リンクフリー

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テンプレート:出典の明記 リンクフリー(和製英語:link free)は、ウェブサイトにおいて「断り無しでリンクして構いませんよ」という意味を表す和製英語日本のインターネット社会で作られ日本でのみ通じる概念である。

これには「ハイパーリンクを貼るにはリンク先のサイト管理者に対して許可を取るべきだ」という考えが前提にあるが、この前提はハイパーテキストによる情報の結合・情報資源の共有という Web の理念からは程遠い。よって、記述のあるなしに拘らず、すべてのウェブページはリンクフリーであると言える。

ちなみに英語でlink freeと言えば、普通は「リンクから解放されている」つまり「どこにもリンクしていない」あるいは「どこからもリンクされていない」という意味に解釈される。リンクフリーの意味を英語で伝えるならFeel free to link to this site( this page, me)などと書けば、意味合いとしては通じる。ただし世界的にはそのような習慣は無いので、わざわざ断わりを入れた意図を理解されない可能性が高い。

リンクには許可をとるべきか

法的根拠

法的な面では、ウェブページに対してリンクを張ることに許可が必要であるとする考えは、リンクという技術要素そのものに絞って言えば誤りである。そもそも、ウェブページおよびそこに記載される内容はすべて、Web上に公開されている情報であり、リンクはその公開されている情報を参照するという行為の一手段にすぎない。したがって、リンクに許可を求めるという行為そのものには、少なくとも法的根拠が存在しない。ただし、リンクを張ることによるコンテンツ利用の方法によっては、著作権の観点から問題がある。例えば、他サイトのコンテンツを丸ごと自サイトのフレーム内でリンクして独自コンテンツに見せるような利用方法には、引用の範疇を超えて著作者人格権の侵害となる可能性がある。特に画像類などの芸術性・独創性を持つコンテンツについては、権利者のライセンスポリシーに対して慎重である必要がある[1]

モラル・「常識」としての主張

「法的根拠が無くとも、リンクを張る前にサイト管理者に許諾を得るべき」と主張する者もいるが、リンクを張ることでインターネット上の知を豊かにするという本来のWebの理念からは外れた主張である。しかし、インターネット掲示板を中心に、荒らし誘導目的の「晒し」や誹謗中傷が少なからずウェブで行われているなど、「インターネットの知を豊かにする」というウェブの理念自体が一部で形骸化している現実がある。そのような背景から、いわゆる「悪意のあるリンク」はモラル面から批判されることがある。

また、次のような理由から、サイト管理者がリンクに対して許諾を要求する例もある。

  • どこからリンクされているかわからないことに対する不安感
  • リンク元のウェブサイトに対して、自分のサイトからもリンク(相互リンク)したい
  • ウェブサイトの移動・閉鎖をリンク相手に伝えたい

最近ではリンクの許諾に法的根拠がないことが一般にも浸透してきたことから、リンクに対して露骨に許諾を要求するウェブサイトは少なくなっている。しかし上記のような理由から「リンクを張った後に事後連絡する形でいいので、できればリンクしたことを伝えてほしい」という態度を示すサイト管理者も多い。

注釈

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  1. クリエイティブ・コモンズではこうしたウェブ上の権利問題を解決し、コンテンツの円滑な再利用を促進する手段としてクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを提示している。

関連項目

外部リンク