ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち

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ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』(ウルトラマンティガ アンド ウルトラマンダイナ ひかりのほしのせんしたち)は円谷プロダクション製作による特撮映画作品。テレビ番組『ウルトラマンダイナ』の劇場オリジナル作品である。1998年3月14日全国松竹系で公開。同時上映は『ウルトラニャン2 ハッピー大作戦』。

キャッチコピーは「こんどの敵は、デカスゴだ。

概要

ゲームを楽しむような感覚で地球侵略を進めるモネラ星人とTPC地球平和連合の戦いを描く。

平成ウルトラシリーズ3部作初の映画作品。ウルトラシリーズのテレビ作品が、放映中に完全新作映画として公開されるのは本作が初めてである。

当初の企画ではウルトラマンダイナとウルトラマンティガの共演は、本編においてもアスカとダイゴの遭過という形で想定されており、『ティガ』の時代からタイムスリップしたダイゴが変身してダイナを助けるという展開が用意されていた[1]。しかし、ダイゴ役のV6長野博の出演が不可能となり(表向きには多忙のためとされた。後述も参照)[2]、ストーリーは変更されることになったが、そのことによってテーマは「アスカの戦士としての成長」へと絞られ、ティガは人々の心にある希望が実体化したものであるのと、テレビシリーズの最終回を1歩推し進めた解釈を示すことになった[3]

長野については、長野が所属するジャニーズ事務所側が『ウルトラマンティガ』TVシリーズ終了をもって長野の『ウルトラ』へのかかわり自体を終わらせる意向だったことが本作への出演が実現しなかった最大の理由である。本作公開当時、円谷プロに『ティガ』が単独メインの映画制作を熱望するファンの署名が送られたが、円谷プロ側はそれは無理であると回答し、それがネットに公開された(理由の1つに長野の『ウルトラ』卒業を挙げていた)。また、長野の所属事務所の後輩でありヤズミ・ジュン役の古屋暢一も多忙のため出演していない[4]

『ウルトラマンダイナ』がその前作『ウルトラマンティガ』の7年後の未来であるという設定を活かし、旧GUTS隊長であるイルマ参謀とアスカの対面を経てティガを登場させており、終盤においてもダイゴとヤズミを除いた旧GUTS隊員が再会するシーンが存在する。旧GUTS隊員は本作の後にテレビシリーズにも登場するが、本作製作時点ではイルマ以外TPCを離れているという設定であったため全員私服姿での登場となった[5]

ストーリー

宇宙有翼骨獣ゲランダが宇宙空間に出現。追跡する スーパーGUTS。しかしガッツイーグルのレーザーが効かず、逆に攻撃されて危機に陥る。そこにウルトラマンダイナが現れて戦闘を開始するが、ソルジェント光線が怪獣に効かず、ダイナもまた危機に陥る。その時、怪獣にネオマキシマ砲が放たれた。ダイナたちの危機を救った者の正体は、TPCが極秘裏に作った新造戦艦プロメテウスであった。

後日、クリオモス島にてプロメテウスの説明会が開かれた。招かれたアスカたちスーパーGUTSの面々は、そこで開発責任者のキサラギ・ルイ博士に出会う。「人間の思考パターンを読み取ったメインコンピュータが、その人間のとる行動と同様に動かすために無人であり、また圧倒的な破壊力を持つネオマキシマ砲を有する戦艦プロメテウスは、ウルトラマンダイナをも凌ぐ、新たなる人類の希望である」と、プロメテウスへの絶対の自信を語るキサラギ博士。

大きいだけの戦艦がダイナよりも強力であるはずがない、と怒るアスカ。ヒビキ隊長はそんなアスカを抑えつつも「このような強力な兵器は人類には危険ではないか?」と進言する。だが、キサラギ博士は「時代は常に先へと進む」とヒビキ隊長の言葉を流す。ただ、人間の思考データを読み取るという設定上で肝心のデータが不足しており、キサラギ博士はそのために スーパーGUTS の隊員たちの戦闘経験を移植しようと計画していた。ダイナを例えにしてプロメテウスの優位性を説明され怒ったアスカは「こんなデジタル戦艦の能力なんか否定してやる」と自らデータサンプルになることを決める。

しかし、そのデータ移植の最中にアスカは意識を失い、過去に戦った怪獣たちとの壮絶な死闘を夢に見る。その中でゲランダとの戦いをも思い出し、プロメテウスがネオマキシマ砲でゲランダを倒した後、ダイナもプロメテウスのネオマキシマ砲で倒される夢を見る。気を失いマイに介抱してもらっていたアスカ。と、突如謎のUFOがクリオモス島を襲撃した。ヒビキ隊長たちの乗ったガッツイーグルが出撃するが、マシントラブルで分離出来ず、海上に墜落してしまう。マイとアスカは遅れて駆けつけるが、機嫌の悪いアスカは「足手まといだ」とマイを地下基地へと避難させ、ダイナに変身しようとする。プロメテウスに倒されるダイナの夢が脳裏をよぎり、変身を躊躇するアスカだったが、「ダイナは無敵の巨人だ。負けるはずがない」と自身に活を入れて、ダイナへと変身を遂げるのだった。

その時、プロメテウスが出現。しかしUFOが照射した光線を浴びたプロメテウスは変形、電脳魔神デスフェイサーに変貌した。

登場人物

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ススム少年
K3地区に住む少年。デスフェイサー襲来で避難する途中にアスカと出会い、落ち込んでいたアスカに辛辣な言葉を浴びせつつ励まそうとする。スーパーGUTSのレプリカユニフォームを着て兄からもらったティガのソフビ人形を宝物にしているなど、ヒーローへの憧れが強い。
兄はかつてティガがガタノゾーアに敗れ石像と化した際に光を与えた世代であり、現在は宇宙飛行士訓練学校で生活している。
ウルトラマンティガ
ススム少年が持っていたウルトラマンティガの人形が、ダイナを助けようとする人々の願いから本物のティガとなりダイナを助ける。クイーンモネラを倒した後、光となり消滅した。
本作に登場するティガはあくまで人々の願いが実体化したもので、『ティガ』本編で主人公のマドカ・ダイゴが変身したティガとは別の存在。
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ダイゴとレナの娘。火星生まれのスターチャイルド第一世代。物語終盤でレナに連れられイルマに会いに来る。後に『ダイナ』本編の最終章にも登場する。
ウルトラマンダイナ
最終章で父親のダイゴとともに登場。
ウルトラマンティガ外伝 古代に蘇る巨人
本作から少し成長した姿(演:山崎ゆり)で登場。劇中、弟のマドカ・ツバサの存在やTPC所属ということが明かされている。
劇中での登場は、冒頭のツバサとの通信(声のみ)とマドカ・ツバサが所持していたが持っているロケットの中の写真のみ。
また、劇中にマドカ・ヒカリとそっくりなマホロバという古代の女性も登場する。
大決戦!超ウルトラ8兄弟
本作のヒカリとはパラレルワールド(別世界)の人物という設定ではあるものの、ダイゴとレナの娘(演:橋本来留美)として登場。なお、このヒカリは、パラレルワールド(別世界)のハヤタ・シン(ウルトラマン)の孫でもある。

登場怪獣・宇宙人

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  • 身長:111センチメートル
  • 体重:44キログラム
植物が進化した知的生命体で、高度な科学力で地球人類の抹殺を目論む異星人。常に礼儀正しい言葉遣いと丁寧な口調だが、とてつもなく高慢な性格で「人類に自分達と対等に会話する資格など無い」「絶望と恐怖しか許されない」「人類自体の存在が目障り」など、人類をサルの成り上がりとしてしか認識していない。
キサラギを超能力で操って、プロメテウスを建造させ、さらにクリオモス諸島に配備されていたガッツイーグルに予めマシントラブルを引き起こすように細工を施させた。劇中では13体が登場し、最後は全てがモネラシードと同化しクイーンモネラとなった。
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  • 身長:54メートル
  • 体重:6万2千トン
モネラ星の衛星ジーランドに住む怪獣。モネラ星人と同じ遺伝子を持つ[7]。マッハ9.6の飛行速度で空中を飛行し、月上空においてガッツイーグルα号β号、更に月面でウルトラマンダイナと戦った。
ソルジェント光線をも跳ね返す強固な体表を持ち、怪力と口から発射する「ジービーム」を武器とする。ダイナを頭部の「角骨」と呼ばれる角で貫こうと追い詰めるも、TPCの新造戦艦プロメテウスのネオマキシマ砲により消滅する。
大怪獣バトル ULTRA MONSTERS EX』に登場したゲランダ
第12話「襲撃!宇宙有翼骨獣」に登場。
突然主人公の乗るキングジョーブラックの頭部の前に現れて襲い掛かり、彼らを惑星アヴァルに連れ去る。そしてそこでバトルナイザーの怪獣と戦ったが、倒された。
ステータスはディフェンスとパワーが高めに設定されている。必殺技は劇中使用した「ジービーム」、超高速での体当たり攻撃「マッハクラッシュ」、両腕の爪で敵を切り裂く「ゲランダクロー」が使える。また、ダイナのソルジェント光線に耐えた怪獣だけあって、NEO以降は光属性攻撃への耐性を身につけている。
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  • 全長:48メートル
  • 全幅:30メートル
モネラ星人が宇宙船として使用している宇宙生物。カブトガニに似た外観をしている。
ガッツイーグルのトルネードサンダーを防ぐ程の強力なバリヤーを展開することができ、機首と思われる部分から赤色破壊光線・シーダーを放ち、これでクリオモス島の無人迎撃システムを破壊した。また、本体下部からは変形光線・モルージョンを放つことも可能であり、これでプロメテウスをデスフェイサーに変形させた。
土中に潜むことも可能で、デスフェイサーを倒した直後に飛び立ったダイナ・ストロングタイプを触手で捕らえ、その状態でモネラ星人と同化してクイーンモネラへと変貌した。
撮影に使用されたプロップは『ウルトラマンネクサス』のレーテに改造された。
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  • 身長:77メートル
  • 体重:9万6千トン
TPCの建造した電脳巨艦プロメテウスが、モネラシードの光線・モルージョンによって変型した巨大ロボット。胸のネオマキシマ砲に加え、右腕が伸縮性のデスシザースでその上部付近にビーム砲を持ち、左腕がガトリングガンになっている。
最初の対決では、アスカの動きを記憶していたため、ウルトラマンダイナ・ミラクルタイプのスピード攻撃を完全に見切った。シャイニングジャッジをジェノミラーで反射し、ネオマキシマ砲の一撃でクリオモス島を破壊した。2戦目では、ウルトラマンダイナ・ストロングタイプと対決。今度は両腕をもぎ取られた挙句、胸部をダイナックルで貫かれ、スペースダイナマイトで粉砕された。
TV版第46話にも宇宙植物の幻影として姿を見せている。
  • ネオマキシマ砲は、後に『ダイナ』本編にてクラーコフNF-3000に搭載されることになる。
  • 着ぐるみは映画公開後も長く残っていたが、『ウルトラマンゼロ外伝 キラー ザ ビートスター』にて、ビートスターに改造された。同作品ではデスフェイサーがそのままロボット怪獣軍団の一体として登場する案もあった[8]
大怪獣バトル ULTRA MONSTERS EX』に登場したデスフェイサー
第18話「ダブルモンスロード!」に登場。
惑星ボリスの地中に埋まっており、主人公にゼットンを倒されて弱ったレイブラッド星人が呼び出し、これに憑依する。ストーリー第2部最後の敵であり、桁外れの圧倒的な戦力を誇る。
最大の武器として「ネオマキシマ砲」を装備し、これで主人公達を消し飛ばそうとするが、ヴィットリオが庇った事で阻止される。最期は主人公とヴィットリオの2つのバトルナイザーによるダブルモンスロードで現れた怪獣にレイブラッド星人もろとも倒された。
ステータスはキングジョーブラック並みもしくはそれ以上の高ステータスを誇り、第1部ラストのエースキラーを遥かに上回る。必殺技は劇中通り、「ネオマキシマ砲」、「ガトリングガン連射」、「デスシザーレイ」を使用する。NEO以降、ネオマキシマ砲は光属性が付加されている。
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  • 全長:258メートル
  • 体重:108万トン
デスフェイサーを倒されたモネラ星人が、最後の手段としてモネラシードと合体した姿。ティガとダイナの約5倍の巨体を持つ。
触手からは破壊光線・テンタクルボムを発射し、頭部から周囲三キロの地点をリング状に壊滅させる拡散砲・クラウンビームを発射する。高圧電流・QMバスターを使って、体内の檻に閉じ込められたダイナの活動を停止させた。しかし、人々の諦めない心が光となって出現したウルトラマンティガが、解放した光のエネルギーでダイナを蘇らせたため形勢逆転される。上記のテンタクルボムと土中から伸ばした触手でティガとダイナを苦しめたが、S-GUTSらのガッツブラスター・ノーマルモードのレーザーで切断され、2大ウルトラマンのフライングダブルパンチを受けて怯む。最後はクラウンビームのチャージ中に、ティガとダイナの合体技・TDスペシャルによって消滅、同時にモネラ星人も全て死滅した。

キャスト

声の出演

スーツアクター

スタッフ

主題歌

主題歌「SHININ' ON LOVE」
作詞 - 松井五郎 / 作曲 - 河野陽吾 / 編曲 - 京田誠一 / 歌 - 影山ヒロノブ&前田達也
イメージソング「君の愛と僕の勇気~もう悲しみなんかない」
作詞 - 松井五郎 / 作曲 - 松原みき / 編曲 - 高梨康治 / 歌 - 影山ヒロノブ&前田達也

映像ソフト化

  • VHS及びDVD(セル、レンタル共通)は1998年12月18日発売。
  • 2007年11月26日発売の「ティガ ダイナ ガイア メモリアルボックス ザファイナル」に収録されている。

テレビ放送

2012年12月5日から同年12月26日にかけて『ウルトラマン列伝』にて全4回に分割され放送が行われた。

脚注

  1. 『テレビマガジン特別編集 平成ウルトラ映画全集』(講談社)P. 83。
  2. ダイゴは本作ではイルマとレナの会話で名前が登場するほか、イルマの部屋に飾られている『ティガ』TVシリーズ最終話のガタノゾーア戦後に撮られた旧GUTSメンバーの写真で姿が確認できる。のちに長野は『ダイナ』TVシリーズ最終章にダイゴ役でゲスト出演している(ティガに変身する展開はなし)。
  3. 『TIGA・DYNA・GAIA MEMORIAL BOX THE FINAL』解説書より。
  4. 古屋も長野同様、『ダイナ』TVシリーズ最終章にヤズミ役でゲスト出演している。
  5. 『テレビマガジン特別編集ウルトラマンダイナ』(講談社)P. 93。
  6. 『ウルトラマン大辞典』(中経出版・2001年)p.328.
  7. 『ウルトラマン大辞典』(中経出版・2001年)p.124.
  8. 『ウルトラマンゼロ外伝 キラー ザ ビートスター』解説書より。

関連項目

外部リンク


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