり肩入れしたものではなかった。 [1] 英陸軍将校としての経歴も持ち、1916年のダブリン暴動ではイギリス側(制圧側)として戦っている。

著作

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

  • H・P・ラヴクラフト 『文学における超自然の恐怖』 (学研 2009)
  • 荒俣宏 『別世界通信』(月刊ペン社 1977) ちくま文庫
  • リン・カーター 『ファンタジーの歴史 空想世界』 (東京創元社 2004)
  • 下楠昌哉 『妖精のアイルランド 「取り替え子(チェンジリング)の文学史』 (平凡社新書 2005)

外部リンク

  • アベイ座のために劇作を提供するなどはしている。なお、ダンセイニが戯曲に手を染めるようになったきっかけはイェイツの勧誘によるものという通説があるが、実際にはアイルランドの神秘家として有名だったジョージ・ラッセル(筆名 AE)の勧めによるもの。(「イェイツとハイド――文学と民俗学と」P81、『妖精のアイルランド 「取り替え子(チェンジリング)の文学史』平凡社新書、下楠昌哉著、2005年8月 より)