メガテリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:生物分類表

メガテリウム (Megatherium ) は、新生代第四紀更新世(164万~1万年前)ごろ、南アメリカ大陸に生息していた巨大なナマケモノの近縁である。和名は大懶獣(だいらんじゅう、だいらいじゅう)またはオオナマケモノ

形態

ファイル:Megatherum DB.jpg
メガテリウム復元想像図

地上性のナマケモノとしては最大級であり、成長すると全長6~8m、体重3tにもなった。この巨体、特に過大な体重のため木に登る事はせず、現生するナマケモノと異なり地上性であった。四肢に長い鉤爪があり、尾は太く長い。二本足で立ち上がって巨木の枝を鉤爪の付いた強い前足で引き寄せ、長い舌で葉をしごいて食べていたと考えられる。草原に出て、鉤爪で土を掘って根茎を食べていた可能性もある。細長い吻部には門歯は無く、貧弱な臼歯がわずかに残るだけであった。しかし咬筋は強力であり、この歯で葉や根茎をすり潰していた。かれらが好んで食べたのは、かつての生息域に多くみられるケヤキに似たヤマゴボウ科の植物の一種であった。

近縁属

北アメリカ大陸にも、同科でほぼ同じ大きさのエレモテリウムがいた。共に絶滅した種であり現存しないが、アメリカに進出した人類と遭遇し、狩猟の対象になっていた。

絶滅

鮮新世末に南北アメリカがパナマ地峡でつながり、ジャガーの祖先や剣歯虎スミロドンなどの仲間がアメリカ大陸間大交差で南アメリカに進出し、メガテリウムの幼獣も捕食したが、なお繁栄を続け、更新世末に絶滅した。絶滅の原因はこの頃、南北アメリカに広がった人類による部分が大きいとされるが、はっきりしていない。

関連する記事