ベビーブーム

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ベビーブーム(英語:baby boom)とは、主に特定の地域で一時的に新生児誕生率が急上昇する現象である。狭義では、第二次世界大戦後に起こった人口急増現象を指し、人口動態学による社会現象分析やマーケティングに活用される場合が多い。

第二次世界大戦終結後のベビーブーム

第二次世界大戦太平洋戦争を含む)が終わると、戦争から兵士が帰還した際や、戦争の終結に安堵した人々が子供をつくったため、前後の世代に比べて極端に人口比が高い現象が世界的に見られた。この時期に結婚・出産した世代は概ね1910年代末期-1920年代初期に生まれた世代と見られており、おおむね1946年から1952年頃の間に、北米、欧州、オセアニア、日本など世界各国で同種の現象が起きた。ただし、国や地域によって時期については前後することがある。

各国のベビーブーム

日本

ファイル:日本 出生数と合計特殊出生率の推移.jpg
日本の出生数と合計特殊出生率の推移
第一次ベビーブーム

日本では1947年から1949年にベビーブームが起きた[1]。この3年間は出生数が250万人を超えており、合計すると約800万人程度の出生数となる。1949年の出生数269万6638人は戦後の統計において過去最多であり、この出生数は2007年の出生数106万2604人の約2.5倍である[2][3]。なお、この期間に生まれた世代は団塊の世代と呼ばれる。

第二次ベビーブーム

1971年から1974年までの出生数200万人を超える時期を指すことが多く、1973年の出生数が209万1983人[4]となりピークとなった。ただし、この出生数の増加は第一次ベビーブームと違い、合計特殊出生率の増加が伴われない出生数の増加である。なお、この期間に生まれた世代は団塊ジュニアと呼ばれることが多い[5]

しかし、日本においては、第二次ベビーブーム以降少子化の一途をたどり、2014年現在第三次ベビーブームは起こっていない。詳しくは団塊ジュニア#消えた第三次ベビーブーム少子化#日本などを参照のこと。

アメリカ

ファイル:US Birth Rates.svg
アメリカの出生率の推移 (1000人あたりの出生率).[6] 赤線で示してある1946年から1964年までの期間がベビーブームの期間である[7]
第一次世界大戦後のベビーブーム

1918年から1929年にかけてベビーブームが発生した。

第二次世界大戦後のベビーブーム

1946年から1964年の18年間(アメリカ合衆国国勢調査局)、または第二次大戦終結後からケネディ政権発足前までの1946年から1959年ごろにベビーブームが発生した。この時期に生まれたアメリカ人は約7820万人とされる。この世代が成長するにつれてアメリカ社会に及ぼした影響が多く、ベトナム反戦ヒッピー文化、ウーマンリブロックの興隆、そして現在はその世代の高齢化へと社会現象が移行しつつある。なおこの時期に生まれた世代をベビーブーマー (baby boomer) と呼ぶ。特に、1955年までに生まれた前期ベビーブーマー世代を「Baby Boomer cohort #1」、その後の後期ベビーブーマー世代を「Baby Boomer cohort #2」またはジェネレーション・ジョーンズと呼ぶこともある。

エコー・ベビーブーム

おおよそ1980年代から1990年代に再びベビーブームが発生した。この時期に生まれた世代を第二次ベビーブーム世代(エコー・ベビーブーマー Echo baby boomers 、あるいは単にエコーブーマー echo boomers[8]ジェネレーションYミレニアルジェネレーション(ミレニアルズ)などと呼ぶことがある。詳細については「en:Generation Y」も参照のこと。

脚注

  1. テンプレート:Cite web
  2. 『青少年白書』平成18年版 内閣府
  3. なお、1949年の出生数には本土復帰前の沖縄県での出生数は含まれず、2007年には出生率が高い同県が含まれていることから、実際の開きはさらに大きい。
  4. 総務省『青少年白書』平成18年版
  5. ただし、団塊ジュニアという言葉には議論がある。団塊ジュニア#真性団塊ジュニアを参照。
  6. Vital Statistics of the United States: 1980-2003 Table 1-1 "Live births, birth rates, and fertility rates, by race: United States, 1909-2003."CDC
  7. U.S. Census Bureau — Oldest Boomers Turn 60 (2006)
  8. テンプレート:Cite web

関連項目