ブラック・ピーター
テンプレート:Portal テンプレート:Infobox 「ブラック・ピーター」("テンプレート:En")は、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち30番目に発表された作品である。イギリスの『ストランド・マガジン』1904年3月号、アメリカの『コリアーズ・ウィークリー』1904年2月27日号に発表。1905年発行の第3短編集『シャーロック・ホームズの帰還』(The Return of Sherlock Holmes) に収録された[1]。
あらすじ
1895年7月、「ブラック・ピーター」ことピーター・ケアリー船長が、銛で一突きにされて殺されたのが自室で発見された。現場にはケアリー船長と同じ「P.C.」のイニシャルの入ったたばこ入れと、株券のリストが書かれ、「J.H.N.」のイニシャルが入った手帳が残されていた。
捜査に当たったホプキンズ警部がシャーロック・ホームズに助力を依頼するが、ホームズは肉屋の奥で豚肉に銛を突き刺す実験をするなど、奇妙な行動に出る。
ホームズとワトスン、そしてホプキンズ警部は凶行のあった現場に向かうが、小屋の入口の鍵が何者かによってこじ開けられようとしていたことに気づく。その何者かは鍵をこじ開けることに失敗したので、今晩また来るだろうと推理し、ホームズたちは小屋を張り込む。その晩、一人の痩せた弱々しい青年が小屋の鍵をこじ開けて入ってくる。ホプキンズ警部がその男を捕まえると、彼はジョン・ホプリー・ネリガン(J. H. N.)といい、父が持っていた株券がなぜかケアリー船長の手元にあったことで、ケアリー船長から証言を得ようとしていたという。
ホプキンズ警部はネリガンをケアリー船長殺人の罪で逮捕するが、ホームズは彼のような痩せた青年が船長を銛で突き殺すことなど本質的にありえないという。真犯人は別にいるというのだ。
脚注
- ↑ ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、111頁