アシナガバチ
テンプレート:生物分類表 アシナガバチ(脚長蜂、テンプレート:Lang-en-short)は、スズメバチ科アシナガバチ亜科に属するハチの総称。
種類
26属1000種以上が知られ、日本には3属11種が生息。セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、フタモンアシナガバチがよく見られ、最近テンプレート:いつの都市部、市街地ではコアシナガバチが目立つ。
代表的な種類
- セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂、学名: テンプレート:Snamei)
- 体長20-26mm。体の模様は、黒の地に黄褐色の斑紋がある。日本では北海道以外の全国に分布する。市街地でもよく見られる。
- 刺されたらすぐ皮膚科に行くこと。
- キアシナガバチ(黄脚長蜂、学名:テンプレート:Snamei)
- 体長20-26mmで、セグロアシナガバチと並ぶ大型種。日本では全国に分布する。黒の地に黄色が目立つ。攻撃性はアシナガバチとしては強い方である。
- フタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂、学名:テンプレート:Snamei)
- 体長14-18mm。腹部に黄色い2つの斑があることからこう名付けられた。市街地でよく見られ、植物の茎や垂直な壁面等に横向きに巣を作ることが多い。
- コアシナガバチ(小脚長蜂、学名:テンプレート:Snamei)
- 体長11-17mm。やや地味で小型な種類だが、人家よりも林の低木の枝先や大きな葉の裏などに反り返った大きな巣を作る。日本では全国に分布する。
- キボシアシナガバチ(黄星脚長蜂、学名:テンプレート:Snamei)
- 幼虫の作る繭が黄緑色をしているのが特徴。
- ヤマトアシナガバチ(大和脚長蜂、学名:テンプレート:Snamei)
- レッドリストでは情報不足に指定されている。
- ヨーロッパアシナガバチ(ワスプ、テンプレート:Lang-en-short、学名:テンプレート:Snamei)
- 体長11-17mm。小型な種類だが、人家にも巣を作る。ヨーロッパに分布する。市街地でもよく見られる。
- 刺されると死に至る可能性もあるので刺されたらすぐ皮膚科に行くこと。
形態
同じスズメバチ科だけあり、アシナガバチの生態はスズメバチに似ている。幼虫の餌も昆虫の肉とすることなど共通点が多い。細身で小型の体型は攻撃力で劣る。チョウやガの幼虫の芋虫、つまりケムシやアオムシの類を狩る。捕らえた芋虫をかみ砕いて肉団子にして巣に持ち帰る。ヤブガラシ等の花に飛来することも多い。
巣の材料はほぼ同じ。構造は、スズメバチの巣は光沢のある立派な外皮があるのに対しアシナガバチはそれがなく、蓮の実のようである。また、多くのスズメバチのように枯れ木の木部繊維や朽木ではなく、ホオナガスズメバチ属と同様に樹皮の靭皮繊維を素材とし、それに唾液由来のタンパク質などを混入して巣材とするので、一般のスズメバチの巣より強靭である。そのため、しばしばスズメバチ類の巣は洋紙に、アシナガバチ類の巣は和紙に例えられることがある。
生態
熱帯地方には、直径30㎝以上の大きな巣をつくる種もあるが、日本では、直径10センチ程度である。女王蜂は、比較的低い乾燥した物陰や樹幹に巣をかける。3部屋もつくると直ぐに卵を産み、20日ほどで幼虫は成虫になる。この蜂の巣は、蓮の実のような形につくられて100部屋を超える巣もある。中央部の幼虫が巣立つと、新たに卵が生み付けられて、ミツバチのように蜜をためる事はない。
しばしばスズメバチの攻撃を受けて、幼虫を持ち去られる事があり、巣も破壊される事がある。
益虫
アシナガバチはおとなしい性格で,巣にいたずらをしなければ,ほとんど刺してくることはない。 むしろ、蛾や蝶の幼虫を駆除してくれる大変な益虫である。アシナガバチの駆除をしない市町村は増えているが、駆除業者にとっては美味しい仕事である。
駆除
風の穏やかな日に、風上からスプレー式の殺虫剤を<臭いを嗅がすように>穏やかに数度に分けて吹き付けると、親蜂は一目散に姿を消す。親蜂のいないことを確認して、巣をもぎ取れば、やがて戻った蜂もまもなく姿を消す。
巣が小さければ水道水でシャワー状に水をかけても良い。 蜂はどこかへ避難するので、その間にもぎ取る。
棒で突くと攻撃を始めるので、かなり、危険である。 長い棒で一気に巣を落として一旦遠くへ逃げる。
性質
性質はスズメバチに比べればおとなしく、巣を強く刺激したり蜂を素手で触ったりしない限りはまず刺してはこない。刺傷は子供などが巣を刺激して起こるケースと、洗濯物等に紛れ込んでいるアシナガバチに気づかず起こるケースとがある。毒はスズメバチに比べれば弱いが、アナフィラキシーショックにより死亡することもあるので、過去に刺されたことがある人は注意が必要。また刺された時の痛さという点ではスズメバチよりも強いとも言われている。
最大の天敵はヒメスズメバチである。