ファミリージョッキー

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ファミリージョッキー』は、1987年4月24日ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)から発売された日本ゲームソフトおよび関連作品の総称。

概要

ナムコが手がけた『ファミリーシリーズ』の1つとしてファミリーコンピュータ版で発売された、競馬を題材としたレースゲーム。プレイヤーが騎手となってレースを勝ち上がる「ONLY RACE」(オンリーレース)と、オンリーレースに競馬予想の要素が加わった「FAMILY GAME」(ファミリーゲーム)の2種類がある。

後に、独自要素を追加してゲームボーイPCエンジンで製作を展開し、2003年には携帯電話用アプリゲームとしてもリリースされ、2008年にはWii版が発売された。

ファミリーコンピュータ版

オンリーレース

2人まで参加可能。

モード開始時に16頭の競走馬のうち1頭をお手馬として選択し、天皇賞走破を目標として全16戦のレースを勝ち上がる。2人同時プレイ時の同馬選択は不可。全レース6頭立てで行われ、4着以内であれば入賞と見なされて次レースへ出場可能。ただし、3着以内の入賞によって得られる獲得賞金による昇級制度(新馬、一般→GIII→GII→GI)があるため、16戦のうちにGIレースおよび天皇賞へ出場するには早急な昇級が求められる。

出場レースで5着以下になるか、障害レース中の障害物で転倒し画面外に出てしまう(リタイア=その時点で最下位扱いとなる)とゲームオーバーとなり、無事に全16戦を終えるとエンディング画面が表示され、ゲーム終了となる。どちらの場合でも、ゲーム終了時点での賞金総額、総合戦績が表示され、GIレース優勝の場合は各レースの優勝カップが表示される。

お手馬

モード開始時にプレイヤーが選択する16頭の規定競走馬で、それぞれにスピード、スタミナ、ガッツ、ジャンプ、ターボ、タイプの6種類の能力が0からAの10段階数値で設定されている。1人でプレイした場合、プレイヤーがお手馬に選択した1頭を除く15頭にCPU専用の48頭を含めた63頭が出場し、ランダム抽選とその後の勝敗によって各レースの出場馬5頭が選出される。CPUが操作する63頭については、登場時の階級に見合った能力が割り振られる。

以下16頭の名前の横にある数字はプレイヤー選択時のものであり、左からスピード、スタミナ、ガッツ、ジャンプ、ターボ、タイプの初期数値である。

  • カモノネギ(1・1・1・2・2・8)
  • パフォーマンス(1・2・3・4・3・2)
  • キングコング(0・3・1・4・2・4)
  • イーグルゴー(2・3・2・2・0・3)
  • ハイテック(3・4・0・0・0・6)
  • リキパワー(1・3・3・3・0・3)
  • プリンスメロン(1・4・3・0・0・4)
  • エクスプレス(4・0・0・1・2・9)
  • ディスコボーイ(2・2・2・2・2・5)
  • サクラタイガー(2・3・1・1・1・7)
  • テンカウント(3・2・2・3・0・2)
  • ブルーグラス(2・1・2・1・4・6)
  • ミスターダービー(1・0・1・3・4・5)
  • モモタロー(3・1・0・1・3・5)
  • インターラプター(4・1・3・0・0・8)
  • アイアンホース(0・4・4・0・1・7)

マーク

レース中に出現するパネル状のアイテム。タイプを除く5種類についてはGIIレースまでに出現する各種マークの取得によって強化が可能で、能力の数値を上げるものと走行中のスタミナに関わるものの2種類に大別される。GIIIまでは能力関連のみ、GIIでは能力と回復、GIでは回復関連のみが出現する。また、タイプをアップさせるマークは無い。

  • スピード
SPマークの取得でスピード上限が1つ上昇する。能力が高いほど最高速度が高くなる。
  • スタミナ
STマークの取得で走行スタミナ上限が1つ上昇する。能力が高いほど走行中のスタミナの減少を抑えられる。
  • ガッツ
Gマークの取得で衝突スタミナ上限が1つ上昇する。能力が高いほどタックルなどによるスタミナの減少を抑えられる。
  • ジャンプ
Jマークの取得でジャンプ上限が1つ上昇する。能力が高いほど跳躍力が高くなる。
  • ターボ
Tマークの取得でスピードアップ上限が1つ上昇する。能力が高いほどを入れる回数が少なくても最高速度を出しやすくなる。
  • タイプ
お手馬の馬場抵抗上限。能力が高いほど雨天やダートなど悪条件下でのレース時の能力下降を抑えられる。
(レース中にこのマークは出現しない)
走行中のスタミナが一定値回復する。
走行中のスタミナが一定値減少する。

馬場

レース開始時に馬場の状態などを表すアナウンスが行われ、レース直前の画面では着順予想が表示される。レース場固有の馬場や障害、流動的な天候の2種類に大別される。各レース場には現時点での最速記録であるタイムレコードが設定されており、これを更新すると獲得賞金とは別にボーナスが支給される。

  • 天候
晴天と雨天があり、レース場に関わらずランダムで決定される。雨天の場合は重馬場となるため、タイプの数値が低い競走馬は能力やスタミナに影響を受けやすい。
  • 距離
各レースで走行する距離。最短距離は新馬戦の芝1200m、最長距離はGI有馬記念の芝4400m。
  • 馬場
芝とダートがあり、ダートは最初から重馬場であるため、タイプの数値が低い競走馬は能力やスタミナに影響を受けやすい。これに雨天が重なった場合、GII第6戦のビーフステークスは作品中で最も過酷なレースとなる。
  • 障害
交互に並ぶ柵と横一列に並ぶ大障害があり、これに足を取られると大幅にスタミナを失う。

枠順

  • 1枠:赤
  • 2枠:青
  • 3枠:黒
  • 4枠:青
  • 5枠:白
  • 6枠:黄

レース一覧

新馬、一般
  • 新馬戦(芝1200m)
  • 未勝利戦(ダート1600m、新馬戦後に賞金総額200万以下で出場)
  • 500万下条件(芝1200m障害、新馬戦および未勝利戦後に賞金総額300万以上500万以下で出場)
  • 1000万下条件(ダート1600m障害、賞金総額500万以上1000万以下で出場)
  • 2000万下条件(芝1600m障害、賞金総額1000万以上2000万以下で出場)
GIII

賞金総額2000万以上で出場。ポークステークス終了時にGII未昇格の場合は、再びリュウヘイキネンから始まる。

  • リュウヘイキネン(芝2000m)
  • オーミステークス(ダート2000m障害)
  • ミズホショウ(芝2000m障害)
  • サボテンステークス(芝2000m障害)
  • グレートスプリント(ダート2400m障害)
  • イーナシーカップ(芝2000m障害)
  • ネギマキネン(芝2400m)
  • ポークステークス(ダート2000m障害)
GII

賞金総額8500万以上で出場。サクラフブキショウ終了時にGI未昇格の場合は、再びナムコカップから始まる。

  • ナムコカップ(芝2400m)
  • レコードカンショウ(芝2400m障害)
  • コータローキネン(ダート2800m障害)
  • サクラダモンショウ(芝3200m障害)
  • カントリーカップ(芝3200m障害)
  • ビーフステークス(ダート3200m障害)
  • ヤヨイショウ(芝3200m障害)
  • サクラフブキショウ(芝2800m障害)
GI

賞金総額3億5000万で出場。天皇賞の出場には早急にGIへ昇格し、さらに5つのGIレースで入賞しなければならない最高難易度を誇る。

ファミリゲーム

レースは2人まで、競馬予想は4人まで参加可能。

ゲーム内容はオンリーレースと同一だが、各レース開始前に競馬予想が加わっており、トーサン、カーサン、ヤヨイ、ユウタの4人のキャラクターが持つ所持金10000円で馬券を買い、馬券を的中させて所持金を増やしながらレースを進める。全16レースをクリアすると、所持金をより多く増やしたキャラクターから順位が表示される。

所持金が0になったキャラクターは以降のレースで予想に参加できなくなるが、ゲームの進行には影響しない。全員の所持金が0になったレース以降は競馬予想自体が無くなり、オンリーレースと同内容となる。一方で、オンリーレースと同様に、プレイヤーの操作する馬が5着以下となった場合は、競馬予想の結果に関わらずゲームオーバーとなる。

購入可能な馬券は各自3枚までで、馬券の種類は馬連(1着と2着を順不同で的中させる)のみである。

ゲームボーイ版

1991年3月29日に一部の内容を変更して移植された『ファミリージョッキー』、1993年8月27日に続編の『ファミリージョッキー2 名馬の血統』が発売された。通信ケーブルを使用した対戦機能の他に、バーコードボーイ対応ソフトである『名馬の血統』では読み取ったバーコードを数値化してゲーム内部のデータに置き換え、競走馬や繁殖馬を追加する要素が加わった。

PCエンジン版

1991年9月20日に『ワールドジョッキー』(『ファミリーシリーズ』のリメイク版としてPCエンジンやアーケードゲームで展開していた『ワールドシリーズ』に倣って改称)が発売された。PCエンジンの描画能力や搭載音源によってグラフィックやサウンドが格段に向上し、マルチタップを使用した4人同時対戦の要素が加わった。

Wii版

2008年3月6日にバンダイナムコゲームズのナムコレーベルより発売された。Wiiリモコン+ヌンチャクに対応。

本作は「スポーツわいわい」(『ファミリートレーナー』と『プロ野球ファミリースタジアム』(いずれもWii版)、『ファミリースキー』)の一つである。

外部リンク

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