メバル

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「眼張」の名の由来となった大きな眼

メバル(眼張、眼張魚、鮴、学名Sebastes inermis, Sebastes cheni, Sebastes ventricosus の3種)は、条鰭綱- カサゴ目- フサカサゴ科 (en) (あるいはメバル科)のメバル属に分類される海棲硬骨魚のうち、人為分類によって日本で古来「メバル」と呼ばれてきた3の総称(2008年以前にはメバル属中の1種と見なされていた)。[1]日本北海道から九州にかけての沿岸の岩礁域に多く棲息する。

日本語では春告げ魚(はるつげうお)との雅称でも呼ばれる。

生物的特徴

分類

2008年8月に日本魚類学会の英文機関誌 "Ichthyological Research" で、これまで同じ種とされてきた「メバル」は、DNA解析によると3種に分類できることが発表された。これに伴い、本項は日本語で「メバル」と総称される人為分類群を扱うものとなっている。元の学名 Sebastes inermis を踏襲したのは「アカメバル」であり、他の2種「シロメバル」と「クロメバル」は近縁の異種である。

表記内容は左から順に、標準和名とそれに対応する漢字表記、学名

:釣魚としての日本語俗称は「青(あお)」「青地(あおじ)」。
:釣魚としての日本語俗称は「赤(あか)」「金(きん)」、および、「沖メバル(おきメバル)」。
釣魚としての日本語俗称(呼び分け)は「黒(くろ)」。

形態・生態

全長は30cmから20cmほど。体はカサゴよりも幅が薄く、体高が高い。全身は黒褐色で、数本のぼんやりとした黒い横縞がある。が大きく、「メバル」という和名も大きく張り出した眼に由来する(■右の画像を参照のこと)。

日本北海道南部から九州朝鮮半島南部に到る海域に分布し、海岸近くの海藻が多い岩礁域に群れをなして棲息する。カサゴのように底にとどまらず、岩礁付近を群れて泳ぎ回るが、垂直に切り立った岩場に沿ってホバーリングするように立ち泳ぎすることもある。岩礁の間から温泉が湧き出ている海域では、温泉の上に集まって立ち泳ぎする姿も見られる。食性肉食で、貝類多毛類、小型の甲殻類、小魚などを捕食する。

カサゴと同じく卵胎生で、冬に交尾したメスは体内で卵を受精・発生させ、交尾の1ヶ月後くらいに数千匹の稚魚を産む。稚魚は成長するまで海藻の間などに大群を作って生活する。

人間との関わり

捕獲方法

旬はからで、船、防波堤での釣り漁などで漁獲される。磯、防波堤で釣れるのは黒メバル、水深のある沖合いの船から釣れるのは赤メバル沖メバルとも称)と呼ばれる。保護色による違いと考えられていたが、上述のように別種である。

動くものに襲いかかる習性があるため、釣り餌として、生きたスジエビなどがよく使われる。ルアー擬似餌でも釣ることができる。 他に7センチ前後のイワシサッパカタクチイワシイカナゴドジョウなどの小魚活き餌を使っての泳がせ釣りゴカイなどの生き餌にしたウキ釣り (float fishing) が知られる。

生き餌を使っての釣りの方が匂いや餌の活きがよいため釣果が期待できるが、難点はゴカイ等を餌にした場合にメバル以外の魚種が釣れやすい。

群れで行動する習性があるため、いったん釣れ始めると同じ場所で続けて釣れることが多い。このため、道糸に、多数のをつけた胴つき仕掛けがよく用いられる。

また、カサゴとは異なり、視力がよいため、細いハリスが用いられる。オニオコゼのような強いこそ無いが、東北地方では毒魚として知られ、不用意に握ると刺された部位はわずかに腫れる。鰓蓋(さいがい、えらぶた)や背鰭(せびれ)の(とげ)が鋭いため、扱う際は手袋タオルなどの使用が薦められる。なお、瀬戸内海東京湾では一般に棘に毒は無いとされている。

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食用

脂肪が少なく淡白な白身魚である。内臓を除いただけのものを味噌汁煮付けなどにし、熱いうちに食べると美味。ただし、料亭などでは内臓にこそ旨味があるとしてこれを活かした調理法を執る[2]。その他の料理法として、塩焼き唐揚げ刺身などがある。 台湾においても、「平鮋」と称して蒸し魚などにされる。

近縁種

  • タケノコメバル Sebastes oblongus Günther,1877
  • ウスメバル Sebastes thompsoni Jordan and Hubbs, 1925
  • トゴットメバル Sebastes joyneri Günther 1878
  • キツネメバル Sebastes vulpes Doderlein,1884

脚注

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関連項目

  • テンプレート:FishBase family
  • 食彩の王国テレビ朝日、2010年4月4日放映回「メバル」より。