ペルシア湾
ペルシア湾(ペルシアわん、ペルシア語:خلیج فارس khalij-e fārs خلیج پارس Khalij-e Pars)は、ペルシャ湾とも呼び、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンに囲まれた細長い形状の湾。
概要
面積はおよそ240,000平方キロメートルで、長さ約1千キロメートル。平均水深50メートル、最大90メートル。ホルムズ海峡を通じ、オマーン湾そしてアラビア海へと繋がっている。20世紀初頭までは、真珠採集などが盛んであった。20世紀前半にこの地域で石油が発見され、さらに大量産出地でもあることも判明した。20世紀後半には、油田開発が活発に行われ、湾内には多くの油井が存在する。油田地帯であり、また、石油輸送のための重要な水路であるため、戦略的重要性から国際政治の係争地となりやすい。湾岸戦争の湾とは、このペルシア湾をさす。
流入する大河は、湾最奥部のイラン・イラク国境を流れるシャットルアラブ川(チグリス川・ユーフラテス川)のみ。
名称
国際的にはペルシア湾(英語:Persian Gulf)が正式名称として認知されている[1]。
「ペルシア湾」という名称は古代ギリシャにおいて用いられていた。その後イスラム圏、ヨーロッパを経て世界中に広まり、現在ではほとんどの言語でこの名称またはその訳語が使われている。
トルコでは、ペルシア湾への港町バスラにちなんで「バスラ湾」と呼ばれている。
国際水路機関発行の「大洋と海の境界(第三版)」[2]では、Gulf of Iran (Persian Gulf)としている。
アラブ諸国では、1960年代以降この湾を「アラビア湾」と呼んでいるが、国際的に存在しない言葉である。 湾岸周辺居住者はアラブ系住民が多いとしてこれを国際名称にしようとしている(ペルシア湾呼称問題)。
単に「湾」「湾岸」「ガルフ」(英語:Gulf)と呼ぶ場合もある。これは、「ペルシア湾」と誤っている「アラビア湾」の対立を避けるためである。