デコトラシリーズ

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デコトラシリーズは、(株)青島文化教材社が販売している製品の名前。俗にデコトラと呼ばれる派手な装飾を施したトラックの模型である。

概要

1975年に公開された映画『トラック野郎・御意見無用』から始まる東映トラック野郎』シリーズのブームで、アオシマとバンダイは映画の主演車両の“一番星”のモデル化を東映に打診していたが、版権はバンダイにものとなり、アオシマは独自の路線を確立することでデコトラシリーズが誕生した。
初期~2000年代前半まではオリジナルの車両を展開していたが、2000年代中ごろあたりから実車両を積極的にリリースしてきた。
2010年前後からはそれまでのデコトラシリーズの流れを汲む、一般向けで架空車種中心の「バリューデコトラ」シリーズと、ヘビーフレイトシリーズをベースにした上級者向けで実在車中心の「アートトラック」シリーズをメインに展開している。
他にも「トラック野郎」シリーズや手のひらサイズで若年層中心の「ミニデコ」シリーズも展開されている。
車種ラインナップは日野三菱ふそういすゞの3社が展開されているが、ミニデコシリーズには日産ディーゼルの車両もある。
「デコトラ」の商標はアオシマが保有している(デコトラ - 商標登録番号 第4928594号  大型デコトラ - 商標登録番号 第1434910号)

2014年現在発売中の各シリーズ

  • バリューデコトラシリーズ
    • 2010年3月発売開始された現在のデコトラプラモの中心ともいえるシリーズ。
    • 「断突レンジャー」「猛烈ファイター」「熱血フォワード」を含む4tデコトラシリーズと大型デコトラ(以下総称する場合は「旧デコトラ」と表記する)をベースに現代風にアレンジした実質的な後継シリーズで、通常モデルの「バリューデコトラ」と特別版の「バリューデコトラエクストラ」の2種類を展開。
    • 旧デコトラシリーズのほかにも、初代「爆走野郎」シリーズで展開された車両もラインナップに入る(以下爆走野郎シリーズの4t車を「小型デコトラ」と表記する)。
    • コンセプトはかつてのアオシマプラモのパッケージにも記載されたキャッチコピー「創造のプラモデル」。組立図通りに作るもよし、オリジナルの1台を作るもよしとパッケージに記載されている。そのため、キットによっては本来不要となる部品を利用して多彩なアレンジを加えることができる。
    • デコトラシリーズの入門編にお勧めとパッケージに記載されているが、車種によってはパーツの加工を要するものもある。
    • パッケージのボックスアートは旧デコトラシリーズと違い、背景なしの車両だけのイラストレーションである。エクストラでは車種によって背景ありのイラスト絵や実車の写真を採用している。
    • ラインナップされる車種は基本的に架空車種ではあるが、映画「トラック野郎」の出演車や実在車をモチーフにした車種もある。さらには旧デコトラでは存在しなかった街宣車仕様の車両もラインナップされている。
    • 既存のパーツを流用することで価格も大幅に上昇する前の値段に抑えている(中型3500→後に3800円に値上げ、大型4800円、エクストラは6800円(全て税抜))
    • これまでの旧デコトラ時代に製作されたパーツだけでなく、ヘビーフレイト/アートトラック用に新規設計されたパーツが投入される車種も多い。中には絶版後10年以上もパーツ化されなかった旧デコトラ部品を投入するモデルもあるが、バリューデコトラのための新金型を投入しない(新規パーツを制作しない)と公式ブログにてアナウンスされている。
    • 旧デコトラ時代では荷台ペイントやアンドンなどがすべて紙シールだったが(共通シールにエッチングシールという名前の塩化ビニールシールや水転写デカールもあった)、バリューでは車種ごとに水転写デカールやメッキシールなどを採用している(荷台ペイント部分など広範囲な部分には紙シールを使ってる車種もある)[1]
    • トレーラーには後部の三角反射板を追加したり、ノーマル車として発売されなかった旧型車両でノーマルミラーを使用する際には後年製品化された商品の部品で対応する[2]など、リアリティを増した改良がおこなわれている。
    • 旧デコトラシリーズではなかった、「別車種のグリル移植」や「ショートサイズのトレーラーシャーシに単車ロングパネルの搭載」、「小型デコトラのシャーシに4tデコトラのキャビンの搭載もしくはその反対」といった、装着方法が異なるシャーシへの搭載なども積極的に行っている。
    • 上記に記した異なるシャーシへ搭載するパーツや大型デコトラロングシャーシのホイールベースを若干短縮させるため[3](適正化)の部品などをその都度追加している(ただしこのような追加部品についてメーカーではあくまでも「修正・改良のため」とアナウンスしている)。
    • No15のブルージャック以降、デカールなどに旧デコトラ時代で使われた「全国出弧虎会(ぜんこくでことらかい)」の名称を復活させている。


  • アートトラックシリーズ
    • かつてのビッグカスタムシリーズベースに代わってヘビーフレイトシリーズをベースに展開されるモデル。
    • 実在車両のモデルを展開。


  • 元祖デコトラシリーズ
    • 初期に発売されたデコトラモデルを現在のキットやパーツで再現(リテイク)した、ヘビーフレイトの旧型車両をベースにしたモデル。
    • 現在までに発売されたのは「初代唐獅子(リテイク2012)」のみ。
    • アートパーツはトラック野郎シリーズの一番星号のパーツを流用しているが、クローズドボディは用意されていない。


  • トラック野郎シリーズ
    • かつてはバンダイが独占販売権を持ってたシリーズであったが、09年に新シリーズとして登場。
    • 玩具関係の版権はバンダイが持っているため、パッケージなどにはバンダイのマークも入っている。
    • 一般ユーザーの手で復元された現存する一番星号の実車(10作目仕様)を完全リサーチして2009年に「故郷特急便」として発売、以後登場した作品に合わせて変更された部分を新規パーツで追加する。
    • 荷台はリアルさを重視し開閉可能なオープンタイプと、作りやすさを重視したクローズドタイプの2種類が用意される。


  • ミニデコトラシリーズ
    • 1981年に登場した、1/60スケールの若年層向けのモデルで、部品点数を押さえて組み立てやすさを追求したシリーズ。
    • キャブは登場当初日野KF三菱ふそうFシリーズの2車種が展開されていたが、現在は後に追加されたいすゞ・810スーパーと日産ディーゼル・レゾナ後期の2車種で展開されている(2車種ともノーマルでは角目4灯式だが、角目2灯に変更された造りグリルがそれぞれ1種類ずつ存在している。)。後者の2車種はグリルとフロントバンパーが一体成型されており、内装やインパネは共通部品を使用している。
    • 荷台はパネルバン・ウイング(可動式)・平ボディ・ダンプ(可動式)・カーキャリアがあり、カーゴ系シャーシは単車と呼ばれるものとセミトレーラーのほかにアオシマのトラックモデルで唯一フルトレーラーのモデルもある。これらはすべてフロントのステアリングは固定式である。
    • そのほかに「パワデコシリーズ」としてモーターライズ用のシャーシも存在していた。
    • 車軸の組み合わせで通常の後2軸のほかに前2軸の6X2もある。ただしタイヤサイズやフロントアクスルの位置はすべて共通である。
    • 過去に西部警察トランスポーターとしても展開されていたことがあり、劇用のスーパーマシンやバイクが付属したランナーがある。
    • ふそうFシリーズ及び日野KFのキャブは再発売されていない関係で、1980年代に発売された際はふそうFシリーズのキャブだった西部警察のトランスポーターは、90年後半~2000年前半の再版時にはデコトラ仕様のレゾナに変更されている。
    • 発売時期によってはパッケージにサック箱を採用していた時期もあった。
    • 2012年4月にミニデコシリーズは「ミニデコNEXT」として新たに展開し、スケールは1/64に改められる。NEXTでは新規のパーツはないものの、4軸車やトランスポーターなど過去のシリーズででは採用されなかった種類の物や過去に発売された車種のペイントや行燈をリニューアルした車もある。
    • さらに、付属の紙シールには小さな子供向けに好きな言葉やセリフを書いて貼ってもらうことを目的とした余白スペースを設けている。
    • パッケージはミニデコ時代は背景ありのパッケージアートだったが、NEXTでは白バック無背景のパッケージアートを採用している。

かつて展開された各シリーズ

  • 爆走野郎シリーズ/初代デコトラシリーズ
    大型、小型、モーターライズの「走る小型」のラインナップがある。
    初代デコトラシリーズとして再版した際の大型車の一部車種では現行部品を使用したり(ミラーステーにビッグカスタムのパーツを使用するなど)、一部部品は新たに製作された物もある。
    ダンプモデルの「帰ってきた用心棒」ではキャビン関係の部品と一部アートパーツ以外は後にリニューアルされた現行部品を使用し、グリルパーツ(通称ブラックマスクグリル)は当時の金型が行方不明だったために新たな金型が製作されている(後年の金型捜索の時に当時の金型も発見されている)。
  • 大型デコトラシリーズ(出弧虎会・アートカミオン2000・爆音デコトラなど)
  • 4tデコトラシリーズ(断突レンジャー・猛烈ファイター・熱血フォワード・爆走デコトラ列伝/2など)
    1986年に小型デコトラに代わる新シリーズとして登場。当初は断突(だんとつ)レンジャーのみだったが、後に他シリーズが追加された。
  • 2tデコトラシリーズ
    2008年に発売。2車種のみの発売。専用のパーツは開発されず、基本的には過去のパーツからの流用である。
  • 光るデコトラシリーズ
    アンドンやマーカーの電飾が点灯したり点滅するシリーズ。爆走野郎時代からラインナップされており、初期は麦球を使って乾電池を使って点灯させていたが、LED光るデコトラではLEDと回路基板を使い家庭用電源で点灯させる。
  • デコトラバスロケットJr.ロングシリーズ
  • トラック狂走曲シリーズ
    アーケードゲーム「トラック狂走曲」に登場した車両をモデル化。全4種。ただし既存の車両やパーツを流用してるため実際のゲームに登場する車両とは異なる。
    プルバックゼンマイで走る「トラック狂走曲Jr」シリーズもラインナップされた。
  • 日本縦断デコトラJr.シリーズ
  • 爆走デコトラ野郎シリーズ
  • 爆走デコトラ列伝Jr.シリーズ
  • デコバンシリーズ
    ワンボックス車種をベースにデコレーションしたシリーズ。車種によってスケールが異なっていた(1/22もしくは1/20など)。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

  • 旧デコトラ後期でも一部に水転写デカールやメッキシールを採用した車種もあったが、ナンバープレートの文字もしくは板地部分が白ではなく鏡面調になっていた。(バリューではその部分は解決されている。)
  • 一例として、爆走野郎時代の車種には旧カスタムトラックシリーズ、もしくは現行フレイトシリーズ系で商品化された車両のノーマルミラーを、「断突レンジャー」の日野レンジャー4Dにはふそうファイターの部品を一部加工の上使用している。
  • 大型モデルのロングシャーシはそのままで組み立てると前軸~後後軸のホイールベースが235mm(実車換算で7520㎜)になるが、実車では7500㎜超のシャーシは存在しない。
  • http://www.1999.co.jp/image/10112534n/40/1
  • 旧デコトラ時代にフロントバンパーを容易に装着できるよう改修されている。
  • この部品の金型は80年代に制作されたいわゆる当時物で、一時期消滅したとされていたが2011年の金型捜索にて奇跡的に発見されたものである。
  • 車軸間を若干縮めており、パーツの向きを変えて位置変更もできる
  • 2007年に初代デコトラ「帰ってきた用心棒」発売の際に再製作されたもの。かつてのブラックマスクパーツの金型も2011年の金型捜索にて発見され、旧型ダンプシャーシと共に試作成型されたものが公式ブログにて公開されたが、商品化には至ってない。
  • 先代はタンクローリートレーラーだった。
  • 実車で総軸同径の低床型4軸車両が登場するのは90年代後半の三菱ふそう スーパーグレートからである。
  • 商品自体の宣伝や拡販を目的としていないため在庫や値段の記載はされてない。