ポトシ
テンプレート:世界の市 ポトシ(テンプレート:Lang-es"シ"にアクセント)は、ボリビアの南部にある都市。ポトシ県の行政府所在地。ボリビアの首都ラパスから南東に約 440 km に位置する。アンデス山脈中の盆地にあり、標高約 4,000 m。人が住む都市としては、世界最高地点である。乾燥気候であるために植生には乏しい。
インディオの特徴を強く持つ人が多く、チョリータが多い。ケチュア語を話す人が多いが、スペイン語を全く解さない人は近年だいぶ少なくなってきた。
スペイン以前の状況は不詳であるが、町は1546年に鉱山町として設立された。人口も一時は20万人を数えた。労働力としてアフリカ人奴隷も連れてこられている。スペイン統治時代に金・銀を多く産出する鉱山が開発され、45,000 t の銀などを産出したが[1]、19世紀にはすっかり枯渇してしまった。銀の枯渇に加え、19世紀初頭の独立に伴う戦乱で、荒廃が進んだ。その後、19世紀末からは錫(すず)が大量に採掘されるようになり鉱山の活気も復活したが[2]、現在では錫もほぼ枯渇している。しかし、現在も主に手掘りで作業を続けている坑夫がいる。
1987年、テンプレート:仮リンク銀山を含め、他の構造物とともに世界遺産に登録される。奴隷制度の象徴として、負の世界遺産にも数えられている。
観光
市内観光の目玉は、この鉱山の中に入るツアー。市内のホテルなどでツアーを申し込むと、スペイン語または英語のガイドが実際の坑道内を案内してくれる。鉱山に行く途中の雑貨屋で売っているダイナマイトを買って、発破の様子を見せてくれることもある。
旧貨幣製造所 (Casa de la Moneda) は、博物館となっている。銀貨などをどのように作っていたか、スペインの統治はどのようなものであったかなどが解説されている。
町へのアクセスとしては、長距離バスのほか、町の北東に空港を有している。
セロ・リコ銀山
1545年、スペイン人により発見された銀山。テンプレート:仮リンク (Cerro Rico) とはスペイン語で豊かな丘という意味である。以後、スペイン統治下で中南米三大銀山に数えられるまでになる。しかし銀の掘削は、生き残った場合は高額の賃金が支払われるものの、強制的に集められたインディオの奴隷により行われた。一説には、800万人が犠牲になったといわれ、人を食う山として恐れられた。
ティオ
スペイン語で「ティオ (tio)」とは「伯父(叔父)」を指す一般的な単語であるが、ポトシの鉱山でティオというと坑内の安全を守る神様のことを指す。
ポトシの鉱山では、坑内の休息所にはたいてい等身大に近い男性の胸像または立像が飾られている。やせ形で赤ら顔でひげを生やしており、しばしば角が生えている。これは、スペイン人を鬼に見立てて作られたものだという説がある。 このティオにたばこをくわえさせ酒を捧げることによりご機嫌を取り、坑内の安全を祈願するのである。鉱夫たちは朝、採掘場所に行く途中でティオに挨拶をし、夕方ティオにお礼を言って帰る。彼らはこの間、昼食もとらずにコカの葉を口いっぱいに入れて疲労と空腹を押さえながら作業を続ける。 しかしティオは鉱物を一時的にしか供給しない。それは鉱夫を再び鉱山に呼び寄せ労働に従事せしめるものである。これがティオの悪魔性との所以とも言えるが、ラテンアメリカにおいて神性の両義性は目新しいものではない。 テンプレート:- テンプレート:Wide image
世界遺産
登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。テンプレート:世界遺産基準/coreテンプレート:世界遺産基準/coreテンプレート:世界遺産基準/core
2014年、危機遺産リストに登録された。
脚注
外部リンク
- 在ボリビア日本大使館
- The Devil's Miner(ポトシの鉱山で働く少年のドキュメンタリー映画)