ハーラン・エリスン
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ハーラン・エリスン(Harlan Jay Ellison、1934年5月27日 - )は、アメリカ合衆国オハイオ州生まれの小説家。SF作家、脚本家。別名にエリス・ハート(Ellis Hart)、レイ・ハーソン(Sley Harson)等がある。
経歴
- オハイオ州立大学に入学するが、18ヶ月後、素行不良で退学処分になる。エリスンによると、退学になったのは彼の文章力を貶した教授と衝突したためであり、以後40数年間にわたり、彼は自分の作品が活字になるたびにその教授に作品のコピーを送りつけた[1]。
- 1955年ごろより創作活動を開始。
- 1957年より1959年、陸軍に在籍。
- 1965年以降は安定して質の高い作品を産み出しつづけているが、邦訳はほとんどない。
概要
- 両親はユダヤ系アメリカ人である。
- 酒を飲まなくとも常にハイ・テンションで(自然に脳内麻薬が出る体質らしい)、会話していると気の利いた話題が次々と沸いてくるそうで、エリスンと会った人間はそのカリスマ的魅力のとりこになるという。世界SF大会では、やはりファンの人気者だったアイザック・アシモフと、「相手をギャフンと言わせる」会話の応酬をよくしたという。
- またテレビドラマの脚本家としても活躍し、『宇宙大作戦』『ルート66』『アンタッチャブル』『原子力潜水艦シービュー号』他を手がける。
受賞歴
- 『「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった』(“Repent, Harlequin!” Said the Ticktockman)で、1966年ヒューゴー賞を受賞。
- 『おれには口がない、それでもおれは叫ぶ』(I Have No Mouth, and I Must Scream)で、1968年ヒューゴー賞を受賞。
- 『世界の中心で愛を叫んだけもの』(The Beast that Shouted Love at the Heart of the World)で、1969年ヒューゴー賞を受賞。
- 『少年と犬』(A Boy and His Dog)で、1969年ネビュラ賞を受賞。
- 『死の鳥』(Deathbird Stories)で、1974年ローカス賞、ヒューゴー賞を受賞。
- 『ランゲルハンス島沖を漂流中』(Adrift Just Off the Islets of Langerhans: Latitude 38° 54' N, Longitude 77° 00' 13" W)で、1975年 ヒューゴー賞を受賞。
- 短編集『Angry Candy』で、1989年ローカス賞を受賞。
- 『Mefisto in Onyx』で、1994年ローカス賞を受賞。
- 短編集『Slippage』で、1998年ローカス賞を受賞。
作品リスト
短編集
- 『世界の中心で愛を叫んだけもの』 The Beast that Shouted Love at the Heart of the World
- 日本では1979年1月早川書房から出版、15作を収録、訳者:浅倉久志・伊藤典夫、ISBN 4150103305
アンソロジー
- 『危険なヴィジョン 1』 Dangerous Vision #1
- 日本では1983年1月早川書房から出版。60年代に編集された「伝説的なアンソロジー・シリーズ」だが、日本では第1巻しか翻訳されていない。
映画
- 『少年と犬』A Boy and His Dog
- 原作
テレビドラマ
- 『アウターリミッツ』The Outer Limits
- 脚本
- 『バビロン5』Babylon 5
- 脚本
関連項目
- 亀和田武『愛を叫んだ獣』
- SFファンでSF作家でもある著者がエリスンから題名を借りた本。内容は甲斐バンドについての評論であり、エリスンとは無関係。
- 新世紀エヴァンゲリオン「世界の中心でアイを叫んだけもの」
- テレビ版最終話。監督の庵野秀明は自らの監督作品の最終話にSF作品のタイトルを重ねるのを慣習としているが、本作についてはインタビューで「その本(『世界の中心で愛を叫んだけもの』)を読んだ事はないが題名を見てかっこよいと思ったので、最終話のタイトルでネタにした」という旨の発言をしているテンプレート:要出典。
- 片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』
- 『世界の中心で愛を叫んだけもの』を彷彿とさせるタイトルの恋愛小説。これは上記の「世界の中心でアイを叫んだけもの」からとったものであるテンプレート:要出典。
- ジェームズ・キャメロン
- 『ターミネーター』シリーズの設定の一部が、TVドラマ『アウターリミッツ』のエリスンが脚本を担当した2つのエピソード(第33話『38世紀から来た兵士』、第37話『ガラスの手を持つ男』)から剽窃したものだと認める謝罪広告を打った。