ピラーニャ
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モワク ピラーニャ(Mowag Piranha)は、1970年代にスイス・モワク社で開発された装輪式装甲兵員輸送車。
現在の軍用装輪式装甲車の隆盛のはしりとなった車輌であり、採用国はアメリカ、カナダなどの西側先進諸国と開発途上国で次第に増え続け、ライセンス生産車を含めて、数多くの派生型・発達型が開発・生産されている。
車体は全て防弾鋼板の溶接構造で、前部左側が操縦室、その右側が機関室、中央部が兵装/砲塔部、後部が兵員室となっている。
バリエーション
- ピラーニャ I
- 初期型のシリーズで、現在ピラーニャ Iと呼ばれ、4×4、6×6、8×8の3タイプが作られた。
- 基本型の装甲兵員輸送車タイプは、4×4型が全備状態で7.8トン、乗員数は最大10名、6×6型は10.5トンで乗員が最大14名、8×8型が12.3トンで乗員最大15名とされていた。また、ジェネラル・ダイナミクス社の子会社GDLSがライセンスを取得し、アメリカ海兵隊向けにLAV-25、オーストラリア陸軍向けにASLAVが製造されている。
- ピラーニャ II
- 1990年代になって、機動力と装甲防御力を向上させたピラーニャ IIが開発・製造された。シリーズ中では最大の10×10型も新たに作られた。
- ピラーニャ III
- 1996年に搭載量、機動性と装甲防御力を更に向上させたピラーニャ IIIが開発・製造された。装甲防御力は、専用に開発された追加装甲パッケージを装着することで向上された。ピラーニャ IIIを基にGDLSがストライカー装甲車を開発した。
- ピラーニャ IV
- 最新型。モジュール装甲を採用しエッジの丸まった車体形状が特徴。2007年に開発終了し、各国への売り込みが行われている。
- ピラーニャ V
- ピラーニャ IVをベースに、イギリス陸軍の次期主力装輪装甲車として開発中。
派生型
- ピラーニャ I
- ピラーニャ II
- バイソン(Bison)
- デザート ピラーニャ(Desert Piranha)
- LAV II
- ピラーニャIII
- LAV III
- ストライカー装甲車(アメリカ陸軍仕様)
- NZLAV(ニュージーランド陸軍仕様)
- ピラーニャ IIIC
- ピラーニャ IIIH
採用国
スペック
- 全長:6.25m(6×6)、6.93m(8×8)、7.45m(10×10)
- 全幅:2.66m
- 全高:2.17m
- 全備重量:12.5トン(6×6)、16.5トン(8×8)、20トン(10×10)
- 乗員:14名(6×6)、16名(8×8)、18名(10×10)
- エンジン
- デトロイトディーゼル 6V-53TA
- MTU 6V-183-TE22
- カミンズ 6CTAA8.3-T350
- カタピラ 3126より選択
- 最大速度:100km/h(浮航 10km/h)
- 航続距離:800km