バール (単位)
テンプレート:Infobox バール(テンプレート:Lang-en-short)は、メートル法の圧力の単位の1つである。テンプレート:1e Pa に等しい。単位記号は bar。
その名は、ギリシャ語で重さを意味する báros に由来する。同じ語源の単位にCGS単位系の圧力の単位バリ (テンプレート:Fr) があり、かつてはそれをバールと呼ぶこともあった[1]。
1/1000 bar であるミリバール (mbar) がかつて気象分野でよく使われた。ミリバールの単位記号は mb とすることもあったが、バール単独、あるいは他の派生単位中のバールを b とすることはあまりなかった。なお b は本来は、バリ (テンプレート:Fr) の記号である。
定義と大きさ
1バールは、106ダイン (dyn)(1メガダイン)の力が 1平方センチメートル(cm2) の面積に作用する時の圧力と定義されている。
これはCGS単位で表すと 1 b = 106 dyn/cm2、MKS単位 (SI) で表すと 1 b = 105Pa = 105 N/m2 である。
1バールは 1 atm(1気圧)に値が近く、厳密に 1atm = 1.01325 bar = 1013.25 mbar である。1.325%の差があるが、気圧計の測定精度を考えると、実用上は同じとみなせる。
1気圧にほぼ等しい単位として定められたため、CGS単位系でもMKS単位系でも基本単位だけから組み立てることはできず、10の冪の係数が付く。
歴史
1911年、気象学者V・ビヤークネスが提唱し、1914年から気象通報に使われ始めた[1]。
日本では古くは水銀柱ミリメートル (mmHg) が使われていたが、1945年からミリバール (mbar) に切り替わった。
日本では計量法の規定により1992年12月から国際単位系 (SI) に切り替わる必要が出たため、ヘクトパスカル (hPa) に切り替わった。1 bar = テンプレート:1e Pa なので、1 mbar = テンプレート:1e- bar = テンプレート:1e- × テンプレート:1e Pa = テンプレート:1e Pa = 1 hPa となり、ヘクトパスカルはミリバールに等しい。そのため、ミリバールからヘクトパスカルへの移行は、単位の置き換えだけでよく数値はそのまま使える。
派生単位
倍量単位としてはメガバール Mbar、キロバール kbar が、分量単位としてはミリバール mbarがよく使われた。
絶対圧であることを明示した bara、ゲージ圧であることを明示した barg も使われた。
脚注
関連項目
外部リンク
パスカル(SI単位) | バール | 工学気圧 | 気圧 | トル | psi | |
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1 Pa | ≡ 1 N/m² | = 10-5 bar | ≈ 10.2×10-6 at | ≈ 9.87×10-6 atm | ≈ 7.5×10-3 Torr | ≈ 145×10-6 psi |
1 bar | = 100 000 Pa | ≡ 106 dyn/cm² | ≈ 1.02 at | ≈ 0.987 atm | ≈ 750 Torr | ≈ 14.504 psi |
1 at | = 98 066.5 Pa | = 0.980665 bar | ≡ 1 kgf/cm² | ≈ 0.968 atm | ≈ 736 Torr | ≈ 14.223 psi |
1 atm | = 101325 Pa | = 1.01325 bar | ≈ 1.033 at | ≡ p0 | = 760 Torr | ≈ 14.696 psi |
1 Torr | ≈ 133.322 Pa | ≈ 1.333×10-3 bar | ≈ 1.360×10-3 at | ≈ 1.316×10-3 atm | ≡ 1 mmHg | ≈ 19.337×10-3 psi |
1 psi | ≈ 6894.757 Pa | ≈ 68.948×10-3 bar | ≈ 70.307×10-3 at | ≈ 68.046×10-3 atm | ≈ 51.7149 Torr | ≡ 1 lbf/in² |