ポンプ座
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テンプレート:Infobox Constellation ポンプ座 (Antlia) は、南天の星座の1つ。フランスの天文学者ニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって1756年に設定された[1]。
他の新しい星座がそうであるように、明るい星がなく目立たない。
主な天体
恒星
テンプレート:See also ポンプ座には明るい星がない。この星座で最も明るい星は4等星。
- α星:ポンプ座で最も明るい恒星だが、視等級は4.25等である。スペクトル型はK4III。
星団・星雲・銀河
由来と歴史
1756年にラカーユは、南天の星座のない領域を埋めるために13(らしんばん座を含めると14)の星座を設定した。そのうちの1つがこのポンプ座である。ラカーユの南天天球図[2]には、フランスの発明家ドニ・パパンが1670年代前半に使用した単気筒式の旧式ポンプが描かれている[3]。なお、図示されたポンプは、水を汲み上げる実用式のポンプではなく、科学実験において真空状態を作り出すための真空ポンプである。そのため英語名を the Air Pump ともいい[4][5]、日本でも排気器座と呼ばれたこともあった[6]。
なお、この星座の由来について、アイルランドの物理学者ロバート・ボイルが、ドイツの物理学者オットー・フォン・ゲーリケが考案した真空ポンプを改良した記念として設定されたとする説明が流布したこともあった[7]。ドイツの天文学者ヨハン・ボーデの星図『ウラノグラフィア』には、パパンがパリからロンドンに渡ってボイルと共同で改良した二気筒式の真空ポンプが描かれている[8]。
出典
テンプレート:星座- ↑ de Lacaille, N. L., "Table des Ascensions Droites et des Déclinaisions Apparentes.". Mémoires de l'Académie Royale des Sciences pour 1752, 1756.
- ↑ 恒星社『フラムスチード天球図譜』(新装版)恒星社厚生閣、1980年、図29。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ Allen, R. H., Star Names: Their Lore and Meaning, (rep.) New York, Dover Publications, 1963, p.42.
- ↑ Ridpath, I., Star Tales, Cambridge, Lutterworth Press, 1988, p.23.
- ↑ 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』恒星社厚生閣、1975年、88頁。
- ↑ 原恵『星座の神話』89頁。
- ↑ テンプレート:Cite web