ヒャッポダ
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ヒャッポダ(百歩蛇、Deinagkistrodon acutus)は、クサリヘビ科に分類されるヘビ。本種のみでヒャッポダ属を形成する。特定動物。
噛まれたら百歩歩くうちに死ぬとされ、台湾では百歩蛇と呼ばれている。日本名、英名もこれに準ずる。中国では五歩蛇と呼ばれることもある。 また、頭部の形状から尖吻蝮とも呼ばれる。
分布
形態
全長80-120cm。ニホンマムシと同じく、全長に比して胴が太く体形は太短い。体色は濃褐色で、暗褐色の三角形に縁取られた明色の斑紋が入る。この斑紋は落ち葉の中では保護色になる。鱗には隆起(キール)が入る。
頭部は三角形で吻端は尖り、上方に反り返っている。目は金色で細い縦長の瞳を持つ。
毒
毒自体の強さは高くないが、毒の量が多く危険。
生態
繁殖形態は卵生で、1回に20-30個の卵を産む。
数が少なく、蛇取りもなかなかお目に掛かることがないため、幻の蛇と呼ばれている。
人間との関係
中国の広東料理では、五蛇のひとつに数えて、蛇スープの食材としている。また、肝酒や蛇酒にも利用されている。台湾では漢方薬の材料として高価で取引される。台湾原住民のパイワン族は貴族の先祖として崇拝されていてそれを殺傷するのはタブーだとされている。