リオ・ティント

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リオ・ティントのオーストラリア本部は、オーストラリアのメルボルンにあるテンプレート:仮リンクに置かれている。

リオ・ティント (Rio Tinto) は多国籍鉱業資源グループである。1995年に英国に本拠をおく鉱業会社 RTZ とオーストラリアの CRA が二元上場会社を形成することにより成立した。2つの会社は別個の会社として残り、オーストラリア証券取引所には改称された Rio Tinto Limited が上場し、ロンドン証券取引所には Rio Tinto Plc が上場している。しかし両社は同一の取締役会により単一の経済単位として経営され、両社の株主は同じ投票権と配当受領権をもつ。RTZ の株主は全体の 76.7% を保有し、会社は基本的にロンドンから経営される。

歴史

リオ・ティントは南部スペインローマ帝国に銅を供給した鉱山の場所に由来する。1873年にロンドンのN. M. ロスチャイルド・アンド・サンズとパリのド・ロスチルド・フレルス(Rothschild Frères)がテンプレート:仮リンク(Matheson's Matheson and Company)他の投資者とともに赤字のスペイン国営リオ・ティント鉱山を買収した。新オーナーは会社をリストラクチャリングし、収益の出る事業にした。1905年までには、ロスチャイルドの出資比率は 30% を超えていた。

1962年に(英国の)リオ・ティント社はオーストラリアの会社コンソリデーテッド・ジンク (Consolidated Zinc) 社の過半数の株を取得し、リオ・ティント社自体がリオ・ティント‐ジンク・コーポレーション (Rio Tinto-Zinc Corporation: RTZ) と改名した。オーストラリアの会社はコンジンク・リオティント・オブ・オーストラリア (Conzinc Riotinto of Australia, CRA) と改名されたが、別の会社として登記されつづけ、オーストラリアの一般投資家による投資比率が増加しつづけた。

現在の二元上場会社の構造は1995年に形成された。

2007年7月12日、リオ・ティントはアルミニウム世界第3位のアルキャンカナダ)への381億ドル(約4兆6500億円)の友好的買収提案で合意。アルキャンは同年5月に同業大手で世界第2位のアルコア(米)から敵対的買収提案を受けて拒否していた。リオ・ティントが合意に基づくTOBでアルキャンの株式の3分の2以上を取得し、リオ・ティントの既存のアルミニウム部門(世界第7位)とアルキャンは統合して、新たなリオ・ティントのアルミニウム部門にあたる「リオ・ティント・アルキャン(本社:カナダモントリオール)」を形成し世界最大のアルミニウム生産企業(ボーキサイトおよびアルミニウム地金)となった。これは世界の鉱業金属業界における史上最大のM&Aである。

2008年にBHPビリトンがリオ・ティントに対し敵対的買収を提案したが失敗に終わった。2009年6月にはBHPビリトンとオーストラリア西部における鉄鉱石事業を統合し、合弁事業を設立する計画で合意したが、2010年10月18日に撤回に追い込まれた。いずれも両社が鉄鉱石輸出量で2位と3位を占める巨大企業であり、統合による市場支配力が強まることが予想され、反発を招いたことが理由とされる[1][2]

中国での産業スパイ容疑

2009年7月5日、リオ・ティントの社員4人が産業スパイの容疑で中国政府に身柄を拘束される事件が発生し、その後8月12日にスパイおよび贈賄の容疑で4人が正式に逮捕されたと新華社通信が報じた[3]。中国とオーストラリアの関係はこの事件によって一気に悪化し、オーストラリア政府は8月20日に駐中国大使を召還した[4]

事業概要

同グループは多種の鉱産商品を以下の部門で産出する。

鉄鉱石

リオ・ティントはハマースリー・アイアン社 (en:Hamersley Iron) を完全保有する。同社は西オーストラリア州で多くの鉄鉱山を完全に、または提携先と保有する。特記すべきは幾つかのプロジェクトでは中国の企業とも提携していることである。鉄は2003年には収入の 18%、グループ収益の 36% を占めた。同社は鉄鉱石の世界第2位の産出者である。

の部門は銅を産出するだけではなく、かなりの量のをオーストラリア・インドネシア南アフリカチリアメリカ合衆国にある同社の、幾つかは合弁の一員として産出している。銅のグループは売上の 23% (そのうち 55% が銅で残りの大部分が金)、収益の 32% を計上した。

アルミニウム

リオ・ティントはコマルコ社 (Comalco) を所有する。同社はアルミニウム鉱石であるボーキサイトクイーンズランド州のウェイパ (Weipa) で採掘し、製錬所をオーストラリアで2箇所、ニュージーランドヨーロッパで各1箇所操業する。同グループは英国ホーリーヘッドにあるアングルシー・アルミニウム (Anglesey Aluminium) 製錬所を操業する。同グループは売上の 16%、修正後収益の 14% に寄与した。2007年、カナダのアルミ大手、アルキャン(Alcan)を買収した。

ダイヤモンド

同社のダイヤモンド事業は西オーストラリア州のアーガイル (Argyle) ダイヤモンド鉱山で産出されるピンク色のダイヤモンドで最もよく知られている。同鉱山は世界のピンク・ダイヤモンドの総供給量の 90% を占め、世界の全種類の天然ダイヤモンドの約 30% を占める。同社はまた、カナダノースウェスト準州にあるダイアヴィク鉱山の 60% を所有し、管理している。

エネルギー

同社のエネルギー・グループには石炭部門があり、オーストラリア、北アメリカで操業する。論争の種になるのは、エナジー・リソーシズ・オーストラリア社 (Energy Resources Australia) で、ウランカカドゥ国立公園の付近で採掘している。同グループは売上の 20% と利益の 11% に寄与した。

工業用鉱産物

工業用鉱産物グループは滑石二酸化チタン食塩ホウ砂、他の産品を採取する。これらの操業はオーストラリア・アメリカ合衆国アフリカに散在する。同グループは売上の 15%、利益の 11% に寄与した。

テクノロジー

同社はまた、テクノロジー・グループをもち、研究開発を行っている。そのうち特記すべきものにハイスメルト (HiSmelt) 鉄分製錬プロセスと資源探査グループがある。

会社組織

経営陣

二重に上場した会社体制の下、リオ・ティント・グループの管理権限は、取締役会と執行委員会からなる1つのグループに統合された。 取締役会のメンバーには取締役と非常勤取締役があり、執行委員会は主要な事業グループの会長らで落ち着いた。[5]

子会社

リオ・ティント・グループは、全体および一部が子会社を所有した複雑な構成をしている。5つの事業グループは、それぞれの内部に上位のグループを持ち、主要な子会社が含まれる。[7]

リオ・ティント主要子会社[7]
子会社 持株 主力製品 場所
リオ・ティント・アルキャン 100% アルミニウム カナダ
テンプレート:仮リンク 100% 石炭 オーストラリア
テンプレート:仮リンク 100% 石炭 アメリカ(ワイオミング州
テンプレート:仮リンク 100% ウラン カナダ(アサバスカ盆地サスカチュワン州
テンプレート:仮リンク 100% タルク オーストラリア(西オーストラリア州
テンプレート:仮リンク(ピルバラ・アイアン) 100% 鉄鉱石 オーストラリア(西オーストラリア州)
テンプレート:仮リンク 100% ダイヤモンド オーストラリア(西オーストラリア州)
テンプレート:仮リンク 100% 土地と水の権利 アメリカ(ユタ州
テンプレート:仮リンク 100% アルミニウム製錬 オーストラリア(タスマニア
テンプレート:仮リンク 100% ホウ酸塩 アメリカ(カリフォルニアコロラド
テンプレート:仮リンク 100% 鉄鉱石 ブラジル
テンプレート:仮リンク 100% アメリカ(ユタ州)
テンプレート:仮リンク 100% タルク フランス(トゥールーズ
テンプレート:仮リンク 100% 酸化チタン カナダ(ケベック
テンプレート:仮リンク 80% オーストラリア(ニューサウスウェールズ
テンプレート:仮リンク 80% 酸化チタン マダガスカル
テンプレート:仮リンク 78% ダイヤモンド ジンバブエ
テンプレート:仮リンク 75% 石炭 オーストラリア(ニューサウスウェールズ)
テンプレート:仮リンク 69% ウラン ナミビア
テンプレート:仮リンク 68% ウラン オーストラリア(ノーザンテリトリー
テンプレート:仮リンク 65% 石膏 オーストラリア(西オーストラリア州)
ダイアヴィック・ダイアモンド・マイン 60% ダイヤモンド カナダ
テンプレート:仮リンク 60% 鉄製錬 オーストラリア(西オーストラリア州)
テンプレート:仮リンク 59% 鉄鉱石 カナダ
テンプレート:仮リンク 58% 南アフリカ
テンプレート:仮リンク [8] 55% アメリカ(アリゾナ
テンプレート:仮リンク[9] 53.6% パプアニューギニア
テンプレート:仮リンク 53% 鉄鉱石 オーストラリア(西オーストラリア州)
テンプレート:仮リンク 51% アルミニウム製錬 イギリス(ウェールズ
テンプレート:仮リンク 50.35% 鉄鉱石 ギニア(西アフリカ)
テンプレート:仮リンク 50% 酸化チタン 南アフリカ
テンプレート:仮リンク 40% インドネシア(パプア州
テンプレート:仮リンク 30% チリ

批判

環境グループや労働組合から多数の環境政治労働安全・労働者の権利に関する疑義が提出されている。特にオーストラリアの建設・林業・鉱業・エネルギー労働組合 (CFMEU) からである。同組合はジョン・ハワード政権の1996年職場関係法の導入後同社が職場から組合を排除しようとする試みに反対する運動に成功した。

関連項目

脚注

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外部リンク

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