トヨタ・1JZ-GTE

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テンプレート:Pathnav テンプレート:出典の明記 トヨタ・1JZ-GTEとは、ヤマハ発動機が開発および生産し、トヨタ自動車に供給していた自動車ターボチャージャー付きガソリンエンジン。大きく分けて、2機種存在する。

第1世代

  • 1990年にJZX81系マークIIシリーズやJZA70系スープラに初めて搭載され、その後は、3代目ソアラやフルモデルチェンジしたJZX90系マークIIシリーズにも搭載された。
  • 2500cc直列6気筒エンジンにトヨタ製CT12型セラミックタービンターボチャージャーを2機搭載し、最大出力280PSを発揮したハイパワーエンジンの代表格である。
  • エンジンの製作は、ヤマハ発動機の自動車エンジン事業部がトヨタ自動車の依頼を受けて開発し、同社の製造部門で生産が行われた。開発から生産に至るまですべてヤマハが関わっている。
  • このエンジンには、軽量なセラミックタービンを使用することにより、非常に良いアクセルレスポンスを持ち、またターボラグの低減が当時としては最先端と言えるレベルまでなされている。
  • 1980年代中期から後期にかけて、トヨタの主力エンジンであった2000cc直列6気筒エンジン1G-GEUのツインターボ版1G-GTEの後継エンジンとして開発された。
  • 自主規制最大出力280馬力を達成したフェアレディZ(Z32型)に搭載されていたVG30DETT型エンジンより469cc少ない2491ccという排気量で280馬力を絞り出すハイチューンエンジンであった。
  • JZA70スープラとJZZ30ソアラ(前期、中期型の一部グレード)はサブスロットルがない機械式スロットルであった。  JZX81.90マークII系JZZ30ソアラ(前期、中期型の2.5L上級グレード、メーカーオプション)は、サブスロットル式「TRC」があった。 このエンジンで採用されているサブスロットル式スロットル「TRC」は1989年F10型セルシオの エンジンである「1UZ-FE」から技術転用されている。

第2世代

  • 1996年8月にZ30ソアラのマイナーチェンジで登場した。マークII系は、翌月より搭載された。
  • 可変バルブタイミング機構を備えたシリンダーヘッドとCT15B型セラミック製シングルターボエンジンへと改良された。
  • 280馬力の数値は変わらないが、2400rpmという低回転で38.5kg・mという最大トルクを発生させるまでに進化する。
  • スープラの2JZ-GTEで採用された電子制御サブスロットルシステム「ETCS」が使われた。
  • 第1世代でも同様に、エンジン本体の耐久性はかなり高く、フルカウンタークランクやセミ鍛造ピストン、メタルヘッドガスケットなど、市販車の中では高強度なパーツがふんだんにおごられている。
  • JZX110マークII 、ヴェロッサ以降に搭載されたものではスロットルがワイヤー式からドライブバイワイヤ式になっている。
  • ヴェロッサクラウンアスリートにも搭載されていたが、2006年ツーリングワゴンであるマークIIブリットを最後に生産を終了した。
  • ついでにJZX110系とJZS171系は「ETCS-i」に変更された。
  • 電子制御スロットル「ETCS-i」はBEAMS 2JZ-GTE VVT-iでも採用され、サブスロットルは廃止された

数値的仕様(参考)

  • ボア: 86.0mm(JZエンジンは補修用オーバーサイズは用意されていない)
  • ストローク: 71.5mm
  • ボアピッチ:(未調査)
エンジン種別 1JZ 2JZ 7M 1G 3S
ボア(シリンダ内径、mm) 86.0 86.0 83.0 75.0 86.0
ストローク(ピストン行程、mm) 71.5 86.0 91.0 75.0 86.0
ボアピッチ(mm) (未調査) (未調査) (未調査) 85.5 (未調査)
気筒数 6 6 6 6 4
総排気量(cc) 2491 2997 2954 1988 1998

関連項目