NASDAQ
NASDAQ(ナスダック、National Association of Securities Dealers Automated Quotations)は、1971年に全米証券業協会(NASD)の主催で開設されたアメリカ合衆国にある世界最大の新興企業(ベンチャー)向け株式市場である。
概要
情報技術の普及・浸透により誕生した取引の一形態である。取引所とは異なり、距離の離れたマーケット事業者がコンピュータネットワークを使用して売買気配値を提示する。
近年はインターネット・情報技術関連企業がこぞって市場に参入するようになった。2000年にはインターネット・バブルにより、株価指標の「ナスダック総合指数」が6000ポイントに迫る勢いを見せた。
ニューヨーク市内タイムズスクエアの一角には上場企業の株価を100台以上の大型テレビで表示する「ナスダックマーケットサイト」があり、テレビメディアがここから最新の動向を伝え、巨大テレビを利用して株価を表示したりする。また、ビルの外壁一面にLEDディスプレイが取り付けてあり、広告効果が高い。
歴史
証券取引を開始した日時は1971年2月8日。世界初の電子株式市場として、世界中の注目を集めた。
その後自動取引システムを導入し、コンピューターシステムの証券取引市場であることを強調した。それにより多くの企業が集まり、取引高ランキングで世界第3位に入る巨大市場と化した。
2007年5月、スウェーデンの証券取引所運営会社OMXと経営統合で合意。同年末までに新会社「NASDAQ OMXグループ」を発足させると発表した。
取引時間
- プレ・マーケットトレーディング時間 7:00-9:30
- 立会時間 9:30-16:00
- アフターマーケット時間 16:00-20:00
取引時間いずれも米国東部標準時(EST)
立会時間は、東部時間9:30~16:00(日本時間23:30~6:00、夏時間の場合は22:30~5:00)の「一場制」であり、日本のような「前場」・「後場」といった区分は無いが、お昼時は相場の参加者が少なくなるため、取引量が少なくなる。
NASDAQに上場する主な日本企業
- インターネットイニシアティブ(IIJI)
- キリンホールディングス(KNBWY)
- キユーピー(QPCPY)
- 日産自動車(NSANY)
- 任天堂(NTDOY)
- マキタ(MKTAY)
- 三井物産(MITSY)
- 東京海上ホールディングス(TKOMF)
- ワコールホールディングス(WACLY)
- 三菱電機(MISEY)
関連する取引所
日本でも2000年に大阪証券取引所と提携した「NASDAQ JAPAN」(ナスダック・ジャパン)市場を開設したが、24時間取引の是非やシステム上の問題なども絡み、2002年12月に提携を解消。後に「ニッポン・ニュー・マーケット ヘラクレス」に改めることとなった。
直接NASDAQとは関係ないが、日本において新興企業向け市場としてジャスダック(JASDAQ)がある(上記のNASDAQ JAPAN → ヘラクレス が、2010年10月12日に統合されている)。
韓国にも新興企業向け店頭株式市場として「KOSDAQ」(コスダック)が存在したが、2005年1月26日に韓国証券取引所および韓国先物取引所と合併し、現在は「韓国取引所」(略称:KRX)となっている。
関連項目
- バーナード・L・マドフ (元NASDAQ社長にして、史上最大の金融詐欺事件の犯人)