ハナバチ
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ハナバチ(花蜂)とは、ハチ目ミツバチ上科の昆虫のうち、幼虫の餌として、花粉や蜜を蓄えるものの総称。代表的なのは、ミツバチ、クマバチやマルハナバチ、ルリモンハナバチなどである。英語のBeeの意味する範囲に相当する。
目次
特徴
ハナバチとは、ハチ類の中で、花に訪れ、蜜や花粉を集め、幼虫の餌としてそれらを蓄える習性をもつものである。分類上は、ヒメハナバチ科、コハナバチ科、ハキリバチ科、ミツバチ科などに所属するものがこれにあたる。ハナバチはミツバチ上科からアナバチ科、ギングチバチ科、セナガアナバチ科などカリバチ類を除外した単系統群である。
多くは小型から中型のハチで、体は丸っこいものが多い。ハナバチ以外でも多くのハチが下唇の先端に蜜などの液体を吸うために、中舌というブラシ状の細かい毛に覆われた舌の様な構造を持っているが、ハナバチでは特にこの中舌が長く伸び、これに1対の下唇鬚とさらに1対の小顎外葉が添えられて、花の奥から蜜を吸いだす口吻を構築している。また、体は木の枝のように細かく分岐した毛で覆われて花粉がつきやすくなり、後肢や腹部に体の表面についた花粉を集めて運搬するのための構造が発達するものも多い。
生態
巣は地下に穴を掘り、そこに幼虫の餌となる花粉と蜜を練り合わせたものと卵を納める部屋を作るものが多い。ハキリバチ類は、双子葉植物の葉を切り抜き、地中に掘った巣穴や竹筒の中などにそれを詰めてコップ状にし、巣材とする。よく庭のバラやハギなどの葉が円形や楕円形に丸く切り抜かれているのは、このハチのためである。またハキリバチ類の中には竹筒や木の孔、岩の割れ目などに松脂を練ったものを詰めて巣材とし、部屋を作るものもある。ヒメハナバチ科では古い蔵の土塀や土壁造りの家屋の外壁に穿孔して巣を作る種や、土中に巣穴を掘るウツギノヒメハナバチ等がある。 マルハナバチやミツバチは、自分で分泌した蝋物質(ミツロウとよばれるワックスエステル)を巣材とする。ミツバチの巣は6角形の部屋が並んでおり、紙質で作られたアシナガバチのそれとよく似ているが、系統を異にするものであり、平行的に生じたものと考えられている。
ミツバチは社会性昆虫として知られているが、この仲間で社会性昆虫であるものはさほど多くない。大部分のハナバチは単独生活で、巣の独房に花粉と蜜を練ったものを蓄え、卵を産むと巣を閉じてしまう。コハナバチ科の一部やクマバチ類では母子の巣穴内での同居などが見られ、簡単な家族を構築しており、マルハナバチ属になると地下に巣を作り、ミツバチと比して小規模ながら女王蜂と働き蜂がはっきり分化した社会性を行なっている。ミツバチの社会性はこの様なものを経て、より大規模で高度に進化したものとされる。
人間とのかかわり
一般にハナバチは花の受粉を行なうため、農業上は益虫として扱われる。また、ミツバチは蜂蜜を採取するために飼育される。
コマルハナバチの雄はライポン、トラマル、キバチ、モールバチ、ナルトバチ等の名前で呼ばれ、東京都品川区、世田谷区、大田区、目黒区の小学生たちの間で刺さない蜂として一時期ブームになった。
生命力が強く、輸入作物などについて世界全土に広がる種も多い。また、作物の受粉用に移植されたものもある。近年、在来種や、これと在来植物との共進化によって構築された送粉システムに対する外来種の悪影響が懸念されている。
出典